SB甲斐捕手が谷繁へガチ相談! 谷繁が語る捕手が陥る壁とは?

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この記事はYouTubeチャンネル『谷繁ベースボールチャンネル』の動画から、ライブドア社の自動書き起こしツールによって生成されています。

元動画:【甲斐拓也】現役捕手から谷繁にガチ相談!谷繁が語る捕手の壁とは?【福岡ソフトバンクホークス】(2023/02/03 公開)

出演者:谷繁元信
ゲスト:甲斐拓也(福岡ソフトバンクホークス)


谷繁: 「ちょっと、拓也と話してやってくれよ」って言われて、嫌じゃなかったあれ?

甲斐: 全然です。僕、覚えてますもん、あの時の。

谷繁: ははは(笑)。

甲斐: 髙谷(裕亮)さんにすごく力を借りていたので、僕の力ではなかったですね。

谷繁: 皆さんこんにちは。谷繁ベースボールチャンネルです。もう紹介します、福岡ソフトバンクホークス・甲斐拓也捕手です。

甲斐: はい、よろしくお願いします。すみません、ありがとうございます。

谷繁: 今日は、大分に自主トレでやられていて、たまたまねちょっと僕も仕事でこっちに来ることがあったので、「おっ、そういうことなら…」って思って連絡して。

甲斐: ありがとうございます。

捕手で一番大事な事は「我慢」


谷繁: 今回ちょっとね、こういう場を。やっとこうやって二人で何か話せる。いつ以来かな? あれじゃない? ロッテ…千葉で。

甲斐: そうです、はい。そうです。

谷繁: 千葉でまだ工藤(公康)さんが監督やっている時に、俺が仕事で行ったら工藤さんが「シゲ!」って言って、「ちょっと、拓也と話してやってくれよ」って言われて、嫌じゃなかったあれ?

甲斐: 全然です。僕、覚えてますもん。あの時の会話を「捕手って何が一番大事ですか?」って谷繁さんに訊いたんですけど、その時に谷繁さんは「我慢」って言ったんですよ。「うわぁ、我慢なんだ」と思って。それは今でも大事にしています、我慢っていうのは。

谷繁: 我慢の中にもやっぱりいろいろな我慢があって、キャッチャーって試合をいろいろ組み立てていかなきゃいけない。あとは、ピッチャーをうまく引っ張ってリードしていかなきゃいけない。ある程度、理想というかそういうものを思いながら全てやるわけじゃん? でも、できないでしょ?

甲斐: 難しいですね。

谷繁: 難しいんです、できるわけない。それは相手がいることだし、ピッチャーはやっぱり人間だし、試合も常に動きがあることだから、そういう部分に対して自分がある程度イメージした通りにできないことに対しての我慢というのも物凄い必要なのね、キャッチャーって。だから、そういう我慢ですよね。甲斐もやっぱり日本シリーズに出てMVP獲ったり。MVP獲ったのは何年?

甲斐: 2018年ですね。

谷繁: その年?

甲斐: あの年の日本シリーズですね。

谷繁: そうだよね、広島で。

甲斐: そうです、そうです。

谷繁: でも、あの時に結局まだ本当のレギュラーじゃなかったじゃん?

甲斐: そうです。

谷繁: どうしても、髙谷(裕亮)との併用であったり、どうしてもポジションを変えられたりしてたので。でも、あれが最初?2018年って。

甲斐: 僕が出始めたのが、2017年

甲斐捕手の輝かしい優勝回数


谷繁: 17、18、19年と3連覇したの?

甲斐: そうです。日本一はしてます。18、19年はリーグ優勝を逃しているんですけど、クライマックスに進んで日本一にはなってます。
17、18、19、20年も。だから、4年連続日本一には。リーグ優勝は18、19年はできていないので。

谷繁: 20年はリーグ優勝?

甲斐: 20年はリーグ優勝しました、はい。

谷繁: で、日本一?

甲斐: はい。

谷繁: すげぇーな…。日本一、何回なったの? 4回?

甲斐: 4回ですね。

谷繁: すげぇな。俺、語れないよ。

甲斐: いやいやいや(笑)。

谷繁: リーグ優勝は何回? 自分がベンチに置いて経験したの

甲斐: 2回ですかね?

谷繁: あっ、2回? すごいね、リーグ優勝2回で日本一は4回って。普通、逆なんだけど(笑)。

甲斐: いやぁそうですよね、たしかに。

谷繁: 普通、逆なんだけどね。凄いわ。日本一のなり方を俺は教わりたいぐらいだよ。

甲斐: いや、でもやっぱり20年だけでした。僕が頑張って試合に出てって言うのは。それまではやっぱり、先程言われたように髙谷さんに凄く力を貸していたので、僕の力ではなかったですね。

谷繁: じゃあ自分で「この年は頑張ってリーグ優勝して日本一になったな」というのが20年?

甲斐: それだけですね。

選手として立ちはだかる壁を乗り越えるには


谷繁: そこから更に、もう一つワンランク上がっていくかな?っていう風に僕は思ったんですよ。「あっ、ここまで来たら次のステップに行くだろうな」って言ったら、ちょっと今足踏みしているじゃないですか? これは何が自分の中で…

甲斐: 何なんですかねぇ…。

谷繁: そうなんだよ。だから、そこが

甲斐: そうですね…。

谷繁: そう。そこが自分の中で出てこないというところに、ちょっと今一つの壁に当たっているところなんじゃないかなと思うんですよ。

甲斐: ひとつシーズン中に思う事が、私でやっててもパターン化になってるのが凄く思うんですよ。

谷繁: 分かります。

甲斐: 例えば、去年1年試合して「こういう風になったら、こういう風になってるよな」って自分でも分かるんですよね。でも…

谷繁: それは、俺も何回もあったから(笑)。

甲斐: でも、「そうするしかないんだよな」って結局、行っちゃうところがあるんですよ。

谷繁: だから、止まっちゃうんです。

甲斐: そうなんですよ。だから、こう…

谷繁: そこは僕も経験してるんで分かります。

甲斐: ずっーとこう試合に出てて、それで手詰まりになっている感じが凄く自分は去年は感じたので、だからそこの何処かで、傾向を自分の中で崩さないといけないなって。

谷繁: おぅ!変えていけばいい。

甲斐: そうですね。

谷繁: もう変えればいい、単純なんです。変える勇気を持つしかないんですよ。それ僕も何回もその壁があって、それをどうしたらいいのかなって。やっぱり自分で考えるでしょ?

甲斐: 考えます。

谷繁: もちろん考える。俺も考えたし。そうしたら、もう違うことをやるしかないのよ、もう絶対。それしか変える方法はないんです。自分の傾向とは違うことをやって、またそれが根付いた時に戻せば違うことになるんですよ。それが1年間の中でやろうと思えばできるんです。だから、今年の出だしに違うことをまずやるんですよ。そうしたら、そっちが向こうが絶対に「あっ、今年傾向変わってきたな」って向こうが思ったら変えればいい。もう一回変えると言うか戻す。

甲斐: 戻す。

谷繁: そうしたら、今度は戻すでしょ? そうしたら今度は「あぁ、また変わったな」と。そうしたら、もう一回最初に戻ればいい。それで、もう全然変化が出てくるんで、それでもう全く変わってくるから、見方が。今度、終盤になったらそれを両方足せばいい。「それが出来るか、出来ないか」だから。でも、やらなきゃいけないのこれは。

甲斐: そうですね。

谷繁: これがやられた時に、もっと違うものが更に感じ方が出ている。そうしたら、とんでもない事をしてる。自分では今まで全く思いもつかなかったようなことが発想が出てくる。そうしたら、向こうも迷ってくる。そうしたら、どんどんどんどんこっちも意識してきてくれる。

甲斐: そうですね

谷繁: そう。だから、そういう風にもっていけば…

甲斐: そうなった時点でバッターは谷繁さんと勝負してますもんね。

谷繁: そうなの。

甲斐: もう勝ちっすね、谷繁さんの。

谷繁: そうそう。だから自分で持っていく。そこはもう変えていくしかないんです。ある時、そうやりながらも、また同じことに出くわすんですよ、結局は。長いことやっていると、ほぼ毎年同じ相手だから、もうそれが回っていくわけですよ。そうしたら、また違うことをやる。だから、それが引き出しが増えていく事なんですよ。

甲斐: そうですね。

選手が自身の引き出しを増やすためには


谷繁: だからまだ、今の俺で言うと…まぁ、今の俺は引き出しなんてあんまりないけど、現役の全盛期の終盤の頃なんて、例えて言うと俺が引き出し10個あったら、多分、今2個ぐらいしかないイメージだと思うんだよね。あれは、もう自分で増やしていくしかないのよ。

甲斐: 谷繁さんが現役の時って、監督がいて、バッテリーコーチがいて。また、キャッチャーも何人かって感じじゃないですか? それはもう自分の考えで試合の中でやってました?

谷繁: ほぼ。

甲斐: あっ、やっぱそうなんですね。

谷繁: だって、最終的に責任取らなきゃいけないのは自分だから。だって、負ければ自分が出なくなる。打てなかったら自分は出れなくなるわけだから、ある程度は話は聞くよ?聞くけども、全て「そちら」でやったら甲斐じゃなくいいのよキャッチャーは。そういうわけでしょ?

甲斐: そうです。

谷繁: だから、自分が出てどれだけ勝って、その勝ちゲームの中でどれだけベンチの信頼・チームの信頼・ピッチャーとの信頼関係っていうのができていくかというのが、やっぱりキャッチャーとしての評価になっていくわけだから。だから、言うことを聞いて、同じように打たれて、同じように抑えてだったら、別に誰でもいいわけよキャッチャーって。っていう風になるわけ。じゃあ、その中で多少打つ選手・多少肩がいい選手を使っていこうかって言うことになるわけ。そうなると、その他大勢のキャッチャーと一緒になるわけだから、せっかく今まで日本シリーズ4回勝って、リーグ優勝も2回したユニフォームを着て、自分がマスクを被っている中で、それだけの経験をしているものが無駄になるわけじゃん?そうなると。だから、そこは無駄にして欲しくないから、そういうところを今年は出していいものなんじゃないかと思うんだよね。

甲斐: そうですね。

谷繁: だから、俺はなるべくちょっと距離を置いたところから彼たちを見て、キャッチャーは経験がものを言うとか聞くでしょ?

甲斐: はい。

谷繁: 経験が何時ものを言うんだって思わない?

甲斐: あぁ、それは思います。

谷繁: ははは(笑)。

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