エアコン冷房を使う際、やはり気になるのが電気代。27℃と28℃の設定の場合、どの程度電気代に差が出るのでしょうか。「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解説します。

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9月に入っても気温が高い日が続いており、エアコンが欠かせない人も少なくないはず。そんなときに気になるのが電気代です。

冷房「27℃」と「28℃」ではどの程度電気代が異なるのか、「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。

(今回の質問)
エアコン冷房の「27℃」と「28℃」では、どれくらい電気代が異なりますか?

(回答)
資源エネルギー庁の試算によると、6畳用エアコンで年間約940円の節約になります。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

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28℃の方が、1日あたり約8.4円おトクになります

経済産業省 資源エネルギー庁が運営する「省エネポータルサイト」の「無理のない省エネ節約」によれば、外気温度31℃のときにエアコン(2.2kW/主に6畳用)の冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合(使用時間:9時間/日)、年間30.24kWhの省エネになり、約940円の節約になるとしています。冷房期間は6月2日〜9月21日までの112日で計算しているため、電気代は1日あたり約8.4円お得になる計算です。

また、これは最も冷房能力が低い6畳用のエアコンで計算した場合。より大きなベッドルームやリビングルームで使用する冷房能力の高いエアコンの場合は、さらにお得になる可能性があります。

環境省が地球温暖化対策に向けて2005年から推進している「COOLBIZ(クールビズ)」では、適正な室温の目安として「28℃」を設定しています。これは「エアコンの温度設定を28℃にしましょう」ということではなく、あくまでも部屋の温度、室温の上限としての目安です。

外気温や湿度、日当たりなどさまざまな状況によって体感温度は異なるため、室内にいる人の体調などに考慮しながら無理のない範囲で室温を管理しましょう。

体感温度を下げるにはサーキュレーターや扇風機を

室温28℃で暑さを感じる、より快適に過ごしたいという人には、サーキュレーターや扇風機を使って室内に風を作り、体感温度を下げることをおすすめします。風速が毎秒1m増えると体感温度が1℃下がると言われています。

また、温暖な気温での体感温度を表す「ミスナール体感温度」によると、室温が28℃でも、湿度60%、風速0.3m/sであれば体感温度は約25℃になります。エアコンを使うと湿度が下がりますので、あとはサーキュレーターや扇風機を使ってある程度の風を作り出すことで涼しく感じることができます。

この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
(文:安蔵 靖志)