5月27日少し耳が起きてきた 画像(公財)東京動物園協会提供

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井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)が投稿したフェネックの成長記録が大きな注目を集めている。

【写真】離乳食を食べてすくすく成長中

フェネックとは主に北アフリカの砂漠に生息する大きな耳が特徴的なキツネのなかま。今回投稿されたのはその赤ちゃんの食後の写真で、離乳食を一生懸命に食べるその愛くるしい姿が話題となり126万表示に到達した。

しかし、このかわいさの裏側には、そして命を繋ぐためのスタッフたちの壮絶な戦いがあった。井の頭自然文化園の担当者に話を聞いた。

――今回のフェネックの誕生について

担当者:当園でフェネックの交尾に成功したのは、実に7年ぶり。とても神経質な動物で、過去には音や振動を気にして、親が子を食べてしまう事例もあったので、監視カメラで慎重に見守りました。4月29日の未明に1頭が誕生しましたが母親が子に関心を示さず、命を守るために生後数時間で人工哺育に切り替える決断をしました。

――人工哺育の現場について。

担当者:準備はしていましたが、実際は困難の連続。以前使っていた人工乳首が製造中止になっていたので、用意しておいた数種類の新しい人工乳首を試し、穴の大きさを調整する試行錯誤が続きました。職員が数時間おきに交代で哺乳を行いました。

――成長は順調ですか? 

担当者:はい。生まれた時はわずか41.2gでしたが、生後50日目(6月18日)には448gと、生まれた時の10倍以上の重さになりました。最初は耳も小さく目も開いていなかったためフェネックらしくありませんでしたが、今では大きな耳が立ち上がり、凛々しい姿になってきています。

――この赤ちゃんでも野生の片鱗が見えるのでしょうか。

担当者:もちろんです。野生では暑さを避けるために地中に巣穴を掘ってくらす動物で、すでにケージの中で地面を掘るような動きを見せています。また鋭い歯が生えているので、噛まれれば非常に痛いです。野生動物らしく「なつく」というよりは「気性が荒い」と感じます。

――今後の目標を教えてください。

担当者:私たちが目指すのは、この子を「人間に慣れたペット」にすることではありません。本来、フェネックは群れでコミュニケーションを取りながら生きる動物。人工哺育で育ったこの子が、いかにして他のフェネックから「フェネックとしての振る舞い」を学び、群れの中で過ごせるようになるかが課題です。

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「赤ちゃんの特有のタレ耳がなんとも可愛い!」「赤ちゃんフェネック初めて見た」「周りにプロフェッショナルがいっぱいいて安心」などの反響が寄せられた今回の投稿。

赤ちゃんフェネックは「ラテ」と名付けられ、一般公開練習が開始されている。ぜひ多くの人に井の頭自然文化園に足を運んでいただきたいと思う。

(よろず~ニュース特約・米田ゆきほ)