記事のポイント

アパレルウェブとFree Standardは、ブランド公式リユース事業で協業を開始し、ブランドが自社でリコマースを行うための新サービスを提供する。

リユース市場は拡大を続け、アパレル業界は経済不安に強い。アパレルウェブとFree Standardは、それぞれリユース市場の重要性を提案してきた。

ブランド公式リコマースは、リユース品の回収から販売までを一貫サポートし、ブランドに新たな収益源やサステナビリティを提供する。



アパレルウェブとFree Standardが、ブランド公式リユース事業で協業を開始したことを発表した。リユース業界が拡大し続けるなか、両社は二次流通の重要性に注目し、ブランド自身がリコマース(再販)を行うためのサービスを新たに提供する。

国内アパレル市場が減少傾向にあるなか、リユース市場は2009年以降14年連続で拡大しており、経済不安にも強い業界とされている。アパレルウェブは、デジタル技術を駆使しクライアント企業の課題解決を支援するなかで、リユース市場の重要性を提案してきた。一方、Free Standardはブランドが自社でリコマースを行えるサービス、Retailor(リテーラー)を提供してきたことから、両者のビジョンが合致した。

今回の協業「ブランド公式リコマース」とは、ブランドが自社でリユース品を販売する仕組みづくりを整備するもの。具体的には、リユース品の回収からメンテナンス、ECサイトでの販売までを、ECサイト構築・運営プラットフォームのShopify(ショッピファイ)を活用しながら一貫通貫でサポートする。自社でリユース品の再販を行い、ブランドは消費者に対して持続可能な選択肢を提供することが可能になる。

二次流通は「小売の第5のチャネル」になる



アパレルウェブで社長室兼Shopifyエバンジェリストを務める東幹也氏は、小売業は、社会や消費者を取り巻く環境に応じる「変化対応業」であり、いま新たに変化の波が訪れていると指摘する。「卸販売、小売店、アウトレット店、ECに続く第5のチャネルとして、二次流通が重要なキーワードになる」といい、その背景として、「国内外でのリユース商品の需要が高まるなか、日本国内では2023年度に4兆円規模のマーケットに、米国では700億ドル(約12兆円)規模のマーケットに成長するとみられている」と話す。

ブランド公式リコマースによって、ブランドはおもに4つのメリットが得られる。1つめは、リユース品の取り扱いを第三者に依存せず、公式に運営することで、ブランドイメージを保護することができる点。2つめは、新たな収益源を確保することができ、リユース品販売が利益創出につながり、新たな収益源を確保することができる点。3つめは、リユース品の販売を通じて新規顧客の獲得や、休眠顧客の掘り起こしが可能になり、顧客接点を強化できる点。4つめは、リユース市場への参入によって、サステナブルな取り組みを実現でき、サステナビリティという社会的貢献ができる点だ。

東氏は、リコマースビジネスの重要性について、「第三者によるリセールプラットフォームで販売するだけでなく、ブランドが自社でリセールを行うことで、従来の量的ビジネスから、循環型・再生型ビジネスへと転換していく必要があるのではないか」と強調。Free Standard、Shopifyと連携することで、「いわゆるRaaS(Resale as a Service)というビジネスモデルをパッケージにして提供する。変化の激しい小売ビジネスに対して、我々もその変化に対応できるサービスを今後も提供していきたい」という。

文/戸田美子