【CES 2025】オムニコム・メディアグループがGoogleとの提携を発表。生成AIを活用した「次世代検索」の中身

記事のポイント
オムニコムのメディア部門であるオムニコム・メディアグループは米ラスベガスで開かれたCESで、Googleとの検索関連パートナーシップを発表した。
Googleとの提携により、Googleの生成AI「ジェミニ」を活用したプランニングツールとエージェントを提供。
このツールはブランド需要の可視化や新たなオーディエンスターゲティングを可能に。
オムニコムのメディア部門であるオムニコム・メディアグループは米ラスベガスで開かれたCESで、Googleとの検索関連パートナーシップを発表した。
Googleとの提携により、Googleの生成AI「ジェミニ」を活用したプランニングツールとエージェントを提供。
このツールはブランド需要の可視化や新たなオーディエンスターゲティングを可能に。
ここ数年来、メディア業界の大型イベントではほぼ必ずそうしてきたように、オムニコム(Omnicom)とそのメディア部門であるオムニコム・メディアグループ(Omnicom Media Group、以下OMG)は、1月7〜10日に米ラスベガスで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー(CES)でも、その注目度の高さを利用して主要プラットフォーマーとの一連のパートナーシップを披露した。
Googleとの提携で実現する検索ソリューションの2本柱
米DIGIDAYの取材によると、4件のパートナーシップの第一弾は、検索の父祖とも言うべきGoogleとの提携だ。OMGとGoogleはプランニングツールとエージェンティックAIを2本柱とするパートナーシップを結んだ。これにより、検索関連の施策において投資とクリエイティブの意思決定を支援するという。
OMGが「シェアオブヴォイス」と称するこのプランニングソリューションは、カテゴリー需要に占める特定ブランドのシェアの可視化を加速させる。そしてGoogleのAIプロダクトである「ジェミニ(Gemini)」を活用し、キャンペーンをどこでどう拡大または最適化すべきかについて適切なレコメンデーションを提供する。米国では2024年後期に提供を開始した。2025年内にほかの地域にも拡大する予定という。このツールの真骨頂は、Google広告のキーワードデータを活用して、対象カテゴリーの製品がクライアントのブランド名で指名検索された件数を競合他社との比較で表示し、キーワード入札戦略を調整すれば新たなビジネス機会につながる空白地帯を特定することにある。
2本目の柱は「次世代検索エージェント(Next Generation Search Agent)」と称するプロダクトで、前述のプラニングツールで生成したインサイトを活用しつつ、投資とクリエイティブの指針を策定することを目的としている。オムニコムのオペレーティングプラットフォーム「オムニ(Omni)」で運用するこのエージェントは、新たなキーワードセットを作成し、プランニングソリューションの成果に基づいて新たなオーディエンスターゲティングを推奨する。そして、検索テキスト広告、パフォーマンスマックス(P-Max)、デマンドジェネレーションなど、各種のキャンペーンに最適なクリエイティブのアウトプットをGoogleのメディアサービス横断的に推奨する。提供開始は2025年第1四半期末になるもようだ。
生成AI時代に対応する検索アプローチ
OMGの最高プロダクト責任者で、以前はアクティベーション部門の責任者を務めていたミーガン・パグリューカ氏は、「検索に使われる生成AIの進歩、さらには世代間で検索の使い方が異なることによる断片化によって、クライアントが検索を活用する際の新しいアプローチが必要になった」と説明している。
「こうしたツールは従来の検索を改善するだけでなく、AIが生成する要約にも対応できるため、検索機能の進化に備える一助ともなる」とパグリューカ氏は述べている。「私たちは従来よりもずっと広い視野で検索を捉えている。生成AIが検索にもたらす変化を、私たちのクライアントが先回りできるようにしなければならない」。
(パグリューカ氏のアクティベーション責任者から最高プロダクト責任者への昇進は、変容するメディア環境にあっても、変わらずクライアントのために結果を出したいとの願いから、新しいタイプのパートナーシップやツールの開発を進めるOMGの姿勢を反映したものと言える。)
ブランド需要を先取りするためのAI活用とプラットフォーム戦略
OMGのシニアバイスプレジデントで検索部門の責任者を務めるマイケル・ソンダック氏は1年前にGoogleからOMGに転職してきた人物だ。「2024年に検索業界は多大な変化を経験した。検索をより効果的に活用するためには、その影響の大きさに基づいて、変化に適応する必要があった」と同氏は語る。
「ブランド需要を先取りしているか、それとも立ち後れているか。ブランドにとって、それを知ることはとてつもなく大きな力になる」とソンダック氏は話す。「それはツール単体で機能する知見ではなく、むしろOmniというプラットフォーム全体に持ち込むことができるものだ。そうしてこそ、すべてのクライアントが利用できる新たなデータセットになる」。
ソンダック氏はさらにこう説明する。「エージェンティックという要素のおかげで、要となる情報、たとえば広告コピーとかコピーのアイデアなどを担当チームに大量に提供することが可能となる。本来ならば時間のかかる工程だが、これからはAIならではのスピードで実行できるようになる」。ソンダック氏によると、ゆくゆくはテキストだけでなく、動画を含むビジュアルにも対応する予定だという。
自動車や旅行業界にも波及
GoogleクラウドでグローバルジェネレーティブAI担当バイスプレジデントを務めるオリヴァー・パーカー氏は、「ブランドはすでに、顧客を見つけ、彼らとつながる手段としてジェネレーティブAIを活用しており、企業が持つマーケティングツールのなかでも最高のツールのひとつとなっている」と述べている。「オムニコムの新しいプランニングツールと検索ソリューションはGoogleクラウド上でジェミニを活用しており、AIに基づく意思決定、問題解決、大量のクリエイティブ制作は今後も継続的に進化するだろう」。
ソンダック氏は「この進歩は自動車、小売、旅行など、さまざまな業種のクライアントに資するものだ」と述べている。OMGのクライアントの1社はすでにこのツールを試験的に運用している。
オートトレーダー(Autotrader)の親会社であるコックスオートモーティブ(Cox Automotive)でアソシエートバイスプレジデントを務めるヤナ・カーシュテイン氏はこう話す。「オムニコムとジェミニの連携は、オートトレーダーが検索領域全体で競争優位を確立するのにひと役買ってくれるだろう。進化形のサーチマーケティング、アセット作成、インサイト開発などでぜひとも協働したい」。
[原文:Omnicom Media Group hits CES with a blitz of search-related partnerships, starting with Google]
Michael Bürgi(翻訳:英じゅんこ、編集:戸田美子)
