「初々しさしかないです」――Next☆Rico冬崎なずな 伸びしろ武器に描く“おかゆホワイト”の未来
Next☆Ricoの新メンバー・冬崎なずなは、自身の魅力を尋ねられると「初々しさしかないです」と照れ笑いを浮かべた。ダンスもアイドルも未経験。それでも憧れだった世界へ飛び込み、9人の仲間とともにステージに立つ日々を重ねている。完成された輝きではなく、成長していく姿を見てほしい――。3部作で届けるインタビュー第2部では、“伸びしろ”を武器に歩む現在地を聞いた。(「推し面」取材班)
9人体制になったNext☆Ricoの魅力について尋ねると、「絶対に刺さる人が1人はいると思うんです」という答えが返ってきた。歌声が好きな人もいる。ダンスに目を奪われる人もいる。トークに惹かれる人もいる。人数が増えた分だけ入り口も増える。それぞれが違う個性を持っているからこそ、きっと誰かの心に引っかかる存在が見つかるはずだという。
「まず見てもらいたいです。そこから推しを見つけてもらえたらうれしいなって」
その言葉が印象に残ったのは、自分自身の話ではなく、グループ全体の魅力として語られたからだった。実際、新曲「TickTack」の見どころを聞いた時も、自分のパートより先にメンバーの話が飛び出した。
「私じゃないんですけど、サビ前にすごいポーズをしてる人たちがいて。そこ面白いので見てほしいんです!」
楽しそうに説明する姿を見ていると、グループそのものが好きなのだと伝わってくる。自分が目立つことよりも、まず9人の魅力を知ってほしい。その気持ちが自然とにじみ出ていた。
だからこそ、自身の推しポイントについて尋ねた時には少し困ったような表情になった。
「えー……初々しさ?」
しばらく考えた末に出てきた答えに、思わず笑いがこぼれる。
「しかないです」
そう続けると、自分でも照れくさそうに笑った。
ただ、その言葉は決して謙遜だけではない。ダンス経験はなかった。アイドル活動も初めてだった。加入前に積み重ねてきたのは芝居の勉強であり、アイドルとしてはゼロからのスタートだったという。周囲を見れば、当たり前のように振りを覚え、ステージをこなしていくメンバーたちがいる。その中で戸惑うことも少なくなかったはずだ。
それでも「初々しさ」を魅力として挙げたのは、未経験だからこそ見せられる成長があると思っているからだ。
「いっぱい成長しているところを見つけてもらえるかなって思います」
今はまだ足りない部分もある。できないこともある。けれど、それを隠そうとはしない。むしろ変わっていく過程ごと見てもらいたいという思いの方が強い。
「成長するところが見たいよっていう人に、見てもらえたらうれしいです」
完成された姿を見せることよりも、前へ進んでいく姿を見せたい。その考え方には、新メンバーらしい誠実さがあった。
そんな人柄を象徴しているのが、メンバーカラーの「おかゆホワイト」かもしれない。
白を希望した理由を聞くと、好きだったアイドルの名前が返ってきた。
「ピュアリーモンスターさんの元メンバー石飛恵里花さんと、HEROINESのグループであるIll(イル)のメンバー白雪姫乃さんです」
どちらも憧れていたメンバーで、偶然にも担当カラーは白だった。「私も白になれたらうれしいなって思ったら、本当に白になれました」。どこか照れたような笑みが浮かぶ。白に特別な意味を重ねたわけではない。ただ、好きな人たちと同じ色を背負いたかった。その真っすぐな理由が、冬崎らしかった。
さらに、「おかゆホワイト」という呼び名も自ら考案した。名前の由来である春の七草の「なずな」と、1月生まれであることから思いついた七草がゆ。その二つが結びついて生まれた名前だという。理屈を積み上げるというより、自分の好きなものやルーツを自然につなげていく。その発想の柔らかさも魅力の一つだろう。
そんな穏やかな雰囲気の一方で、長く積み重ねてきた経験もしっかり持っている。もしメンバー全員の先生になれるなら何を教えるかという質問には、「腹式呼吸ですかね」と答えた。芝居の勉強を続ける中で身につけた技術で、大きな声を出しやすくなり、喉も傷めにくくなる。歌にも役立つため、アイドル活動にも生きているという。
ただ、「誰よりも上手かは分からないんですけど」とすぐに付け加え、「言語化が苦手なんですよね」と苦笑いも浮かべた。知識を披露するというより、一緒にやりながら覚えていく方が性に合っているのだろう。そんな不器用さにも親しみを覚える。
インタビューを通して感じたのは、自分を大きく見せようとしないことだった。「私にはこれがあります」と強く押し出すより、「みんなを見てほしい」「成長を見てほしい」という言葉の方が多く出てくる。9人の中には経験豊富なメンバーもいる。圧倒的な歌声を持つメンバーもいる。その中で掲げた武器は、完成度ではなく「伸びしろ」だった。
「初々しさしかないです」
照れ笑いとともに飛び出したその言葉は、自虐でも謙遜でもない。夢だったアイドルの世界に飛び込み、少しずつ前へ進んでいる最中だからこそ言える等身大の自己紹介だ。
まだ途中だから面白い。まだ変われるから目が離せない。そんな魅力を抱えた新メンバーは今日もステージに立つ。成長を見守る楽しさこそが、今の“おかゆホワイト”最大の武器なのかもしれない。

