盛土規制法に基づく「不適切な盛り土」のイメージ

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 危険な盛り土の造成を防ぐために2023年に施行された宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)の運用後、同法違反や疑いのある「不適切な盛り土」が全国358か所で造成されていたことが読売新聞の自治体アンケートでわかった。

 同法で規制強化後も、建設残土の不法投棄などによる造成が依然続いている実態が浮き彫りになった。

 盛土規制法は、21年7月に起きた静岡県熱海市の土石流災害を受け、旧宅地造成等規制法を改正して23年5月に施行された。宅地に加え農地や森林なども規制区域の指定対象とし、区域内で一定規模以上を造成する際は自治体の許可が必要となった。旧法で最大50万円だった違反業者への罰金は同3億円に引き上げられた。規制区域を選定中の沖縄県と那覇市を除く自治体では、23年秋から順次運用が始まっている。

 アンケートは6月、盛土規制法の運用主体の全129自治体(47都道府県、20政令市、62中核市)に実施。国が21年8月から行った盛り土総点検に準じ、法令上の手続きや災害防止措置の未実施などで違反認定されたり疑われたりした不適切なケースについて尋ね、全自治体から回答を得た。

 同法運用後に造成された不適切な盛り土は27道府県で計358か所あった。内訳(複数回答)は、法令上の手続きを未実施が260か所、災害防止措置を未実施が138か所、造成状況が申請と異なるが19か所など。都道府県別の集計では、大阪府が最多の81か所で、栃木県34か所、福岡県31か所、京都府30か所など大都市圏が多い。

 358か所のうち、行政指導などで不適切な状態が是正されたのは91か所。「費用がない」と応じない業者が多いという。

 同法運用前に造成され、現在も未是正の不適切な盛り土(773か所)を加えた総数は1040か所。21年の総点検時の1089か所とほぼ変わらなかった。

 ◆静岡県熱海市の土石流災害=2021年7月3日、大雨の影響で、法令基準の3倍超の高さ約50メートルの盛り土が崩落し、土石流が発生。住宅64棟が全半壊し、28人が死亡した(うち1人は関連死)。