「慢性腎不全・慢性腎臓病(CKD)」とは?原因・食事・症状についても解説!

尿酸値が高くなる食べ物はご存じですか?メディカルドック監修医が、プリン体など痛風や高尿酸血症で避けたい食品・飲み物と対策を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)

名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

尿酸値が上がる原因とは?

まずは、血液中の尿酸値が上昇する原因について解説します。

尿酸値とは?

ヒトの体内には、プリン体と呼ばれる化合物があります。遺伝子であるDNAやエネルギー代謝に関連するATPなどがプリン体に含まれます。プリン体はヒトの体内では重要な役割を果たしていますが、多すぎると分解され、最終的に尿酸に代謝されます。尿酸値とは、血液中の尿酸の量を表します。

血液中の尿酸値が上がる仕組みと健康への影響

血液中の尿酸値が上がる原因としては、尿酸の生成が亢進することと、排泄が低下することの2つが挙げられます。高尿酸血症の方では関節や組織などに尿酸結晶ができ、白血球などがこれを貪食しようとします。すると、痛風が引き起こされます。典型的には、足の親指の付け根の関節が発作的に痛み、腫れるという症状が起こります。また、腎臓や尿の通り道に尿路結石ができやすくなるケースもあります。

尿酸値が上がる主な原因とは?食生活以外の要因も

尿酸値が上がる原因としては、プリン体を多く含む食べ物の摂りすぎのほかにも、抗がん剤などの投与により細胞核由来のたんぱく質が崩壊するというものもあります。また、腎臓から尿酸を十分に排泄できなくなることも、尿酸値上昇の原因です。さらに、腎機能の低下そのものが尿酸の排泄を妨げ、尿酸値を上げる要因となります。激しい無酸素運動は細胞内のATPの分解を促進し、一時的に尿酸の産生を増やすことがあります。加えて、遺伝的に尿酸の代謝や排泄に関わる体質を持つ方もおり、家族に高尿酸血症や痛風の方が多い場合は注意が必要です。肥満も、インスリン抵抗性などを介して尿酸の排泄を低下させ、尿酸値を上げる要因として知られています。

「尿酸値」に関わる検査と再検査が必要な数値・結果

尿酸値の基準値と再検査が必要な数値を紹介します。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

血液検査の「尿酸値」の基準値

性別や年齢を問わず、血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えるものは高尿酸血症と定義されています。なお、日本人間ドック・予防医療学会での基準値は以下のようになっています(単位はmg/dL)。

要注意:2.0以下

基準範囲:2.1~7.0

要注意:7.1~8.9

異常:9.0以上

健康診断で「要注意」と判定された場合には、生活習慣の見直しをする良い機会です。「異常」の場合には、数週間~1か月以内を目安に受診しましょう。

血液検査の「尿酸値」の再検査基準と内容

健康診断などで尿酸値が「異常」と判定されたら、内科などで再検査を受ける必要があります。一時的な数値の異常の場合などでなく、やはり高尿酸血症が疑われるケースでは、症状などの有無を評価し生活習慣改善が勧められます。治療に進むこともあります。検査では、通常血液検査や尿検査が行われます。保険適用となります。3割負担の場合は、血液検査料や再診料などを含め、約1,000~2,000円が目安となります。すでに、痛風の症状が出ている際や腎臓の機能をチェックするため、関節や腹部エコー検査などを行うこともあります。超音波検査が追加された場合には、費用は1,000円ほど高くなると想定されます。

痛風の人が注意したい、尿酸値を上げる食べ物とは?

プリン体が多く含まれるものを過剰に食べると、尿酸値が高まるリスクがあります。

特に注意したい高プリン体の食品

原則として、細胞分裂の盛んな組織(芽や根の先)などは、プリン体であるDNAが多く含まれると考えられます。また、鶏レバーやマイワシの干物、白子、あんこうなど細胞密度が高い食物もプリン体の含有量が多い食物として挙げられます。一般的に、魚や肉を多く食べる食生活では高プリン食となる可能性があります。

見落とされがちな尿酸値を上げる食べ物

体調管理の方法の一つとして、サプリメントや健康食品をとるようにしている人もいるのではないでしょうか。しかし、DNA/RNAが含まれる製品は、1日分でも推奨されるプリン体摂取量400mg/日の半分ほどになる場合もあります。尿酸値が高めと言われている方は、こうした健康食品は控えめにすると良いかもしれません。また、プリン体だけを気にすれば良いわけではありません。清涼飲料水、果糖ぶどう糖液糖を含む菓子、果物の食べ過ぎなど、果糖の摂りすぎにも注意しましょう。

高尿酸血症で避けるべき、尿酸値を上げる飲み物とは?

尿酸値が高い方が注意すべき飲み物について解説します。

ビールなどアルコール飲料のプリン体が尿酸値に影響を与える?

アルコール摂取量は、高尿酸血症のリスクを高めることが知られています。アルコールは、体内で代謝されるときに肝臓でATPを消費します。過剰に摂取すると、肝臓での代謝の過程で尿酸の産生が増え、血液中の尿酸値を高めます。プリン体がどれくらい含まれているのかが、血液中の尿酸値をどの程度高めるのかを決めると考えられます。アルコール飲料は全て尿酸値を高める方向に働きますが、なかでもビールが最も痛風のリスクを高めます。アルコール類による血液中の尿酸値への影響を最低限にする1日あたりの摂取量の目安は、以下のようになります。

日本酒1合

ビール350~500mL(販売元によって異なる)

ウイスキー60mL

なお、ワインは約150mLまでは尿酸値を上げにくいとされています。

果糖(フルクトース)を含む飲み物

果糖(フルクトース)は、過剰に摂取すると尿酸の生成を促進し痛風のリスクを高めます。果糖は、リンゴや西洋ナシなどの果物や蜂蜜に多く含まれており、甘みが砂糖よりもやや強いという特徴を持っています。果糖を多く含む甘い飲み物や果物ジュースは控えるようにしましょう。

「尿酸値」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「尿酸値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態を指します。尿酸が関節内に結晶として沈着すると、足の親指の付け根などに激しい痛みや腫れを引き起こす痛風発作を生じます。原因としては、プリン体の過剰摂取、飲酒、肥満、腎機能低下などが挙げられます。治療では食事療法や適度な運動、十分な水分摂取を行い、必要に応じて尿酸降下薬を使用します。関節の急激な痛みや腫れがある場合は早めに受診しましょう。受診先は内科、腎臓内科、リウマチ科などです。

尿路結石

尿酸値が高い状態が続くと、尿中の尿酸濃度が上昇し、尿酸結石などの尿路結石ができやすくなります。結石が尿管に詰まると、突然の激しい脇腹や背中の痛み、血尿、吐き気などを生じることがあります。予防には十分な水分摂取や食生活の見直しが重要です。強い腰背部痛や血尿がみられる場合は速やかに医療機関を受診してください。受診先は泌尿器科です。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下が長期間続く病気です。腎機能が低下すると尿酸の排泄が十分に行われず、尿酸値が上昇しやすくなります。また、高尿酸血症そのものが腎障害の進行に関与する可能性も指摘されています。初期には自覚症状が乏しいことが多いですが、進行するとむくみや倦怠感、尿異常などが現れます。健康診断で尿酸値の高値や腎機能異常を指摘された場合は放置せず、内科や腎臓内科を受診して詳しい検査を受けましょう。

尿酸値が高い人でも食べても良い・下げる効果が期待できる食品はある?

ここでは、尿酸値を下げる食品や生活習慣について紹介しましょう。

尿酸値が高い人でも食べても良い食品

プリン体が少ない食品としては、多くの野菜や豆腐、納豆、卵、乳製品などがあります。また、近年尿酸値を下げる食生活のスタイルとして、果物や野菜、ナッツ、低脂肪乳製品、全粒穀類、さやえんどう類を多く摂り、食塩や甘味飲料、肉類摂取を減らしたDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食などが注目されています。また、食物繊維の量が多いほど、高尿酸血症を発症するリスクが低いとされています。野菜や海藻は尿が酸性に傾きすぎるのを防ぐので、尿酸値が高い方の尿路結石を予防する効果が期待できます。

尿酸値を下げる効果が期待できる食品はある?

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は、プリン体が消化管で吸収されるのを抑制する作用があります。また、ポリフェノールやアンセリンという物質は尿酸の合成を抑制するのではと考えられています。さらに、牛乳やビタミンCは腎臓での尿酸排泄を促進する作用があり、これらが血液中の尿酸値を下げる効果が示唆されています。ポリフェノールはチェリーやブルーベリー、スモモ、いちご、ブドウなどの果物や、コーヒー、ワイン、チョコレート、大豆食品などに多く含まれています。アンセリンは、まぐろやかつおなどの回遊魚類や鳥類の筋肉中に多く含まれています。一方で、ヒトにおける大規模な臨床試験はまだ十分ではないため、適量をバランスよく日々の食事の中で摂取する意識を持つとよいでしょう。

食事以外で尿酸値を下げる方法はある?

食事のほか、適切な運動も尿酸値を下げる方法の一つです。短時間の激しい運動は血液中の尿酸値を上げる方に働くため、有酸素運動が勧められます。歩行やジョギング、サイクリング、社交ダンスなどの有酸素運動を脈が少し速くなる程度に行います。少なくとも10分以上の運動を合計1日30分以上、または60分程度行うことが望ましいです。

「尿酸値を上げる食べ物」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿酸値を上げる食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

尿酸値が高いと診断されたら、まず何の食べ物から控えるべきでしょうか?

木村 香菜 医師

尿酸値が高いと診断されたら、プリン体が多いレバー類などの内臓系の食べ物や、白子、干物などは控えるようにしましょう。また、果糖が多く含まれるようなジュースやお菓子なども控えましょう。

尿酸値を下げるために、毎日意識して摂ると良い食べ物・飲み物はありますか?

木村 香菜 医師

野菜や豆類、低脂肪の乳製品を意識して摂ると良いでしょう。

魚卵やビールを控えてプリン体ゼロのお酒を飲めば、尿酸値が上がる心配はありませんか?

木村 香菜 医師

「プリン体ゼロのお酒だから安心」とはいえません。魚卵やビールを控えても、アルコールそのものに尿酸を作り出し、体外への排出を妨げる働きがあるため、飲み過ぎると尿酸値が上がる可能性があります。

果物や野菜で尿酸値を上げるものはありますか?

木村 香菜 医師

果糖を多く含む果物や、そのジュースを摂りすぎると尿酸値が高くなる原因になる可能性があります。ただし、野菜や果物に含まれる食物繊維は尿酸値を下げる方向に働くので、バランスよく日々の食事に取り入れると良いでしょう。

まとめ

今回の記事では、尿酸値に影響がある可能性がある食べものや生活習慣について解説しました。尿酸値が高いと言われた場合には、放置せずに生活習慣改善をし、必要であれば内科の受診を検討しましょう。

「尿酸値」の異常で考えられる病気

「尿酸値」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科系の病気

内科系

痛風

泌尿器科系の病気

泌尿器科系

尿路結石

腎臓内科系の病気

腎臓内科系

慢性腎臓病

尿酸値が高い状態が続くと、これらのような病気になるリスクがあります。

「尿酸値」の異常で考えられる症状

「尿酸値」に関連する症状は4個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

足の親指の付け根が腫れて痛い

膝が痛い腰が痛い

血尿が出る

痛風発作や、尿路結石によりこれらのような症状が現れることがあります。

参考文献

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

尿酸値とは?高い人低い人それぞれの対策を簡単に解説|大正製薬

検査表の見方|日本人間ドック・予防医療学会