快進撃を続ける楽天(C)KYODO NEWS IMAGES

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◆ まるで『じゃんけん』?

 オリックスが2位・西武との直接対決に3連勝。貯金を8つとし、勝率を.700ちょうどに乗せた。

 一方の西武は、2位浮上のチャンスも敵地で返り討ちに合う格好に。ちょうど裏ローテがディクソン、金子千尋とぶつかるという苦しい巡り合わせだったとは言え、痛恨の3タテで貯金を2に減らした。

 西武はこれで対オリックス5連敗。実は今シーズンここまで1度も勝つことが出来ていない。と思いきやそのオリックスも、ここまで首位・楽天に対しては3戦全敗。かと思えばその楽天は西武相手に苦戦を強いられており、1勝2敗と負け越している。それぞれの成績を整理してみよう。

1位 楽天 19試合・15勝4敗

[強] vs.オリックス 3勝0敗

[弱] vs.西武 1勝2敗

2位 オリックス 20試合・14勝6敗

[強] vs.西武 5勝0敗

[弱] vs.楽天 0勝3敗

3位 西武 20試合・11勝9敗

[強] vs.楽天 2勝1敗

[弱] vs.オリックス 0勝5敗

 ご覧のように、まだ開幕からまだ間もない時期とは言え、上位3チームの中の強弱関係が『じゃんけん』のようにはっきりと現れているのだ。

 ちなみに、28日からの新しいカードは3チームの中での直接対決はなし。5月2日からの対戦で楽天とオリックスが激突する。開幕カードではホームでショッキングな3連敗を喫したオリックスだけに、今度は敵地でのリベンジなるか。注目の戦いになる。

◆ じわじわ浮上してきたV候補

 昨年Bクラスに終わった3チームが上位を占め、“2強”と言われた日本ハムとソフトバンクが下位に沈んでいることから『春の珍事』などと言われている今季のパ・リーグ。しかし、開幕から1カ月が経とうというところに来て、優勝候補が静かに進撃を開始している。

 昨季2位からの逆襲を目指すソフトバンク。WBC戦士を多く輩出していたこともあって開幕直後はなかなか波に乗れなかったが、ここ9試合で6勝3敗とようやくエンジンに火がつき始めた。

 気がつけば3位と0.5ゲーム差の4位まで来ており、特にベテランの和田毅と若きエース・武田翔太という左右の両輪を欠きながら、それでも状態を上げてきたのは流石の一言だ。

 勢いが出てきた中で帰ってきた川崎宗則が一軍に上がってくるという報道も出ており、不振が続く松田宣浩をはじめとする打線が本来の力を発揮してくれば、一気にテッペンまで浮上するだけの力は持っている。

 昨季の雪辱に燃える3チームと、ようやく目を覚ましつつあるV候補。『春の珍事』から次のステップへと移りそうなここからのパ・リーグは目が離せない。