【宝島夫妻殺害事件】「俺の名前を出すなよ」無期求刑の指示役が明かした“主犯”関根被告とのやり取り
2024年4月16日、栃木県那須町の河川敷で、東京・上野周辺で複数の飲食店を経営していた宝島龍太郎さん(当時55)と、妻・幸子さん(当時56)の焼損した遺体が見つかった。
起訴状などによると、夫妻は15日夜から16日未明にかけて、東京都品川区の空き家で首を絞められるなどして殺害された。その後、遺体は車で那須町まで運ばれ、ガソリンをかけて焼かれたとされる。
事件をめぐっては、夫妻の長女・宝島真奈美被告(33)と、その内縁の夫で事件を主導したとされる関根誠端(せいは)被告(34)、関根被告と実行役側をつないだとされる佐々木光被告(30)、仲介役の平山綾拳(りょうけん)被告(27)ら計7人が、殺人罪などで起訴されている。
6月24日には、事件の首謀者とされる関根被告の勾留理由開示手続きが東京地裁で行われた。裁判官は、証拠隠滅や逃亡のおそれがあることなどを挙げ、勾留を続ける必要性を説明している。
「関根被告は意見陳述で、『私は誰とも共謀していませんし、絶対に私は無罪です』と述べ、殺害の指示や共謀を全面的に否定しました。さらに、『私は長期間拘束され、家族を失った』と訴え、押収されたスマートフォンのデータが消され、捜査一課の人間に捜査報告書をねつ造されたなどと主張し、警視庁を強く批判しました」(社会部記者)
「上野を牛耳っている人物」として紹介
一方、これに先立つ6月22日からは、それぞれ指示役と仲介役として事件に関与したとされる佐々木被告と平山被告の裁判員裁判が、東京地裁(中川正隆裁判長)で始まっている。
佐々木被告は起訴内容を認めた一方、平山被告は事件への関与を認めつつ、「ほう助犯だと思っている」との立場を示した。
24日の第3回公判では、佐々木被告に対する被告人質問を実施。そこで語られたのは、事件への関与を全面的に否定する関根被告の主張と、真っ向から食い違う内容だった。
佐々木被告は、事件のおよそ2カ月前となる2024年2月、知人に誘われて地元・福岡から上京。上野の路上で客引きを始めたころ、知人から「上野を牛耳っている人物」として関根被告を紹介されたという。
現在の上野「宝島ロード」 その後、関根被告から夫妻の殺害と遺体処理を依頼され、上京直後に渋谷のクラブで“暴力団関係者”として紹介された平山被告に話を持ちかけたと説明。
「平山が依頼を引き受けた後、関根に平山を紹介して、直接やり取りをしてもらうつもりだった。しかし、関根からは『お前、もう話を聞いただろ。平山には俺の名前を出すな』と言われた。
家族の名前も出されたので、従うしかなかった」(佐々木被告の供述要旨)
無罪主張の関根被告に「怒りを覚えた」
佐々木被告によると、関根被告は犯行当日、夫妻に飲ませるコーヒーに睡眠薬を入れ、佐々木被告には、犯行現場のシャッターを開けるリモコンを実行役に渡すよう指示したという。
夫妻が殺害された後には、夫妻を乗せるために用意したステップワゴンについて、「回収したいから早く終わらせろ」と命じていたことも明かされた。
その後、同車に乗って佐々木被告と合流し、報酬の1500万円を手渡したという。佐々木被告は、このうち100万円を“現場の掃除代”として受け取り、残る1400万円を平山被告に渡したと説明した。
佐々木被告は事件への関与を振り返り、「今は断るか、逃げるべきだった。2人の尊い人命を奪ったことを深く後悔し、反省しています」と述べた。
その一方で、関根被告については、「事件に巻き込んだこと、事件を起こしたことにいら立ちを覚えています」と発言。関根被告が事件への責任を認めていないと知った際の心境を問われると、「怒りを覚えた」と答えている。
6月30日の公判では、検察側が佐々木、平山両被告にそれぞれ無期懲役を求刑。弁護側はいずれも懲役20年が相当と主張し、判決は7月3日に言い渡される予定だ。
一方、事件への関与を“事実無根”と全面的に否定する関根被告は、今後の公判で何を語るのか。事件の全容解明に向けた進展が待たれる。

