劇的決勝点のヒーローは「チーム全員で一緒に打った」…記録ずくめの快進撃に湧く共催国カナダ
サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は28日(日本時間29日)、32チームによる決勝トーナメントが始まり、1回戦1試合が行われた。
初めて進出したチーム同士の対戦は、カナダ(世界ランキング30位)が南アフリカ(同60位)を1―0で破った。(世界ランキングは11日時点)
カナダ1―0南アフリカ
共催国カナダが劇的な決勝点で16強に一番乗り。序盤から優勢に進めながら、CKなどの好機を決めきれなかったが、後半追加タイムにエウスタキオがゴールを挙げた。堅守速攻に徹した南アフリカはモコエナらが果敢にゴールを狙ったが、得点できなかった。
「月にも昇る気持ちだ」…両親はポルトガル出身
カナダにとって3度目のW杯は、記録ずくめだ。初勝利、初の1次リーグ突破、そして初の16強入り。今大会初めて自国以外の会場で挑んだ一戦で劇的な勝利を飾り、「月にも昇る気持ちだ」。決勝点を挙げた29歳のエウスタキオは、誇らしげだった。
0―0のまま延長戦突入かと思われた後半追加タイム。右からの折り返しを相手選手がはね返し、そのボールをエウスタキオがぴたりと胸で受け止めた。「チーム全員で一緒に打っているような感覚があった」。弾む球にタイミングを合わせて放ったシュートは、それまで得点を奪い切れなかったもどかしさを一掃するように、ゴールに収まった。
両親はポルトガル出身で、同国の年代別代表でプレーしたものの、「成長が止まって伸び悩み、親には学業を勧められた」という。迷った末、フル代表は出生地のカナダを選んだ。今年2月まで名門ポルト(ポルトガル)でプレーし、「ビッグクラブの厳しい重圧とファンの期待を経験できた」。前へ前へと仕掛ける選手が目立つカナダにあって、的確な配球と1対1の強さで落ち着きをもたらしている。
直近は米ロサンゼルスのクラブでプレーしたこともあり、ひときわ大きな歓声を浴びた司令塔は、「まだ任務は残っている。次はもっと厳しい試合になる」。また新たな歴史を刻みにいく。(平地一紀)

