梁も窓も家具も…古い建物を“リサイクル”地域に再びにぎわい 鹿児島・大崎町【ちいきのチカラ(26)】
鹿児島の未来のために頑張る人たちを紹介する「ちいきのチカラ」。今回は、ごみのリサイクル率で日本一の大隅半島・大崎町です。
にぎわいを失った街を、リサイクルの精神でよみがえらせる。地域ぐるみのプロジェクトが始まっています。
大隅半島の東部に位置する大崎町。毎週木曜日の朝、地域の人たちが集まります。
地域で出たペットボトルや空き缶などの資源ごみ。それをみんなで協力して種類ごとに分けています。
資源として再利用できる「資源ごみ」。リサイクル率は全国平均でおよそ20%ですが、大崎町は80%を超え、これまでに17回、日本一となりました。
(記者)「大崎町の分別は、細やかさに特徴があります。例えば、こちらのビンの分別ですが、茶ビン、透明ビン、その他のビン。使われている材質によって、4種類に分別されているんです」
大崎町では、家庭で出るごみを26種類に細かく分別。例えば、生ごみは肥料に生まれかわり、町の農業で活用されています。
徹底した分別のきっかけはここまで徹底した分別のきっかけとなったのが、今から30年ほど前。満杯になる可能性があった町唯一の埋め立て処分場を延命するためでした。
危機感から始まった取り組みでしたが、今では…
(西迫集落 竹井正浩公民館長・65)「ただのごみ出しだが、ここに来て1時間程度で、みなさん元気でした?って。良い機会になっている」
国内外から注目される大崎町…一方で先進的な取り組みで海外から視察を受け入れるなど国内外から注目される大崎町。その一方で、急速な人口減少と過疎化に直面しています。
現在の人口はおよそ1万2000人。この20年でおよそ4000人減りました。
若者を中心としたまちづくりにぎわいを取り戻すために、若者を中心としたまちづくりが始まっています。
熊本県出身の髙橋知成さん(25)。
リサイクルを推進するイベントの企画などに取り組む大崎町SDGs推進協議会のメンバーです。 かつては商店がいくつも…(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)「大崎町の上町というエリア。道沿いに対して、商店街が並んでいた」
高橋さんが訪れたのが、町の中心部、上町エリア。
かつては商店がいくつも並んでいましたが、今では多くの商店が姿を消しました。 新たなにぎわい拠点に(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)「もともと、簡易郵便局だった場所を地域の人たちや企業、大学と連携をしながら、改修を行っている物件」
19年前に廃止された簡易郵便局。髙橋さんはここを新たなにぎわい拠点にするプロジェクトを任されています。
住民が集えるスペースをつくり、地域の特産品なども販売する計画です。
授業で大崎町の取り組みを学生時代、鹿児島大学に進学した髙橋さん。授業で大崎町の取り組みを知りました。
(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)「まちの人たちの熱量にすごくひかれて、自分たちのまちの課題というより可能性として語っているところにすごく憧れたのを覚えている」
「リサイクルの精神」髙橋さんが進める郵便局の改修プロジェクト。ここにはリサイクルの精神が息づいています。
(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)「簡易郵便局にあった家具の中で、まだ活用できそうなものをストックしている」
もともとあったものを「資源」に建物の梁に、扉や窓などの建具、そして家具も。全てを新しく揃えるのではなく、もともとあったものを「資源」と捉えてよみがえらせます。
(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)「(中東情勢で)新しい資材が届かない時に、地域の中にある資源をそのまま活用。単純に環境に良いだけではない、利点が生まれてくると感じた」
住民や子どもたちも一緒に9月の完成を目指して、住民や子どもたちも一緒に手伝います。
(地元の建設会社で勤務 吉留李奈さん・43)
「ぽつぽつとシャッターが降りていった、さみしい気持ちもあった」 「にぎわいが生まれる場所になれば」 住民の期待も高まる地域ぐるみのプロジェクトに、住民の期待も高まります。
(自治会長 萩原洋一さん・71)「コーヒーを飲んでみようかとか、夢を語るとか、若い人と年配の人が話せる機会がまさにここかなと思って期待」
「ワクワク感も循環するようなまちに」(大崎町SDGs推進協議会 髙橋知成さん)
「課題を可能性と捉えて進める場所。物質的な循環だけではなく、ワクワク感も循環するようなまちになっていけばいい」地域で育まれたリサイクルの力で、まちににぎわいを。未来を切り拓く新たな挑戦は始まったばかりです。
・
・ ・