【岩本輝雄】ブラジルは“幅”を使ってきた。揺さぶってきた。押し込まれてゴールを割られた。思い出したよ、2018年大会のベルギー戦を
一言で言って、残念だった。本当に残念だった。
前半に佐野海舟のミドルで先制。絶対に勝てると思った。ブラジルも攻めあぐねていたし、2点目を取っちゃえば“いける”と。周りのブラジルファンも、前半の内容にはかなり怒っていたね。
もちろん、後半もそう簡単にはいかないだろうなとも思っていた。何かしら変化をつけてくるはず。ブラジルは“幅”を使ってきたね。
良くない流れだった。前半のブラジルは、わりと縦方向に攻撃してきたけど、後半は横にずらしてきた。左右に揺さぶってきた。
そしてペナ角あたりからカットインしたり、クロスを放り込む。カゼミーロの同点弾もクロス攻撃からで、思い出したよ、2018年大会のベルギー戦を。細かい部分は違うけど、あの時もロングボールをガンガン入れられて、劣勢に回った。2点のリードを追いつかれて、最後はカウンターでやられたけど。
ブラジル戦に話を戻せば、後半は押し込まれた日本は、なかなかチャンスを作れなかった。前に出て行こうとしても距離が長いし、前線では上田綺世が孤立気味になる。ブラジルのプレスも速い。厳しいシチュエーションだった。
劣勢を強いられた日本。それでも、1−1で何とか粘っていた。鈴木彩艶は好守を連発して、ディフェンス陣も身体を張って守る。このまま延長戦かと思ったけど、最後の最後で失点。マルチネッリの正確なシュートを褒めるしかない。
敗因はいろいろあると思う。その1つが、フィジカルの差なのかな。日本の選手も相当に強いとは思う。でも、ブラジルはそれを上回っていた。
球際の勝負でタフに戦ってくる。それがボディーブローのように効いてきて、ダメージが積み重なって、最後の失点につながったのかもしれない。
残念ではあるけど、でも最後まで力の限りを尽くした結果だし、その戦いぶりに胸が熱くなった。選手、監督、コーチ、スタッフのみなさん、本当におつかれさまでした。
【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、54歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。神奈川県3部リーグの「FIVESTAR」で監督兼プレーヤーを務める。
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