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 コースタルカロライナ大の右腕キャメロン・フルーキー投手(21)が6月29日、移籍ポータルに登録した。関係者によると、フルーキーには他校からの接触を禁止する「Do Not Contact」のタグが付けられているという。29日(日本時間30日)、「ベースボール・アメリカ誌」が報じた。

 フルーキーは2026年MLBドラフト候補ランキングで全体13位に位置付けられており、1巡目上位での指名が予想されている。それでも移籍ポータルに登録したということは、万が一プロ入りしなかった場合に備え、コースタルカロライナ大の前監督ケビン・シュナルが新たに指揮を執るサウスカロライナ大への移籍という選択肢を残した可能性がある。

 移籍ポータル(Transfer Portal)とは、NCAA(全米大学体育協会)が運営する公式の移籍システムだ。かつては選手が他大学へ移る際、所属大学の許可が必要だったが、現在は選手自身がポータルに登録することで他大学との交渉が可能になる。MLBのフリーエージェント市場に近い仕組みと言える。

 フルーキーは肋骨の疲労骨折の影響で、大学3年目のシーズンは7試合の先発で24イニングの登板にとどまった。しかし2年時には101回2/3を投げ、防御率3.19、118奪三振、24四球を記録。コースタルカロライナ大を2025年カレッジ・ワールドシリーズ決勝進出へ導いた実績を持つ。

 このニュースで興味深いのは、かつてであれば「1巡目指名が確実視される選手が移籍ポータルに入る」ことなど考えられなかった点だ。近年はNIL(Name,Image and Likeness=肖像権収入)の拡大により、大学選手でも年間数十万ドルから100万ドル以上を稼ぐケースが珍しくなくなった。ドラフト下位指名であれば、プロ入りするより大学に残った方が経済的なメリットを得られる場合もある。

 もちろん、フルーキーは1巡目中位前後での指名が予想されており、契約金は300万〜500万ドル規模に達する見込みだ。現時点ではプロ入りする可能性が極めて高い。

 それでも、ドラフト指名を受けた後に契約交渉を行い、その条件をNIL収入や大学残留の選択肢と比較するという新たな進路モデルが生まれている。今回のフルーキーの移籍ポータル入りは、大学野球を取り巻く経済構造がかつてないスピードで変化していることを示す象徴的な出来事と言えるだろう。選手たちは今、プロ入りか大学残留かを単純に二者択一で考えるのではなく、より多角的な視点から将来を判断できる時代を迎えている。