奈緒主演、石川寛監督13年ぶりの新作映画『あをの情』(2027年公開)イメージビジュアル (C)2027「あをの情」製作委員会

写真拡大

 俳優の奈緒が主演を務める映画『あをの情』が2027年に公開されることが決定した。『ペタルダンス』(2013年)以来、13年ぶりに石川寛監督が長編映画のメガホンを取る新作で、あわせてイメージビジュアルと監督・主演コメントが公開された。

【画像】主演を務める奈緒

 石川監督は、CMディレクターとして「トンボ鉛筆」や「日本医師会」、「資生堂」など多くのCMを演出し、映画『tokyo.sora』(2002年)、『好きだ、』(2005年)などで、淡く美しい映像美と繊細な人物描写で国内外から高い評価を受けてきた映像作家。『好きだ、』ではニュー・モントリオール国際映画祭最優秀監督賞を受賞するなど、熱狂的な支持を集めている。

 本作で奈緒が演じるのは、広告会社で働く29歳の非正規WEBデザイナー・みつ。「人の心を動かす仕事がしたい」と願いながらも正社員になれないまま29歳を迎えた主人公が、さまざまな人との出会いや再会を通して、自身の理不尽さや迷いを初めて言葉にし、止まっていた心を少しずつ動かしていく姿を描く。

 公開されたイメージビジュアルは、空を背景にタイトルと「あを」の意味だけを記したシンプルなデザイン。「あを」は「青」の古語で、光の感覚や青だけではないさまざまな色相を表す。さらに「未熟」という意味も持つ。本作では、迷いや未熟さを抱えながら、それでも誰かと心を通わせたいと願う人々の「あを」の情が描かれる。石川監督ならではの繊細なまなざしが、誰かとわかりあえた気がしたその一瞬の尊さを静かにすくい上げていく。

 奈緒はクランクアップ時、「もし今までの日々がこの石川組と出会わせてくれたとするなら、これまでの人生で出会った切なさも心から受け止められると思った」と振り返るなど、作品への深い思い入れを明かしていた。

 今回の公開決定にあたっては、「憧れの石川寛監督と出会い、私は『あを』という言葉の広さを知りました。未熟なだけだった自分と幸せなサヨナラをして、私の歩みは少しだけ加速し始めました」とコメント。

 さらに、「あまりに純度の高い撮影の日々の中、何度心の中で『私は石川組が好きだ。』と言い切ったのか数え切れません。きっとこの作品が静かに、誰かに届くことを心から信じています」と、作品への愛着をにじませた。

 石川監督は、「映画に残せるものについて思い考えた時期があります。人の、ささいなことでゆれ、うつりゆく感情の流れを残したい。それがはじまりでした」と制作の原点を明かし、「スタッフ、役者のみなさん一人一人と、こころをこめてつくりました」とコメントしている。

 公開決定を記念し、テアトル新宿とヒューマントラストシネマ渋谷では、イメージビジュアルを使用したA5サイズのミニチラシの配布とポスター掲出も実施。チラシ裏面は劇場でしか手に入らない特別なビジュアルが掲載されている。今後、主人公を取り巻くキャストや作品の詳細が順次発表される予定だ。

■主演:奈緒のコメント
 憧れの石川寛監督と出会い、私は「あを」という言葉の広さを知りました。未熟なだけだった自分と幸せなサヨナラをして、私の歩みは少しだけ加速し始めました。きっと、東京という忙しないこの街で、今日も誰かが人知れず立ち止まり、そして静かに進み始めるのでしょう。あまりに純度の高い撮影の日々の中、何度心の中で「私は石川組が好きだ。」と言い切ったのか数え切れません。きっとこの作品が静かに、誰かに届くことを心から信じています。

■監督・脚本・編集:石川寛のコメント
 映画に残せるものについて思い考えた時期があります。人の、ささいなことでゆれ、うつりゆく感情の流れを残したい。それがはじまりでした。
 僕らの日常に起こりうるささいなことに、自分が通ってきたいくつかの感情、出会ってきた人たちの感情をかさねあわせ、脚本を書きました。
 はじめて相手の言葉をきき、こころがゆれ、そこを通ってきた言葉をはじめて相手に投げかける。そんなふうに役の感情を生き、そこにいることができる役者の人たち。その人たちの感情表現に、幾度となくこころふるえました。
 未熟かもしれない頃の感情の、ゆれて刻々とうごいていくさま、そのあいまいな境目、うつりゆく時間。それを感じてなにを思い考えてもらえるか。スタッフ、役者のみなさん一人一人と、こころをこめてつくりました。