「ビール瓶で頭を殴られた住民が死亡」「オーナーが殺された」だけじゃない⋯わずか4年で3人死亡【史上最悪の事故物件】の正体
住人同士の激しい口論から発展した、ビール瓶による殴打事件。東京都足立区にある小さなビルで起きた惨劇は、悪夢の始まりに過ぎなかった。3年後の住人の自殺、さらにその直後にはビルのオーナーが何者かに殺害され……。わずか4年で3人が命を落とした「史上最悪の事故物件」とは? 事故物件サイト管理人の大島てる氏の新刊『大島てるの怪談部屋 ヒトコワ事故物件』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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史上最悪の事故物件
いきなりですが、事故物件とはどのような物件を指すのでしょうか。一般的には、自殺、殺人、火事、孤独死などで死者が出たことにより、住む人が嫌がる物件のことを言います。こうした物件は心理的瑕疵――裁判例によると、目的物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的欠陥――があるとされ、宅地建物取引業者(宅建業者)は契約者に対して事前に告知する義務があります。
この意味において、私が知っているなかで最悪の事故物件と言えるのが、東京都足立区にある物件です。
建物は3階建で、普通の一戸建よりは大きく、小さなビルくらいの規模。1階には美容院があり、その奥には美容師でありビルのオーナーでもある60代の女性の自宅がありました。2階と3階は賃貸物件として貸し出されており、入居者が住んでいました。
事件があったのは3階です。住人同士が飲み会をしている最中、ちょっとした言い争いが起きました。酒の影響もあったのでしょう、激しい口論となり、一方が空のビール瓶でもう一方の頭を殴打します。
フィクション作品だと、ビール瓶で人の頭を殴ると瓶がパリーン!と割れて断面がギザギザになることがありますが、実際はそんなことにはまずなりません。ビール瓶は非常に頑丈にできているため、割れるのは頭のほう。殴られれば頭蓋骨が陥没するなど、命が危険にさらされます。
繰り返される悲劇
今回の事例でも、殴られた人は亡くなりました。平成18(2006)年4月に起きた出来事です。
カッとなっての犯行ということで、この件は傷害致死事件、すなわち明確に殺す気があった殺人ではなく、結果的に死なせてしまった事件として扱われ、犯人は逮捕されました。
こうして3階の一部屋が事故物件になったわけですが、話はここで終わりません。その3年後、別の住人が建物内で自殺したのです。
これにより、この物件は二重の事故物件になりました。もちろん一番かわいそうなのは亡くなった傷害致死事件の被害者ですが、オーナーの受ける被害も無視できません。
心理的瑕疵が生じれば、その物件を借りたいと考える人は減ります。したがって、場合によっては入居者を見つけるために、家賃を下げざるを得なくなります。
値下げ幅は場合によりけりですが、ざっくりとした目安として、殺人事件の場合は40〜50%引。家賃10万円の賃貸物件なら、5〜6万円まで下げないと入居者が見つからない、ということが珍しくないわけです。
たった1度の事故でも賃料に影響するのに⋯
自殺の場合は20〜30%引き、孤独死は10%引き前後が相場です。飛び降り自殺の場合、死んだ場所は物件そのものではなく、多くの場合はその下の道路ということで、割引かれるのは10%未満。全く賃料に影響しなかったり、したとしても5%程度が多いです。もちろん、これらはあくまで目安ですから、半額でも借り手が見つからないこともありますし、逆にあまり割り引かなくとも見つかることはあります。
資産価値が突然半分になれば、オーナーとしてはたまったものではないでしょう。今回はそれが2件重なっているわけです。
しかし、話はこれで終わりません。
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なんと最初の傷害致死事件から4年も経たないうちにオーナーが死亡。さらに何者かによる殺人だったという⋯⋯。この【いわくだらけの事故物件】はどうなってしまうのか。
〈埼玉県の山奥で発見されたのは【裸の男性遺体】⋯捜査でわかった「事故物件オーナー」を殺した犯人の正体〉へ続く
(大島 てる/Webオリジナル(外部転載))
