脳科学者・茂木健一郎、ライプニッツの哲学を語る「水のように生きる」

脳科学者の茂木健一郎氏が、「水のように生きる」と題した動画内で、哲学的な視点から現状への向き合い方について語った。茂木氏は人々がより良い環境を求めることは肯定しつつ、「変化によって全てが良くなるわけではない」との見解を示した。さらに、入試制度や選択的夫婦別姓制度の具体例を挙げ、システムの変化が必ずしも理想的な結果をもたらさない可能性についても触れた。

茂木氏は、哲学者ライプニッツの「この世界は全ての可能世界の中で最善の世界である」という哲学的楽観論を参照しつつ、人間の適応力に注目。「現状に対する不満や不平より、自分を水のように柔軟に変えることが重要」と述べ、現状にしなやかに対応することが幸福への道につながると強調した。「現状維持を肯定するわけではないが、改善の幻想に頼りすぎないことも大切」との考えを示した。

動画では、人間の心を「水」に例え、「水は器に合わせて変わる。現状に合わせて自らを変えることで生きる道が見える」と語った茂木氏。ライプニッツの楽観論に通じる生き方を提唱するこの動画は、変化の中で自身の在り方を見つめ直す意義を浮き彫りにした。動画の締めくくりで茂木氏は、「水のようにしなやかに生きつつ、徐々に変えていくことが大切」と、深い考察を視聴者に投げかけた。