フェニックス・リーグ視察の方針を示した藤川新監督

写真拡大

 阪神の藤川球児新監督(44)が16日、甲子園を訪れ、17、18日の2日間にわたって「みやざきフェニックス・リーグ」を視察する方針を示した。就任会見からわずか2日後という超異例の“火の玉視察”。「スイッチが入っているかどうか。期待の目です」と語り、虎の未来を担う若虎に熱視線を送る。

 44歳の新人監督は使命感に燃えていた。15日に就任会見を終えたばかり。その2日後に1泊2日で「みやざきフェニックス・リーグ」を弾丸視察する考えを明かした。超異例の動きはまさに“火の玉”。ただ、藤川新監督は涼しい顔で言った。

 「それが当たり前なんだと思う。自分がしっかり見ていかないと。人任せにはできない。そういう仕事ですから、行かせていただきます」

 新監督を迎える来季、新たに1軍定着を狙うべく若虎が南国で日々汗を流している。17日からは今季躍進を果たした前川をはじめ、小幡、井上、小野寺も参戦。17日に楽天戦(サンマリン)、18日にはDeNA戦(ひむか)が予定されている。

 視察の目的は明確だ。「やっぱりスイッチが入っているかどうか。試合なので惰性でやることはないと思う。いかに集中しているか」。若さを前面に押し出した意欲あふれるプレーを求めた。

 「僕も若い時は監督に見に来てもらった方がうれしかった。そういう部分では、飛んでいきたいというところですね」。若かりし頃の記憶に思いをはせ、虎の未来を担う選手たちの向上心を刺激する狙いもあるとした。

 来月に安芸・秋季キャンプを控え、参加メンバーの絞り込み作業も始まるが、まだまだ見極めの段階ではないと強調する。「期待の目ですね。厳しい目というのは実は全くない。いいところを見つけようかと思って行きます」。選手の長所に目を凝らすことで、思わぬ“掘り出し物”を発掘できるかもしれない。新指揮官自身も楽しみを隠しきれなかった。

 この日午後に甲子園を訪れ、球団幹部と約4時間の会談を行った。「オフに取り組まなければいけない全てのことについて話し合った」と明かした。組閣はもちろん24日のドラフト会議など、2年ぶりの覇権奪回へ引き継ぐべき事象は山積している。球児政権が本格的に動き出した。