札幌市は、かって招致を目指したが…(C)共同通信社

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 久々に“ぼったくり貴族”のお出ましだ。国際オリンピック委員会(IOC)委員のカール・シュトス氏(オーストリア)が、6月28日までにスイスのローザンヌで共同通信の取材に応じ「私たちは再び日本で冬季五輪を行いたいと考えている」と発言。彼は冬季大会の招致計画を評価する「将来開催地委員会」のトップを務める“五輪貴族”だ。

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 現在、日本国内では札幌や長野で冬季五輪招致を目指す動きが出てきているが、複数地域にまたがる分散開催についても「問題ない」と明言した。

 2030年の次回大会はフランス・アルプス地域、34年の次々回は米ソルトレークシティーでの開催が決定済み。38年大会は、IOCがスイスと優先的な協議に入っているが、同国政府の財政保証が必要で未確定だ。シュトス氏は、スイスで決まらなかった場合の38年や、42年大会が「日本やアジアにとって大きなチャンス」と言ってのけたが、SNSではこんなブーイングが飛び交っている。

〈お断りです〉〈うわ、またたかりに来た〉〈もういいよ。やらなくて〉〈日本は単なる金ヅルだと思われてるだろ〉

 批判続出は当然だ。思い出されるのは、21年にコロナ禍で強行開催された夏季東京五輪だ。2兆円超の大赤字や談合事件など数多くのミソをつけたが、IOCは莫大な利益を得ながら、負担を開催国・日本に押し付け。当時のトーマス・バッハ会長は米メディアから“ぼったくり男爵”との異名を頂戴したほど。

 今回、名前が挙がった札幌市は14年から、30年冬季大会の招致に乗り出したものの、東京五輪の負のイメージから機運が高まらず、23年に断念。多くの市民がウンザリしているのに、また“ご指名”とは相変わらず空気の読めない貴族である。

「IOCはサッカーW杯開催中でスポーツイベントへのプラスイメージが高まる時期にかぶせ、『今ならいける』と踏んだのかもしれません」(東京五輪の元関係者)

■費用は膨張必至

「東京五輪の大罪」などの著書がある作家の本間龍氏はこう言う。

「温暖なアジア地域の中で、今後、数十年にわたって冬季五輪を安定的に開催できるのは、札幌くらいといわれています。アジアマーケットの確保に向け、IOCは札幌の名を頻繁に挙げて“火”を絶やさないようにしたいのでしょう。しかし、開催費用の膨張は必至。札幌と長野には既存の会場がありますが、開催する頃には老朽化が進み、改修費用がかかる。それに、広域開催は、インフラ整備などのコストもかかる。開催は避けるべきです」

 “男爵”が去ってもIOCの“ぼったくり”体質に変化なし。押し売りはもう勘弁だ。

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