最終予選が終わってしまった…!

強すぎることでの悩み。すでにワールドカップ出場を、しかも1位での予選突破を決めている日本代表は、予選の最終戦・イラク戦に臨みました。カタール・ドーハで行なわれたイラク戦。そこには94年大会の予選で起きた「ドーハの悲劇」がオーバーラップしてきます。最後の1秒が勝負をわけた激闘の記憶が残る地です。

しかし、実際はピリピリしているのは相手だけ。日本側は熱さと砂嵐に耐え、消化試合という現実に耐え、必死にやる気を振り絞らなくてはいけない状況でした。もちろん出場している選手は本気の全力プレーなのでしょうが、この設定で人生を左右する120%の馬鹿力など出るはずもありません。逆に、ここでハッスルして怪我をしたり警告でももらえば、状況を考えられない馬鹿者と呼ばれるのですから。

ドーハでのイラク戦が、そんな状態でやってくる。

贅沢な悩みですが、そこには一抹の寂しさもあります。

そして、だからこそ、際立つ日本代表の強さがあります。

識者はこの日の試合を見て、ここがダメだあそこがダメだこれでは世界と戦えないレベルが低い采配がおかしい控え選手がいない本田依存症が解決していない3-4-3は結局身につかなかったウッチーかわいい香川を有効に活用できていないトップ下の人材不足所詮は日本本田以外は世界から遠ざかった…などと言うでしょう。ケチをつけるでしょう。

しかし、僕は言いたい。もう勝っても負けてもどうでもいい状況で、来週からはすごい大事なイベントがある中で、クソ暑い場所でクソ埃が舞う中で大して客もいない試合を戦うというのは、決して簡単ではないということを。

識者だって日本代表の試合という花舞台だから、全力で厳しい論評もできるのです。インドの山奥で蚊とかハエとかがブンブン飛ぶ中で行なわれる犬VS猫のサッカーを、村祭りの会場まで行ってレポートしてこい、120%で!とか言われたらどこまで渾身のレポートができるものか。犬チームのシステム分析とか、猫チームの控えメンバーのモチベーションとか、ちゃんと書けるのかと。書けるわけないですし、行く前にお断りするはずです。「いつでもどこでも最高のプレー」などできないのです。

にもかかわらず、日本代表は勝った。

「絶対に負けられない」という気持ちで臨んだイラクを返り討ちにし、勝って最終予選を終えた。1勝分を超える大差をつけてグループ首位で突破した。誇張でも何でもなく、これこそ「圧倒的な強さを見せた」という事象です。アジアを突き抜けていることの証明です。何かお祭り感としては尻すぼみですが、いい形で予選を締めくくることができ、とてもよい最終戦だったのではないでしょうか。アジア王者として、アジアを突き抜けた存在として、堂々とコンフェデに向かいましょう。

ということで、イラクのオッサンの本気度に対して若干申し訳ない感じとなった、11日のテレビ朝日中継による「ワールドカップアジア最終予選 日本代表VSイラク代表戦」をチェックしていきましょう。


◆「絶対に負けられない戦い」はイラクのオッサンだけにある!

「ブラジルワールドカップへ 本田、香川、長友決意の一戦」というテレ朝中継の字幕。ピッチに立つ香川・長友とベンチに座る本田△の姿。「何の決意やねん!」と心に去来する疑問はありますが、ある者は選手として、ある者は裏方として、ある者は次戦へチカラを貯めるため、強い決意でこの一戦に臨んでいるということなのでしょう。

↓日本を代表する3選手は強い決意で現地に向かっている!
<画像:本田△の仲間のコンディションを整える決意>
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/photonews_nsInc_f-sc-tp2-20130607-1139166.html

<画像:香川ユナイテッドのさまざまな状況に備える決意>
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/photonews_nsInc_p-sc-tp2-20130608-1139461.html

<画像:長友の絶対に米を炊くという強い決意>
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/photonews_nsInc_p-sc-tp2-20130608-1139460.html

本田△:「風呂!」
香川:「風呂桶持ってきました!」
長友:「メシ!」
香川:「ドンブリ持ってきました!」


カタールはドーハのアルアラビスタジアム。イラク国内での試合は禁じられているため、イラク国外での開催となった一戦。しかし、中東は中東。熱さ、砂埃、強い風といった自然環境は相手方のホームと言っていいもの。この試合はキックオフ時の気温が31度を超えたということで、試合中に2度の給水タイムを設けることになりました。ハッキリ言ってこんな環境で運動ができる生物はラクダくらいです。日本代表は厳しい自然環境とも戦うことになりました。

スタンドは真っ赤に染め上げられ、見渡す限りの椅子・椅子・椅子。そして今にも暴徒化しそうな椅子を見つめる警備員の厳しい視線。ピリピリとした椅子の空気。空気椅子。さすが疑似アウェー。中東らしい一体感で、真っ赤な圧力が日本代表にプレッシャーをかけます。一方、日本代表もドーハの日本人学校のみなさんなど、現地組を中心にサポート体制を構築。熱烈な声援を送ります。

↓日本国内でも警視庁が渋谷スクランブル交差点でサポーターの暴徒化を警戒中!


DJの人:「おまわりさんもわかっています!」
DJの人:「今日はここに集まるヤツなんかいないってことくらい!」
DJの人:「でもおまわりさんも仕事なんです!」
DJの人:「万一誰か暴れたらコッチの怠慢が怒られるんです!」
DJの人:「別に期待とかしてないんで、今日は来ないでください!」

おまわりさんもすっかり肩透かしだよ!

渋谷に繰り出すって発想すらなかったわ!





そして始まった試合。日本はハーフナー・マイクを1トップに起用し、中盤の前目に清武・香川・岡崎を配置。ボランチは細貝が先発出場し、右SBには酒井宏が入りました。出場停止の選手、怪我などコンディションに不安がある選手はまず外す。その上でなるべく勝ちに行く。そんな布陣。「香川出るなよ…」「DFザルで来いよ…」「GKも代えればいいのに…」と思っていたイラク側としては、思ったより本気の布陣にちょっとガッカリしたかもしれません。

勝たなければ予選突破の可能性がゼロになるイラクは、前半からFWユニスを中心に攻撃の姿勢。接触プレーも辞さない姿勢は、前半20分に岡崎の頭部にスパイクの底でのキック2連撃を喰らわせたほど。2度目の植毛手術を終えたルーニーとどっこいどっこいの戦いをつづける岡崎の頭皮への深刻なダメージも懸念される場面。懸念される場面でしたが…

↓松木安太郎解説者は解説席からOKサイン!
松木:「おぉぉぉい、危ない危ない危ない」

松木:「いきますねぇ、岡崎」

実況:「岡崎がまだうずくまっていますが…大丈夫でしょうか」

中山:「ちょっと顔蹴られたんじゃないですか」

松木:「おぉぉぉ、うん?……2回来てますね。足」

松木:「ココで終わってないよ、ほら、ほら!」

実況:「これはかなりいきましたね、松木さん!」

松木:「大丈夫だ!!」

大丈夫かどうかは本人が決めるから!

「見た感じ大丈夫そう」での決めつけwww

そんなこと言ってるから、その後も岡崎は蹴られまくりだよwww

「岡崎なら蹴っていい」の空気感漂うwwwww


しかし、両チームとも決定的な場面はなかなか作れず。暑さ、強風、砂埃に苦しむ中、パッとしない試合がつづきます。ちょっと疲れてきているのか。これはイカン。ということで、お待ちかねの給水タイムです。「俺たちはラクダじゃねぇんだよ」「水くれ水」「おねーさーん、俺ビール!」と給水へのワクワク感が高まります。

↓前半35分すぎ、みんなが待っていた給水タイムがやってきた!


<テレ朝・松木解説者の場合>
松木:「我々も給水していいですかね?」
実況:「どーぞどーぞ」

<NHKBS・山本解説者の場合>
山本:「首に水をかけろ!」

<日本代表・本田△圭佑の場合>

本田△:「キヨにスペースあけろって言ったほうがいい」

うーん、一番「給水」に積極的なのは松木解説者だな!

まぁ、一杯やりましょう!グググイーーーッと!





結局前半はそのまま0-0で終了。メンバーが変わった影響もあってか、どうにも攻撃が上手くつながりません。ポストプレーを意識しすぎているのか、あるいは最後のチャンスに空回りしているのか、ハーフナーが強引なシュートを狙ったり、持たなくていい場面で持ちすぎて相手のカウンターを誘発したりする場面が悪目立ちします。「出て損」「チャンスがピンチに」「余計な出場で評価を下げた」という想いでいっぱいです。

そして始まった後半。ますます低調になる両チーム。後半14分の遠藤さんのシュートは豪快な軌道で遥か彼方へ。取られる気もしませんが、取れる気もしない、そんな試合。しかし、イラクは1点を取らねば終了です。勝たねばワールドカップはないのです。日本側のやや弛緩した空気とは違い、彼らは本気でした。

スタンドには「上がれー!」とか「下がれー!」とか熱心に指示を出すイラクのオッサンが燃えています。選手たちは奮闘します。奮闘がすぎてオーバーヘッドを狙って、ボールではなく伊野波の顔面を蹴ってしまったことで退場になる選手も出ました。それでもオッサンは諦めていない!オッサンなら何とかしてくれる!オッサン!オッサン!!オッサン!!!

↓惜しいチャンスを逃したオッサンはぐぎぎぎぎぎぎぎ!!


タイガー・ジェット・シンかwwwwwwwww

オッサン頑張れ!オッサン諦めるな!

おーバモおーっさーんおーっさんおーっさんおーっさんヘイ!ヘイヘイヘイヘイ!

↓退場の判定にはオッサンは切ない抗議活動を展開!



オッサン頑張れ!オッサン諦めるな!

現地のおっさーんシャラララーシャラララーラー!


↓しかし、オッサンの夢を打ち砕く岡崎の無慈悲な先制&決勝点!


無慈悲だwwwwwwwwwwwww

相手にとっては歴史に残る無慈悲wwwwwwwww


あぁ、勝ってしまった。正直、ここで日本が負けたほうが最終節が盛り上がったという計算はあります。「負けても一向に構わない」という気持ちもありました。しかし、勝ってしまった。勝たざるを得ないチカラがあった。それが今の日本代表。イラクのオッサンもしばらくは眠れぬ夜がつづくでしょうが、今回のところは諦めてください。そして、またどこかの試合で会いましょう。そうやって歴史はつづいていくのですから…。

↓試合中には「お互いに頑張ろう」という温かい交流も見られたぞ!


イラク15番:「水くれ…頼む…」
日本の17番:「水足りてる?水あるよ?」
イラク15番:「あぁさっきコーチの人からもらったよ」
日本の17番:「そう。困ったときはお互い様だからね」
イラク15番:「ありがとう。ありがとう日本の好青年よ」
イラク15番:「僕はこの温かい気持ちを忘れないだろう」
イラク15番:「日本にはキミのような人がいるんだな」
イラク15番:「せめて名前を教えてくれないか」
日本の17番:「いいよ。気にしないで」
イラク15番:「僕の気持ちがおさまらないよ」
イラク15番:「敵同士なのに…こんなにしてもらって…」
イラク15番:「最後までいい戦いをしよう!」
イラク15番:「ワールドカップのため、僕らは勝つよ!」
イラク15番:「それがキミの友情に報いる方法だと思うから!」
イラク15番:「ありがとう日本のナイチンゲールよ!」

この17番は日本の誇りだな!

背中しか見えないから誰だかよくわからないけど誇りだな!





イラクさん!「ドーハの悲劇」って言葉、みなさんに差し上げます!