試合前のベンチで古巣・ブルージェイズへの思いを涙ながらに語るメッツのビシェット

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◆米大リーグ ブルージェイズ―メッツ(29日、カナダ・トロント=ロジャーズセンター)

 ブルージェイズから今季FAでメッツに移籍したボー・ビシェット内野手(28)が29日(日本時間30日)、敵地・ブルージェイズ戦のスタメンに「3番・三塁」で入った。昨年のワールドシリーズのドジャース戦以来となるカナダ・トロントへの凱旋(がいせん)とあって、試合前にメディア対応。2016年にブルージェイズにドラフト2巡目(全体66位)指名され、傘下のマイナーを経て、ブ軍でプレーした男は、昨年のワールドシリーズ第7戦で、ドジャース・大谷翔平から放ったホームランを回顧するなど、感極って涙を流した。

 顔見知りの記者と再会し、笑顔で現れたビシェット。「なんだか妙な気分だ」と敵軍ベンチに座って質問に答えていたが、途中で言葉に詰まると、目が真っ赤に。大粒の涙がこぼれた。

 「この場所は僕にとって特別なところ。今の自分をつくってくれた。ゲレロとはお互い、まだガキだった頃から一緒にプレーしてきた。言葉に言い表すのは難しいよ」

 マイナー時代から指導してきたシュナイダー監督は、「昔から自信を持っていたし、誰より闘争心が強かった。思い出すのは、目の前でゲレロが敬遠されて打ったホームラン。打席に向かう決意に満ちた表情は今でも脳裏に鮮やかだ」と、昨年のワールドシリーズ第7戦、大谷から放った3ランを例に出した。ビシェットは、約8か月前を思い出し、「あの本塁打には、色んな思いが詰まっていた。シーズン終盤、戦列を離れ、ポストシーズンにも間に合わず、苦しい時だった。万全でない中、打てた1本だった」と語った。

 初回に第1打席が巡ると、ファンは総立ちでビシェットを迎えた。一塁のゲレロにジェスチャーで「ヘルメットを脱げ」と促され、ちょっぴり照れたようにヘルメットを掲げた。沸き起こる大歓声に、また、涙が頬を伝った。