新型「プリメーラ」20年ぶりの復活!

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なぜいま「プリメーラ」なのか? 日産が名車の名前を復活させた理由

 日産がフィリピンで新型「プリメーラEV」を公開しました。中国で販売されている「N7」をベースとしたグローバルモデルとみられていますが、なぜ日産は新しい車名ではなく、あえて「プリメーラ」の名を使ったのでしょうか。

 日産は2026年6月4日、第10回「フィリピン国際モーターショー(PIMS)」において、新型BEV(バッテリーEV:電気自動車)セダン「プリメーラEV」を公開しました。

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 日本市場での3代目(P12型)「プリメーラ」の生産終了(2005年)から約20年ぶりに、車名が復活したことになります。

 かつてのプリメーラは、使い勝手に優れたミドルクラスのセダンとして、高い操縦安定性やスポーティな走りが評価され、日本のみならず欧州市場でも人気を集めました。

 なかでも初代「P10型」は、いまなお1990年代を代表する日産の名車として語られる存在です。そんな伝統ある車名が、最新のEVとして復活したことに驚いた人は少なくないでしょう。

 新型プリメーラEVは、中国市場向けに販売されているBEVセダン「N7」をベースとしたグローバル展開モデルとみられます。

 フィリピンで公開された車両のデザインはN7と極めて近く、中国市場向けに開発した商品を東南アジア市場へ展開するという、近年の日産の方向性とも重なります。

 中国仕様のN7は、全長4930mm×全幅1895mm×全高1487mm、ホイールベース2915mmという堂々たるボディのラージセダンで、駆動用バッテリーは58kWhと73kWhの2種類が設定され、最大航続距離は635kmを達成。

 中国での価格は11万9900元〜14万9900元、日本円にすると約284万円から355万円(2026年6月中旬現在のレート)と競争力の高い価格設定で、2025年4月27日の発売から約1か月で1万7215台を受注するなど、中国市場で好調なスタートを切っています。

 現時点で新型プリメーラEVの正式な車両諸元は公表されていませんが、このN7をベースとするのであれば、新型プリメーラEVも高い競争力を備えたモデルになる可能性は高いと思われます。

 気になるのが、なぜ“プリメーラ”という名称を与えたのかという点にあります。中国で使用しているN7の車名をそのまま展開することも、新たな名称を与えることもできたはずです。

 ではなぜ日産は、あえてプリメーラの名を選んだのでしょうか。

 日産のプリメーラに限らず、自動車メーカーにとって車名は単なる記号ではありません。長年にわたって販売され、多くのユーザーに認知された車名には、それ自体に価値があります。

 新たなブランドを育てるには時間も費用も必要ですが、過去に親しまれた車名であれば、市場への浸透も比較的スムーズに進めやすいと考えられます。

 実際、日産は2026年4月に「北京モーターショー2026」で発表したPHEV(プラグインハイブリッド)の本格派SUVコンセプトモデルに、1980年代から2000年代にかけて販売されていた本格派スタイリッシュSUVの先駆けといえる名車「テラノ」の名を冠しました。

 歴史あるネームプレートを現代の商品戦略に生かしていく考え方がうかがえます。

※ ※ ※

 日産には、「サニー」や「パルサー」「ブルーバード」「ローレル」や「セドリック/グロリア」「シーマ」など、かつて多くのユーザーに親しまれた車名が数多くあります。

 直接の後継車でなくても、その名前に特別な思い入れを抱く人は少なくないでしょう。「次はどの車名が復活するのだろうか」と想像したくなります。

 現時点で具体的な計画は公表されていませんが、日産が持つ豊富なブランド資産に改めて注目が集まるきっかけになったことは間違いありません。