大漁旗で見送られる列車(4月13日、岩手県宮古市で)

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 三陸鉄道岩手県宮古市)は17日、盛岡市内で取締役会を開き、今年度の決算見通しを明らかにした。

 8月の台風5号の豪雨の影響による運賃収入の伸び悩みや被災箇所の修繕費高騰などが響き、通年の経常損失は過去最大の7億1557万円に上り、最終利益は4925万円の赤字になるという。

 4〜8月の乗車人員は、前年同期比4・4%減の26万9165人。一方、訪日外国人客や4月に開業40周年を迎えたことなどによる観光利用が持ち直し、同時期の運賃収入は同1・4%増の1億6524万円となった。

 台風5号被害による不通区間の被害額は2億2000万円(概算)に上る。川沿いではサケの遡上(そじょう)を妨げることから、10月以降に復旧工事が遅れる可能性もあるという。同社の金野淳一運行本部長は「関係機関と協議を進め、早期の運転再開に向けて取り組んでいきたい」と話した。