日本へ震災支援しないと発表した歌手キム・ジャンフン。

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韓国「ニューライト全国連合」が、韓国人歌手キム・ジャンフンが先月に「日本へ震災支援しない」と断言したことについて論文で非難し、インターネット上で炎上状態となっている。

ニューライトとは、韓国で2004年ごろに登場した新しいタイプの右翼運動のことで、「ニューライト全国連合」は05年に発足した。このニューライト連合が3月21日、ホームページに「日本を助けないことを自慢する某歌手」と題した論評を掲載。竹島問題を理由に日本へ震災支援を行わないと断言した歌手キム・ジャンフン氏を強く非難した。

論評は「さまざまな寄付活動を盛んに行うことで知られる歌手キム・ジャンフンが、日本を助けないことを公の場で宣言し話題を集めた。もちろん、寄付は自発的なものであり、誰かが強要するものではなく、またそれを取り上げて是非を語るものでもない」と述べる。

続いて「キム氏は自分が寄付しないという方針が、メディアで報じられることを願ってはいなかったと思う」とフォローしつつも、「しかし、その事実はメディアで繰り返し報じられ、(人びとに)不快感を与えたなら、公人として責任を持つべきだろう」と指摘した。

さらに「すでに相当量の寄付行為を行った公人はもちろん、電話を通じて2000ウォンの小額寄付を行った多くの庶民たちも、みな誰にも負けないくらい一定量の愛国心を持った上で、隣国を助けようとした。特に、小額寄付を行った者たちは、日本の一般的な庶民にも満たないわずかな収入しかないと思われる。人間社会においても、行わなければならないものと行ってはいけないもの、また、行っても自慢するものとそうでないものがある。いくら知識人が絶滅している社会だとしても、限定性を持つ社会人が財力を使って包括的な影響力を与えることは控えるべきだろう」と論じた。

キム氏は韓国内で寄付活動を精力的に行っている人物として知られており、特に「竹島は韓国の領土」、「日本海は東海と呼称すべき」と主張するなど領土問題へ力を入れている。そんなキム氏が東日本大震災の後、日本へ寄付を行うかどうか韓国では注目が集まったが、先月19日に自身のホームページを通じて「救護活動を行う計画はない」ことを明らかにした。

この発表は韓国のマスコミが相次ぎ報じ、一部の反日感情を持つ国民からは歓迎され「真の愛国者だ」などといった意見が相次いだ。だが、ニューライト全国連合は今回の論文を通じて、竹島問題を理由に「寄付を行わないことこそ愛国者」というような雰囲気を作ったキム氏を強く批判した。

論文を紹介した記事には、「ニューライトはキム・ジャンフンに文句を言える立場か?」「ニューライトは祖国をなんだと思っているんだ」「親日派だな」など、論文に反発したりキム氏を擁護するコメントが殺到している。

キム氏のような反日的発言はマスコミに取り上げられやすく、また、反日感情を持つ者たちには歓迎されるものだが、ニューライト全国連合のようにキム氏の行動に疑問を持つ人たちがいるのは事実のようだ。


参照:日本を助けないことを自慢する某歌手 - ニューライト全国連合
参照:ニューライト - Wikipedia
参照:日韓関係/韓国における「ニュー・ライト」の台頭? - 安全保障論ノススメ

(文:林由美)

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