男児4人の”自然な姿”を…不同意わいせつで逮捕された75歳元教師が裁判で語った“身勝手な矜持”

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「男の子を見ると心がわくわくする」

「自然の中で、自然な姿で遊んでいる少年たちを愛でる気持ちがありました」

4人の男子児童(事件当時11歳〜12歳)のわいせつな写真を撮影した75歳の元小学校教諭は「全裸」を「自然な姿」と言い換え、動機をこう説明した。

「’25年12月9日、警視庁少年育成課は不同意わいせつの疑いで東京都八王子市の無職・田中耕一郎被告(75)を逮捕しました。田中被告は’25年10月、あきる野市の河川敷に男子児童らを誘ってバーベキューをした際、A君(当時12歳)に『濡れたままだから寒いんだよ』などと水着や下着を脱ぐよう促し、下半身を触った疑いです。

A君の母親から警視庁に相談があり、事件が発覚。田中被告は『故意には触っていない』と否認する一方で、『小学生から中学2年生の男の子を見ると心がわくわくする』などと供述したそうです」(全国紙社会部記者)

逮捕後、警視庁が田中被告のハードディスクを押収したところ、’07年以降に撮影された男児の裸などの静止画や動画8万点以上が見つかった。田中被告は’11年まで小学校教諭をしており、当時から同様の行為を繰り返していた可能性があるという。これらの画像を解析した後、A君の全裸を撮影したとして警察は性的姿態等撮影と児童ポルノ禁止法違反の疑いで田中被告を再逮捕した。

前出の社会部記者が続ける。

「田中被告は以前にも事件を起こしています。SNSで知り合った男児ポルノ愛好家グループの教員ら男性6人が摘発された事件で逮捕されており、’17年3月に懲役3年執行猶予4年の判決を受けているのです。この愛好家グループは子ども向けのサマーキャンプなどを利用して男児100人以上にわいせつな被害を遭わせたとされ、10万点以上のわいせつ画像が押収されています」

再逮捕後も田中被告は逮捕・起訴を繰り返し、起訴された順にA〜D君に対する4人の男児への性的姿態等撮影と児童ポルノ禁止法違反の罪を法廷で問われることとなった。

7月10日、東京地裁立川支部で田中被告に判決が言い渡される。初公判では「間違いありません」と罪を認めた田中被告は、これまでの公判で何を語ったのだろうか──。

「海パンは変だから脱いじゃいな」

田中被告は大学卒業後、小学校に勤務。定年後は塾の講師をしていたが、今回の逮捕後に退職している。近隣の住人は「ダンディな紳士」と話していたというが、長身で白髪を後ろに撫でつけ、じっと被告人席に座るその姿からは、確かに紳士然とした雰囲気が感じられた。その雰囲気で元小学校教諭ということもあり、60歳以上離れた男児たちも信用してしまったのかもしれない。

逮捕のきっかけとなったA君の母親の供述調書には、息子の被害に気づいたときのことが次のようにつづられていた。

〈AのスマートフォンからLINEじゃない通知音が聞こえてきたので、『誰から?』と聞いたところ、『コウちゃんという、60から70くらいの男の人。川で遊んでいたときに声をかけられて知り合った』ということを聞きました。学校に連絡し、聞き取り調査が行われたときに、Aが裸の写真を撮られたことを知り、気持ち悪い、裸の写真など撮るなんて許せないと思いました〉

A君から「コウちゃん」とあだ名で呼ばれていた田中被告。A君と初めて会ったその日に連絡先を交換し、「友達」になったのだという。

被害男児4人と知り合った経緯について、田中被告は法廷で次のように述べていた。

「’24年4月ごろ、鮎の遡上を撮影したいと思って河原に行ったところ、元気に遊んでいる少年たちがいました。話しかけて遊んであげたところ仲良くなり、後日、いっしょにバーベキューをやることになりました。そのグループにいたのがD君(当時12歳)です」

そのバーベキューでD君の全裸を撮影した経緯をこのように説明していた。

「水が上から流れ落ちるところで、座り込んで打たれている姿が美しいなと思う気持ちがありました。それをカメラで撮影したいと思ったので、『(下着を)脱いでちょうだい、取っちゃって』と言ってしまいました」

A君たちと会ったのもやはり河川敷だった。

「昨年の9月に河原に涼みに行ったら、火遊びをしている子たちがいたので、『そこで火をつけるのは難しいよ』などと話して、知り合うことができました。そこにいたのがA君とB君(当時11歳)、C君(当時11歳)です」

ここでも後日、バーベキューをすることになり、そこでA〜C君の全裸を撮影したという。

「バーベキューの準備をして河原に行ったら、子どもたちが自然状態(全裸)で川に入って遊んでいました。そしてA君だけが海パン姿だったので、『1人だけ海パンをはいているのは変だから脱いじゃいな』と言ってしまいました。それをカメラで動画撮影してしまったのです。

また10月末に『きょうは学校が早く終わるから遊べるよ』と子どもたちから連絡があって、河原に行ったら、もう寒かったのですが、子どもたちは元気に川に飛び込んでいました。全部、脱いで川に飛び込むB君とC君を、持っていたカメラで撮影してしまいました。自然な姿を見たいという思いがどこかに潜んでいたのだと思います」

「残り少ない人生ですけれども」

冒頭のように「自然の中で元気に遊ぶ男の子を愛でる傾向がある」と述べていた田中被告だが「少年たちに触りたい、性交したいという気持ちはあるんですか」という弁護人の問いは強く否定した。

「そういうのはとんでもないことだと思っています、ええ。やりたいとも思ってないし、やったこともありません」

前述のとおり、田中被告は’17年に未成年者誘拐と児童福祉法違反で逮捕されている。熱海のリゾートマンションに滞在中、共犯者の男性とともに、男児をマンションに誘いこんだり、別の男児には部屋でわいせつな行為をしたという。

同年3月31日に懲役3年執行猶予4年の刑が確定。執行猶予期間終了からわずか3年程度で、再び男児への犯行に及んだことになる。罪を繰り返したことで、「もう二度とこのようなことをしないよう真剣に考えて、カウンセリングを受けたりしながら生き直している最中」なのだと話し、カウンセリングではある“気づき”があったのだと説明していた。

「目の前の楽しさやうれしさにかまけて、被害者感情について考えていませんでした。被害者が何年か後に、どういう嫌な思いをするのか。そういう考えが非常に足りなかったと改めて知ったことが、私自身の成果だと思っています」

6月25日に開かれた第4回公判での論告弁論で、検察官は「被害児童の判断能力の未熟さにつけ込んだ卑劣な犯行」と指摘。「執行猶予終了から3年程度で犯行に及んでいることから再犯の恐れが大きい」などとして「懲役3年」を求刑。

一方、弁護人は「写真の撮影にあたって脅迫的な言葉とか手段を用いたわけではない」と述べ、「被害男児2人とは示談が成立している」「自身の認知を正すために勾留中に2度カウンセリングを受け、社会復帰後も継続すると約束している」などとして、「執行猶予付き判決が相当」と主張した。

最終陳述では「残りの少ない人生ですけれども、もう二度とこのようなことをしないように、多方面に協力を仰ぎながら、生きていきたいと思っております」と述べた田中被告。

公判では、声を絞り出すようにして何度も「残り少ない」「老い先短い」という言葉を使い、「今後の人生で社会貢献したい」と述べた。それは後悔からだったのか、それとも憐れみを乞おうとする姿だったのだろうか?

判決は7月10日に言い渡される予定だ。

取材・文・写真:中平良