脳科学者・茂木健一郎が語るAIの未来「地道なゼネコン作業なくしてAGIなし」

脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「AGIもAIゼネコン不可避」と題し、日本のAIスタートアップの現状と課題について詳しく語った。茂木氏は、AIゼネコンという言葉に焦点を当て、日本のAI企業が特定のクライアントに特化した作業を進めている現状を指摘。「プラットフォームを作る力が弱い日本において、AIゼネコン的な存在が必要だ」と述べた。

茂木氏は、「将来、AGIやASIが誕生するとして、それを個々のユースケースに落とし込むためにはAIゼネコン的な存在が不可欠だ」と考察。「個々の案件に賢さを適用するためにインタープリターとしてAIゼネコンが必要になる」と強調した。また、ゼネコンという言葉に揶揄のようなニュアンスが含まれることにも疑問を呈し、「華やかな仕事と地道な現場の仕事の両方が存在して初めてエコシステムが成り立つ」と解説した。

一方で、ファウンデーションモデルを作る偉大な仕事にも敬意を表しつつも、「それを活かすには地道な現場での作業が不可避」だとし、日本のAIの強みを活かす方策についても言及した。「日本は現在、地道な作業ばかりだという見方もあるが、それが華やかな方の支えになっていると再認識すべき」との見解を示した。

動画の締め部分では、茂木氏は「華やかな仕事に目を奪われがちだが、その背後には地道な作業があることを忘れてはいけない」と述べ、AI業界の構造を再考することの重要性を訴えた。