高学歴でも「仕事ができない社員」が共通して嫌っていたこと

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高学歴でも「仕事ができない」と言われる人がいる一方で、学歴関係なく大いに活躍・貢献する人がいます。この差がどこから生まれるのかを、K&P税理士法人の香川晋平氏の書籍『東大卒でも赤字社員 中卒でも黒字社員―会社が捨てるのは、利益を出せない人』(株式会社経済界)より、編集・抜粋して解説します。

周囲の時間を「効率化する」か「ムダにする」の差

組織に属する会社員であれば、「効率的」に業務を進めるためにも、周囲に配慮しながら仕事をする必要があります。しかし残念なことに、一緒に働く周囲のことを意識していない赤字社員がいます。

たとえば、上司とのコミュニケーションを怠り、上司の意図とまったく違うものを堂々と出す「的ハズレさん」。または、上司に叱られるのを恐れ、いつも終業時間前や締め切りの直前に提出してくる「ギリギリくん」。そして、自分一人で仕事をしているつもりの「一匹狼ちゃん」。

このような人たちの仕事は、ほとんどがムダで、その尻拭いを周囲の人がさせられることになってしまいます。一方で、常に周囲のことを意識しながら仕事をしている黒字社員もいます。では実際に、2人の会話を見てみましょう。

・管理部の風景 上司と赤字社員との会話

上司:明日から、どの業務内容にどれだけの時間がかかったのかの業務管理をするために、みんなに業務日報を出してもらおうと思ってるんだ。とりあえず、君の今日の業務内容を入れて、フォーマットを作ってもらえるかな?

赤字社員:わかりました。

※終業時間前ギリギリに、上司にメール送信(CCで同僚に一斉送信)

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「お疲れさまです。ご指示頂きました業務日報を送信しますので、ご確認ください。皆さん、明日から業務日報の提出が必要になりました。とりあえず、本日の業務日報を各自A部長に提出してください」

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同僚:(営業から戻り、メールをチェック)ゲッ、この業務日報って何? (赤字社員の業務日報を見ながら)こんなに細かいことまで書かないといけないの? 今日は思いっきり残業だな……。

上司:(メールをチェック)あっちゃー。あいつ、まったく意図を理解してなかったのか〜。こんなフォーマットじゃあ、全然、時間の管理ができないじゃないか。あいつ、もう帰っているし……、困ったな〜。

・管理部の風景 上司と黒子社員との会話

上司:残業になって悪いんだけど、ちょっと仕事頼めるかな?

黒字社員:はい! どのような仕事でしょうか?

上司:さっき、みんなにメールがあった業務日報の件なんだけど、あんなフォーマットではなく、無理なく作れるようなフォーマットを考えて欲しいんだ。

黒字社員:わかりました。何がわかるといいんですか?

上司:簡単な業務内容と時間がわかれば、いいんだけど。

黒字社員:(手書きで)それじゃあ、こんな感じのフォーマットで、時間集計できるようにしておけばいいですか?

上司:おっ、このフォーマットはシンプルでいいね。じゃあ、こんな感じで頼むよ。

黒字社員:わかりました。では、このフォーマットで、みんなに今日の業務日報を提出してもらえばよろしいでしょうか?

上司:いや、明日からでいいよ。このフォーマットだけみんなにメール送信しておいてくれるかな?

黒字社員:わかりました。

※すぐに同僚にメール一斉送信

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「お疲れさまです。先ほどのメールにもありましたように、明日から業務日報の提出が必要となりましたが、本日の業務日報の提出は不要です。業務日報のフォーマットは、これから私が作成しますので、出来上がり次第、本日中にメールさせて頂きます。」

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同僚:ホッ、良かった。とりあえず、今日はいらないんだな。

黒字社員:※数十分後、上司にメール送信(CCで同僚に一斉送信)

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「お疲れさまです。明日から提出が必要となる業務日報のフォーマットを送信します。入力例として、私の本日の業務内容を入れておりますので、参考にしてください。」

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同僚:な〜んだ。A部長が言ってる業務日報って、こんなシンプルなものだったのか。これなら全然手間もかからずに作成できそうだ。

赤字社員が「ホウレンソウ」を嫌う呆れた理由

このように、周囲への伝達事項ひとつとってみても、赤字社員と黒字社員を見抜くことができます。仕事において重要な報告・連絡・相談。いわゆる「報・連・相(ホウレンソウ)」。赤字社員には、この「ホウレンソウ」が嫌いだという「お子ちゃま」的な特徴があります。

(写真はイメージです/PIXTA)

この人たちは周囲が先に取りかかって欲しいと思っている業務を後回しにし、自分の気が向いた業務から取りかかってしまいます。そのため、同僚の残業コストや上司の時間コストまで追加で発生させてしまい、しかも、そのことにまったく気づいていません。

一方の黒字社員は、「ホウレンソウ」の重要性を理解しています。上司とのコミュニケーションを積極的に図り、上司から与えられる仕事の意味をきちんと考えています。そして、常に周囲が効率的に仕事ができるように、自分が取りかかるべき業務の優先順位を理解しているのです。

周囲の役に立ちそうな自分の仕事や情報は進んでシェアし、また、自分がやってしまったミスについてもオープンにして、周囲が同じミスをしないように計らいます。その結果、周囲の「考える」時間を削減して、業務の効率化に貢献しているのです。

たとえば、ある文書のフォーマット作成に1時間かかるとしたら、それをみんなが共有することで、各自の1時間分のコストを浮かしたことになります。

そのフォーマットを使う人が1人増えれば、使った人の1時間分のコストだけ、会社に利益貢献したことになるのです。つまり、自分のたったひとつの仕事をより多くの同僚に共有してもらうことによって、会社への利益貢献がドンドン高まるのです。

そのために黒字社員は、周囲の人が自分の仕事を共有しやすいように、ひとつひとつの仕事が非常に丁寧です。常に周囲のことを意識し、自分の仕事でより多くの人をラクにしてあげましょう。

赤字社員、黒字社員の終業時間以降の成績

赤字社員、黒字社員、ほかの同僚(10人)の1時間当たりの給与は、1,600円/上司は3,200円

※残業は通常の1.25倍として計算

・赤字社員 自分は定時で帰宅し、上司や同僚にムダな残業を指示した。

生み出した価値

0円

黒字社員、ほかの同僚の残業コスト(2時間)

1,600円 × 2時間 × 1.25 × 11人 = ▲44,000円

上司の残業コスト

3,200円 × 2時間 × 1.25 = ▲8,000円

0円 - 44,000円 - 8,000円 = ▲52,000円の赤字

・黒字社員 上司に仕事を頼まれてから、1時間で解決。上司・同僚の残業を1時間で食い止めた

生み出した価値

1,600円 × 1時間 × 1.25 × 11人 = 22,000円

3,200円 × 1時間 × 1.25 = 4,000円

22,000円 − 4,000円 = 26,000円の黒字

2人の差は1業務当たり78,000円

香川 晋平

K&P税理士法人 代表社員