「第2回GEK-1コンテストin 姫路」

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 建設・建築現場で働く人たちを表す言葉“ガテン系”が浸透して久しいが、世の中ではまだまだ「きつい」「つらい」といったネガティブなイメージが先行することも多い。

 そこで、建設業界のイメージを向上し、憧れられる存在になることを目指そうと、「第2回GTK-1コンテスト」が、このほど兵庫県姫路市内のホテルで開催された。職人の相棒である「作業服」と、家庭、趣味の場などプライベートで着こなしている「普段着」とのギャップが醸す魅力を、様々なパフォーマンスを交えて競うもの。

「第2回GEK-1コンテストin 姫路」

 ホテル日航姫路で開かれた同コンテストには、昨年の第1回同様、建設会社などからエントリーされた職人が出場。とび職・鉄骨工・足場工・塗装職・溶接工・瓦職人・現場監督・警備会社・測量技師など、20〜50歳代の職人12人がステージに上がった。

 コンテストは二部制で、第一部では作業着・仕事着による審査が行われた。ライト付きのヘルメットはもちろん、腰のベルトにハンマーやペンチ、ニッパーなど様々なプロ仕様の工具を下げた重装備や、反射板ベルトを着けた警備服など、それぞれの職場に応じたいで立ちで入場。実際の工事現場同様、ステージに上がる際には指差し確認するなど、登場段階から元気いっぱいな様子を見せた。

第一部はそれぞれの「作業服」で
職業ごとに異なる「仕事着」で登場した参加者
皆さん、舞台で緊張気味!?

 そして、第二部はいよいよ普段着姿の審査。今どきのクリエイターのような格好から、推しの球団のユニフォーム姿、浴衣などまで、まさに十人十色の姿で登場。観客や審査員に、第一部との違いをアピールした。

 “ガテン系”のコンテストと聞くと、ムキムキに鍛え上げられた男性が、スポットライトを浴びながら思い思いのBGMに乗ってレッドカーペットのランウェイを誇らしく歩くイメージを抱く人も多いと思う。実際、昨年は重い建設足場を担いで入場した男性もいた。

 今年大きく変わったのは、出場者の多様性だ。海外(ミャンマー・インドネシア)出身で現在日本でこの仕事についている若者たちや、女性の参加者も一人迎えた。観客もこの動きに敏感に反応。ひときわ大きな声援を送っていた。

国籍や性別…参加者にも多様性映す大会に

 審査員は6人。金村義明氏(元プロ野球選手)、アディオス氏(ボクシング初代日本ユーススーパーウェルター級チャンピオン)、河内家菊水丸氏(伝統河内音頭継承者、姫路ふるさと大使)、石井苗子氏(参議院議員)、大田忠道氏(料理人)、そしてこの大会の主催者で総合プロデュースも手掛けた柿元直美氏(建築業兼男性用ブランドコスメティック会社経営)という多彩な顔ぶれが審査を務めた。

審査員 左から アディオス氏、金村義明氏、柿元直美氏
審査員 手前から 河内家菊水丸氏、石井苗子氏、大田忠道氏

 なかでもアディオス氏は、昨年第1回大会にとび職人として出場し、見事優勝を飾ったコンテスト経験者だ。前回大会で「今後の活動に期待と建設業を盛り上げてくれそう」との評価で選ばれたアディオス氏は、その期待に応えてチャンピオンになり、審査員という立場まで“勝ち取った”。

 そして、栄えある第2回のグランプリ受賞者には、加古川市の躯体工事関連企業に勤める、とび解体職の北田佳奈さんが選ばれた。北田さんは「子ども、孫の理解が今を支えてくれている。受賞は本当にうれしい」と語った。アディオス氏は審査講評で「去年はそちら(出場者側)にいたのに、今年は違う立場で審査させてもらっている。物凄くシンパシーを感じる」と出場者を称えた。

優勝した北田佳奈さん(写真中央) 栄冠獲得を子どもたちも祝福 

 主催者の柿元氏は「夏は暑く、冬は寒い…そんな仕事に従事する人たちを『カッコイイ』『あんな人になりたい』と思ってもらえる、(彼ら彼女らが)“輝く場”を提供し、建設・土木などの業界全体のイメージアップの一助になれば」と、20数年来の建築会社取締役としてのまなざしも込めて語った。

記念撮影

(取材・文 黒川 良彦)