トランプ大統領の真似をすれば支持が得られると考えて……高市総理「官邸機能不全のワケ」

写真拡大 (全3枚)

国会答弁が炎上している高市総理。いったい真実はどこにあるのか。政権発足以来の大スキャンダル、その全貌をここに明かす。

【前編を読む】政権発足以来の大スキャンダル…高市総理「自民党内からも法案大反対」で成立絶望的

側近にすら事件の概要を共有していない

かように両法案とも会期末までの成立は絶望的に見える。しかし、維新の鼻息は荒い。

6月15日、自民と維新の「二幹二国二政(幹事長、国対委員長、政調会長による会談)」がキャピトルホテル東急の『ORIGAMI』で行われ、そこで維新側が「国会会期を延長してでも法案を通せ」と強硬に要求したのである。

高市総理は「それだけは絶対に避けたい」と周囲に漏らしているという。なぜなら、「サナエトークン」と「誹謗中傷動画」の問題が大炎上し、国会での追及が止まないからだ。

問題の詳細は次章に譲るが、高市総理の答弁は、まさにオウンゴールの連発となっている。当初、総理は一連の疑惑の首謀者とされる松井健氏について、「私も秘書も面識はない」と突っぱねていた。

しかし、ジャーナリストの河野嘉誠氏が本誌でスクープしてきた「サナエトークン」の連続追及記事のなかで、かつて高市事務所が松井氏との接点を認める「回答書」を送っていた事実が発覚。これを野党から国会で問い詰められると、総理はこれまでの答弁を訂正せざるを得ない窮地に追い込まれた。国会が続くかぎり、こうした追及の嵐からは逃れられない。

「高市総理は、7月17日の会期末でサッと国会を閉じ、逃げ切りたいでしょう」(自民党ベテラン議員)

これほどの大スキャンダルでありながら、火消しがまったく機能していないのは、官邸が「深刻な機能不全」に陥っているからだ。全国紙の官邸番記者が解説する。

「普通なら官邸の対策チームが全貌を把握して答弁を調整するが、高市さんは側近にすら事件の概要を話していない。誰にも相談できないから、高市さんが自分の思いつきをその場で言って自滅している」

情報機関を使って「SNSでの反応」を収集

記者会見や国会答弁どころか、身内への説明からも逃げ続ける高市総理。そして、自分が言いたいことを吐き出す先は、いまやSNSになっているという。永田町関係者がその異様な内幕を明かす。

「高市さんは、自身のSNSに書き込んだ内容に対する世間の反応を何よりも気にしている。トランプ大統領の真似をすれば支持が得られると考えているフシがあり、そればかりが頭にある」

高市総理は内閣情報調査室(内調)や公安調査庁の幹部に対し、毎週の報告の中で「自分のSNSに対する世間の反応」を最優先でリストアップするよう要求しているという。

「ネガティブな反応をそのまま伝えると、高市さんのご機嫌を損ねることになるため、内調側が忖度して『良い反応』ばかりを抜き出して報告しているそうだ」(同前)

心を閉ざし、都合のいい反応ばかり見て独走する総理に、周囲からは不満が噴出している。象徴的なのが、安倍晋三内閣では首相補佐官も務めた内閣官房参与の今井尚哉氏だ。

「今井さんは高市さんにエネルギー政策を提言しているが、一切採用されないため不満をため込んでいる。『中央公論』7月号に登場し、『ガソリン補助金を撤廃し、ナフサを確保せよ』と公然と高市政権の原油政策を批判し始めた」(前出・政治部デスク)

党内基盤も崩れかけだ。高市総理の後ろ盾とされる麻生太郎副総裁は、以前、高市総理が衆議院議長への推薦という事実上の「棚上げ」を画策したことで、今も強い不信感を抱いているとされる。

「麻生さんにとって高市さんは、自身の求心力を保ち、男系維持の皇室典範改正案を通すための道具に過ぎない。積極財政派の高市さんとは財政政策も真逆。改正案が通れば、高市さんは用済みとなり、態度を一変させる可能性も十分にある」(閣僚経験者)

官邸でスマホを握りしめる「孤独な総理」の命運は―。

【こちらも読む】重要法案すべてを会期延長なしで押し切る? 高市総理が求心力を取り戻すための「内閣改造」のタイミング

「週刊現代」2026年7月6日号より

【前編を読む】政権発足以来の大スキャンダル…高市総理「自民党内からも法案大反対」で成立絶望的