スマホ使いには必須のクラウドって何?

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iPhoneを使う人にとってはもはやおなじみのiCloud。これは、Apple IDでサインアップすると自動的に5GBのストレージが無料で使えるというもの。iPhoneユーザーはApple IDでアクティベーションするため、当然、すべてのiPhoneユーザーが使えるということになる。いわゆる、インターネット経由で利用できる「クラウド」だ。

◎そもそも、クラウドって何?
クラウドコンピューティング(cloud computing)を略して「クラウド」と呼ばれている。これはネットワークを経由して、ローカルではない、遠くのコンピュータを使いましょうという形態のこと。インターネット上で使われるサービスを指すことが多い。
具体的には、HDDのようにデータを保存できる「オンラインストレージ」や、アプリケーションの機能が利用できるサービスがある。

クラウド」の何が便利かというと、目の前にあるコンピュータやスマホにない使うことができることだ。
たとえば、データをクラウド上に保存しておけば、そのサービスにログインするだけで、どのコンピュータ(普段使用しないマシン)やスマホでも、いつでも同じデータにアクセスすることができる。

クラウドサービスが流行るワケ
ローカル(本体)にはない機能を使えるといっても、クラウドを使うにはインターネットが必要だ。回線の速さに左右されたり、接続の状態によっては動作が不安定になったりする。ストレスがないというわけではない。そのため、実はこれまで多く普及していたのはDropboxやGoogleDrive、OneDiskなど、いわゆる「ストレージサービス」だ。

ただ、これらのサービスの多くはローカルのPCと同期して使用する形でローカル環境の保存領域も使用する。そのため、単に保存領域を節約したいという目的には向かない。つまり、これまでは「いつでもどこでもデータにアクセスする、あるいは複数人とデータを共有する」ために使うという、考えようによってはちょっとコアな利用者が多かった。もちろん非同期型のストレージサービスもあるが、昨今のPCのハードスペックの進化(大容量HDDが安価になったことは大きい)で、単純にローカル環境の保存領域の節約という需要自体が少なくなっている。

◎実は、スマホやタブレットはPCよりも「クラウド」と相性がいい
こうした「クラウド」の使い方の変化や一般的になった要因の1つが、iPhone/iPadなどのスマホやタブレットの普及だ。
スマホやタブレットのスペックは、PC並みに上がってきているとはいえ、PCのような大容量のHDDが積まれているわけではない。写真や動画を撮影したり、おもしろそうなアプリをインストールしたり、使えば使うほど、手元の本体のメモリが減っていく。それを救うのがクラウドサービスだ。

スマホやタブレットはクラウドと相性がいい。
Evernoteを使ってスマホ上のアプリで文書を編集する、Dropboxで共有されたファイルにスマホからアクセスするなど、スマホの性能をカバーする使い方、スマホをモバイル端末のような使い方ができるのだ。

◎iOS端末でのiCloud登場の意味は大きい
特にiPhoneでは、iCloudの登場は大きかった。
それまでは、母艦になるPCに、復元するためのバックアップデータを保存し、iOSのバージョンアップや初期化などには母艦PCが必要だった。それが、iCloudの登場で単独で「バックアップ→バージョンアップ・初期化→復元」が可能になったのだ。
これで、完全にPCなしでiPhoneが使えるようになった。

もちろん無料で使えるのは5GB。普通に使っているだけでも、真っ正直にバックアップしたらあっという間に5GBを超えてしまう。
そこで、オススメなのは、連絡帳やメール、写真など、最低限これだけは...というものをiCloudに同期しておくことだ。
こうしておけば、不慮の事故で初期化しなければならなくなっても、被害を最小限に抑えることができる。
また、iTunes Match(有償)を利用しておけば、iCloudにログインすることで、音楽データにもそのままアクセスすることができる。

ちなみに、iPhoneのフォトストリームにアップロードされた写真の容量やiTunes Matchで利用する分はiCloudのストレージの消費量としてはカウントされない。


大内孝子