野菜サプリもお金のムダ? 医師が教える「実は無意味な健康食品」5選
医師のDr.あきこが睡眠・ダイエットなどの健康情報をわかりやすく発信するYouTubeチャンネル「マインドフル睡眠チャンネル」。今回の動画では「お金をドブに捨てる実は無意味な健康食品5選」を取り上げる。


この記事はYouTube配信「【健康食品】お金をドブに捨てる実は無意味な健康食品5選」から、ライブドア社の自動書き起こしツールによって生成されています。

はじめに


あなたが食べたり飲んだりしている、その「健康食品」。実は健康になるどころか、全然意味のないものにお金を払っているかもしれません。今回は「騙されないで! 実は無意味な健康食品5選」をお伝えします。

こんにちは、Dr.あきこです。「マインドフル睡眠チャンネル」では、「眠れない」「痩せない」「疲れやすい」といったお悩みを解決するお手伝いをしております。

健康食品って、実は、作った人が「健康になるよ」って言ってるだけで、特に根拠がなくても、健康食品として売られていることが多いんですね。

意味のない健康食品 ①





私が選ぶ、意味のない健康食品1つ目は「野菜サプリ」です。

「この1粒を摂れば、何とかと何とかと何とかと…いっぱいの野菜を摂れますよ」っていうサプリありますよね。健康食品のランキングを見ると常に上位に入ってるんですよ。「野菜が足りないな、もっと食べなきゃな」って思う人をうまく誘導して、そのサプリを飲ませているんですね。

ちょっと考えてみてください。野菜をたくさん食べたら、確かに健康になります。でも、健康になれるのは、なぜなんでしょうか。

野菜を食べるメリットって、何なんでしょうか。野菜のメリットの1つ目は食物繊維です。食物繊維をたくさん摂るには野菜しかありません。それから、ビタミンC、カリウム。この3つが野菜を摂る大きなメリットかなと私は思っています。

「じゃあ、野菜サプリいいじゃん」と思うかもしれないんですけど、ちょっと違うんですね。食物繊維が、この小さい粒にどれだけ入ると思いますか。先日、野菜サプリの裏をよく見てみました。表示のところですね。そうすると、食物繊維、1粒中0.07gって書いてあったんです。

食物繊維、どれぐらい摂らなきゃいけないか知ってますか。1日あたり、だいたい、20〜25gぐらいは摂った方がいいって言われてるんですね。1日に25g摂ると、心筋梗塞とか生活習慣病を予防できる効果が証明されてるんです。

食物繊維をたくさん、そんなに入れてたら、あんな小さい状態にならないです。いくら、たくさんの種類の野菜がこの1粒の錠剤に入っていたとしても全然意味ないです。ただの“野菜のカス”ですよね。

それから、野菜を摂るのにもう一つ大事なことがあるんですけども、野菜のほとんどは水分でできています。野菜の中の水分を体に取り入れることによって、腸からジワーッと吸収されるので、体の中で水分が保たれやすいんですね。脱水症などを起こしにくくなります。

「野菜は1日350g程度は摂りましょう」と厚労省でも言われていますけども、350gの野菜のほとんどが水と食物繊維なんですね。なので、サプリにしちゃったら何の意味もありません。

もし、ビタミンCやカリウムが摂りたいんであれば、サプリを買って飲めばいいんです。ビタミンCのサプリやカリウムが入ったもの。野菜が一番いいと思うんですけども。普通に野菜を買って食べるのがベストです。

意味のない健康食品 ②





2つ目は「コレステロールの吸収を抑える健康食品」です。

「コレステロールが多い食事をしても、これを飲んだら大丈夫」っていう健康食品、ありますよね。コレステロールを下げる成分にはいろいろあるんですけども、そのほとんどが「イオン交換樹脂」のような成分でできています。

樹脂って、プラスチックの成分とかを思い浮かべませんか。コレステロールを下げるために樹脂を飲む必要があるんでしょうか。

そもそも、コレステロールというのは、体にとっても必要な成分です。細胞膜を作ったり、女性ホルモン・男性ホルモンの材料になっていたり、ビタミンを吸収するために必要な成分だったりもします。

この大切なコレステロールをブロックしてまで、体に悪い成分を摂る必要はないかなと思います。

では、コレステロールが多すぎるとどうなるかというと、悪玉コレステロールとか言われるものがたくさん増えると血管の中が狭くなって、脳梗塞や心筋梗塞の原因になるって言われてますよね。

では、その悪いコレステロールがなぜ増えるかというと、もともとはそんなに悪くなかったコレステロールが体にあったのを、私たちがあまり良くない生活習慣をすることによって、悪いコレステロールに変わっていっちゃうっていうだけなんです。

なので、入ってくるコレステロールをブロックするのではなくて、体の中にあるコレステロールを悪いコレステロールに変えないような生活習慣をすればいいんです。

まずは喫煙・食べ過ぎ・お酒の飲み過ぎ・睡眠不足・運動不足…そういったことが当てはまります。そういう生活習慣を自分ができる範囲で改めていけば、お金もかからないし、健康食品も、お金で買ったりするよりもはるかに安上がりですし、効果も絶大です。

意味のない健康食品 ③





3つ目の意味のない健康食品は「グルコサミン」や「コンドロイチン」です。

膝関節に良いようなイメージがありますよね。「これを飲んで、元気に歩けるようになりました」とか言ってるじゃないですか。グルコサミン・コンドロイチンがあんまり意味ないってことは、すでに有名な話なので、ご存知な方も多いんじゃないかなと思います。

2006年に発表された「The New England Journal of Medicine」の論文があるんですけど、1,500人ぐらいの人にコンドロイチンとグルコサミンを飲んでもらって、または、その2つを飲んでもらうか、どっちかを飲んでもらって、プラシーボを飲んだ人、セレコキシブという痛み止めを飲んだ人も加えて、半年間経過を追ったんですね。

グルコサミンやコンドロイチンを飲んだ人は、ほとんど改善していませんでした。一番改善していたのはプラシーボ、偽薬だったんですね。

余談ですけど、一番効かなかった、逆に悪くなっちゃったというグループは、痛み止めのセレコキシブを飲んだ人たちだったんです。

他にもいろんな研究がされていて、グルコサミンやコンドロイチンはほとんど意味がないっていう、医療関係者の間では一致しています。

意味のない健康食品 ④





4番目は「老眼に効きそうな健康食品」です。

「老眼に効きそうな健康食品」、遠回りな言い方をしてますけど、「中高年の目の健康に」とかそういった歌い文句でCMとか流れてるかもしれませんし、ドラッグストアに行ったらたくさん売ってますよね。

目に良い健康食品の裏の表示を見ると、だいたい入ってる成分はルテインですね。それから、アスタキサンチン・ゼアキサンチンなども入っています。

それら3つは確かに、抗酸化作用があったり、目に良いっていう報告があったりするんですけれども、実際にそのサプリを飲んで効果検証をして、どのぐらい、目の調節力が高まったとか見やすくなったかっていう研究結果を見てみると、ほとんど有意差はないっていうことが分かってるんですね。よくなったとしても、ちょっと差があるぐらい。

ある研究では15項目で比較してみたんですね。肩こりがあるとか、目が疲れるとか、目が乾くとか、何と13項目は効果が全然なかった。

2項目だけ、肩こりとか、目の見やすさが少し変わっていたっていう結果だったんですね。そんなわずかな効果を求めるために毎月毎月サプリを買って、飲む必要があるでしょうか。

私が見たサプリは、ルテインが2粒中13mg入ってるって書かれてたんですけども、ルテイン13mgを摂るには、ほうれん草からでも摂れます。そうした緑黄色野菜をしっかり摂っていくことで、ルテインを摂ることもできます。

意味のない健康食品 ⑤





5番目は「コラーゲン」です。コラーゲンを口から飲んでも、意味がありません(※1)。

コラーゲンは腸の中に入ると分解されて、アミノ酸として吸収されます(※2)。だったら、アミノ酸を飲んだらいいじゃないですか。で、入ってきたアミノ酸は肌のコラーゲンになるでしょうか。肌に行くとも限りませんよね。

コラーゲンというのは全身にあります。骨・筋肉・髪の毛…いろんなところにコラーゲンがあるので、コラーゲンを飲んだからといって、それがそのまま吸収されて、お肌がプルプルになるってことはないんですね。

なぜみんな、これを飲んだらプルプルになったって言うんでしょうか。みんなじゃないですけどね。一部の人はやっぱり、そういう効果を実感されています。おそらく、そういう方々は普段のタンパク質の摂取が多くないんじゃないかなと思います。

普段から、タンパク質とかバランスの良い食事をされている方は、ちゃんと、コラーゲンを作ることができているので、その上から、コラーゲンのサプリとか、ドリンクを飲んでも、そんなに変わらないはずなんですね。

「じゃあ、どうすればいいの?」という方に朗報をお伝えします。肌のコラーゲンを増やす良い方法は、たくさん寝ることです。

7時間ぐらい寝ると成長ホルモンが増えます。成長ホルモンは肌の保水力、線維芽細胞を増やすので、肌のプルプルを保ってくれます。寝る以外にも、紫外線を浴びすぎない・たばこを吸わない・甘い物を食べ過ぎない…そんな方法も役に立ちます。

まとめ





まとめますと、「野菜サプリ」「コレステロールを下げる健康食品」「グルコサミン/コンドロイチン」「目に良いサプリ」「コラーゲン」でした。皆さんも無意味な健康食品に振り回されて、お金を使い込まないように気をつけましょう。

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最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。

※1:一日10gのコラーゲンペプチドを2カ月以上とり続ければ、肌の潤いが高まるという研究結果は複数ある。しかし、よく売れているコラーゲンサプリは一日2g程度のため、効果は期待できないと考えられる。


※2:完全にアミノ酸になる前のコラーゲンペプチドという状態で吸収されて血液中に入るものもある。


動画


山下あきこ(やました・あきこ)
1974年、佐賀県生まれ。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。株式会社マインドフルヘルス代表取締役。

著書に『やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット』(二見書房)、『こうすれば、夜中に目覚めずぐっすり眠れる:医師が教える、薬に頼らない3つの方法』(共栄書房)、『死ぬまで若々しく元気に生きるための 賢い食べ方: 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版)。