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全世界で200万台以上を販売

アウディのコンパクトSUV、『Q3』がフルモデルチェンジされ、サードジェネレーションへと進化した。

【画像】第3世代の新型『アウディQ3』日本上陸!標準ボディとスポーツバックをたっぷりと 全200枚

2011年に初代モデルが誕生して以来、現在までに全世界で200万台以上ものセールスを記録したというQ3。その新型への期待が大きいのはアウディにとって、そしてもちろんカスタマーにとっても同様の事情であろう。


アウディのコンパクトSUV、『Q3』がフルモデルチェンジされ、第3世代へと進化。    平井大介

まずはその車種展開を紹介しておこう。

新型Q3の日本仕様にラインナップされるモデルは、外観からもSUVとして機能性の高さが容易に想像できる基本ボディと(ドイツ本国では『Q3 SUV』と呼ばれる)、車体後方に向ってルーフを強く傾斜させることで、よりアクティブな印象を強めた『スポーツバック』の2タイプ。

それぞれに、150psの最高出力と250Nmの最大トルクを発揮する1497ccの直列4気筒DOHCガソリンターボエンジンと、同じく204ps、320Nmを誇る1984ccの直列4気筒ガソリンターボエンジンを、7速Sトロニックとの組み合わせで搭載する。

駆動方式は『TFSI 110kW』とネーミングされた前者はFWD、『TFSIクワトロ150kW』とされる後者では4WDとなるのが大きな違いだ。

まずは4モデル体制でスタート

グレードはいずれのモデルも『アドバンスド』のみの設定。

『Sライン・パッケージ』や『MMIエクスペリエンス・プロ』、『レザーシートパッケージ』、『ダーク・アウディ・リングス&ブラックスタイリングパッケージ』などのオプションで(その選択には実は若干の制約があるのだが)、自分の好みを反映させたより魅力的なQ3を作り上げることができる。


取材車は『アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスド』。    平井大介

ドイツ本国では、さらに150ps&360Nmの1968cc直列4気筒ディーゼルターボエンジンや、265ps&400Nmを誇る1984cc直列4気筒ガソリンターボエンジン、そして1498cc直列4気筒ターボエンジンを核にPHEVシステムを組み合わせ、272ps&400Nmのパフォーマンスとともに119kmのEV走行を可能にした『eハイブリッド』などもラインナップされる。

まずは、4モデル体制でセールスがスタートする日本仕様は、十分にカスタマーの期待に応えるだけの商品力を持つと考えてよいだろう。

エクステリアにはさらなる力強さ

基本的なSUVのスタイルを選ぶのか、あるいはクーペにも近いスポーティなスタイルを選ぶのか。そしてシリンダーオンデマンド(気筒休止)やマイルドハイブリッドが導入された110kWか、より走りに余裕を感じるだろう150kWか。

そんな中から今回ステアリングを握ったのは、スポーツバックの150kWだった。


1984ccの直列4気筒ガソリンターボエンジンは、204ps、320Nmというスペック。    平井大介

試乗車はSライン・パッケージ、レザーシートパッケージ、ダーク・アウディ・リングス&ブラックスタイリングパッケージがオプションで選択されており、10スポークデザインの19インチ径アルミニウムホイールを始め、そのエクステリアにはさらなる力強さが演出されていた。

大きく、そしてワイドなフロントグリルや、それを取り囲むフロントのバンパースポイラー、そして細くシャープなヘッドライトのデザインは実にダイナミック。さらにボディサイドからリアセクションへと視線を移せば、ここでも彫刻的な美しさを持つラインの流れを鑑賞することができる。

Q3スポーツバックのボディサイズは全長4530mm、全幅1860mm、全高1610mm。これは先代モデルと比較して全長では40mmほど大きな数字となるが、最小回転半径は5.2m。日本の市街地でもそのサイズが負担になることは少ないだろう。

ただしボディデザインの関係から、後方の視界が大きく制限されてしまうのは残念なところ。スポーティなスタイルを選ぶか、日常的な機能性を選ぶかはカスタマーの意思によるだろう。

最新作であることを物語る

リアのラゲッジルームは、いずれのボディでも488Lの容量が確保されている。フラットなフロアは1段低くその高さを落とし込むことが可能で、後方左右に残されたスペースもうまく活用されている。リアシートは4:2:4の分割可倒式で、それを収納すれば容量は最大で1289Lにまで拡大できる。

オプションのレザーシートパッケージでメインアイテムとなる、レザー/アーティフィシャルレザーシートに身を委ねると、まず感じるのはプレミアブランドたるアウディが誇る高級感だ。


11.9インチのバーチャルコクピットプラスと12.8インチのMMIタッチディスプレイから構成される、『MMIパノラマディスプレイ』を採用。    平井大介

その座り心地やホールド感は素晴らしく、さらにドライバーの目前にはこのモデルがアウディの最新作であることを物語る、11.9インチのバーチャルコクピットプラスと12.8インチのMMIタッチディスプレイから構成される『MMIパノラマディスプレイ』が整然とレイアウトされている。

シフトセレクターやウインカーレバーなどは、インテグレートスイッチモジュールと呼ばれるバーに一体化されているが、ウインカーと同時にワイパーを操作してしまう難しさがあったのは残念だった。

キャビンの居住性はフロントシートでは十分に快適なレベルに感じるが、リアシートに着席するとルーフのデザインが影響してか、特に上下方向ではやや窮屈な印象を覚える。

どこか懐かしさを感じさせる

『バランスド』、『ダイナミック』、『コンフォート』、『エフィシエンシー』、『オフロード+』が備わるドライブモードで、まずはバランスドを選択してドライブを始めることにした。

マイルドハイブリッドシステムを組み合わせる110kWに対して、シンプルに1984ccの直列4気筒エンジンのみで駆動力を得る150kWの走りは、やはりアウディらしくスポーティで、そしてどこか懐かしさを感じさせるものだった。


シフトセレクターはステアリングに一体化されている。    平井大介

参考までに試乗車の車重はオプション装備の選択で1740kgにまで達しているのだが、加速時にこの重量を感じる場面はほとんどなかった。組み合わされる7速Sトロニックの制御も自然で、かつシフト時のショックも最小限に抑えられている。

さらにモードをダイナミックに変更すると、その走りにはさらなる鋭さが生み出され、新たに採用された2バルブの電子制御ダンピングコントロール機構を持つダンパーも、より安定した方向にコーナリング時の姿勢を保つ方向に機能するようになる。

トルクが常時4輪に伝わることによる安心感も大きい。255/45R19サイズのタイヤもベストチョイスだ。

唯一の問題は振動と騒音の対策

これもまた巧みなプログレッシブステアリングの制御、そしてさらに先進性を高めた運転支援システムなど、先代モデルからの進化は確かに著しいと感じた新型Q3だったが、唯一の問題は振動と騒音の対策にあるように思う。

その発生源は主にシャシーにあり、その対策がさらに徹底されれば、新型Q3はより高級感のあるこのクラスでも最も魅力的なモデルになるだろうと確信した。


2バルブの電子制御ダンピングコントロール機構を持つダンパーを新たに採用する。    平井大介

今回の試乗車に掲げられたプライスは車両本体で628万円。これに前で触れたオプション装備の81万円が加わり、709万円という価格になる。今回取材することのできなかったベーシックな110kWとは、果たしてどれほどの違いがあるのだろうか。

両車の価格差は同じスポーツバックで比較して、車両本体ではわずかに57万円。購入後のランニングコストを考えれば、あるいは110kWも悪くない選択といえるのかもしれない。気になる燃費性能は、WLTCモードで150kWが12.1km/L、マイルドハイブリッドの110kWは15.6km/Lと発表されている。