英軍事誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』はこのほど、中国の関係者の話として、瀋陽飛機工業集団が2つの操縦席を持つ艦載戦闘機「J−15」の初飛行を実施したと伝えた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 英メディアによると、同戦闘機は「J−15S」もしくは「黒鯊」、「飛鯊」と呼ばれる。同戦闘機は操縦席が1つのJ−15と同様に、まず陸地での訓練を実施してから、空母「遼寧艦」で発着艦訓練を実施する。J−15Sが最終的に中国の艦載機部隊に編入されるかは不明だが、正確な攻撃、空中早期警戒・抑制および対潜水艦能力を考慮すると、2名のパイロットが搭乗できる戦闘機は魅力的だ。

 英メディアは、J−15Sの登場により、瀋陽飛機工業集団は5機種のスホーイ戦闘機を複製したことになると報じた(J−11B、J−11BS、J−15、J−15S、J−16)。これらの戦闘機のエンジンは、国産のWS−10Aターボファンエンジンを使用している。これは中国の同プロジェクトに対する自信の高まりを示している。

 英メディアは、瀋陽飛機工業集団と中国海軍によるJ−15Sの開発決定は、重大な意義を持つと伝えた。J−11とJ−15は、Su−27とSu−33を基礎とし発展させた。スホーイは中国へのSu−33売却に取り組んでいるが、これは瀋陽飛機工業集団が、Su−33の複雑な特性を完全にコピーすることができないためだという。(編集担当:米原裕子)