馬主と大家をやっている、新大久保在住のあらいちゅーです!

【写真】中国に夜逃げした入居人が去った物件の写真を見る(12枚)

 馬主さんのなかには不動産オーナーが少なくないのですが、私の場合は不動産でお金持ちになれたから馬主になったのではなく、馬のエサ代を稼ぐために不動産投資をしているという切実な状況です。そのため手持ち物件はハイリスクハイリターンなものばかりで、例えば江戸川区にはツタだらけの戸建てを持っています。


©あらいちゅー

 投資エリアは23区内と横浜市内ですが、一軒目に取得したのは新大久保のワンルーム。15平米と狭いのですが、山手線の駅から徒歩2分という立地が魅力でした。家賃も7万2000円と比較的高く、滑り出しは順調だぞと思っていたのですが、新大久保の物件というだけあって、外国人の入居者さんが次々と事件を起こしてくれます…。

 というわけで今回は私が不動産投資家としてデビューした経緯と、早々にぶつかった金銭的に洒落にならないトラブルのお話です。

どうして「新大久保」のワンルームを選んだのか?

 苦労話の前に、はじめての投資物件として(比較的利回りの低い)ワンルームを選んだ理由を。なんといっても初心者なので、入居者募集の心配がない好立地物件が欲しいというのが第一の理由でした。そして火急の際にはすぐに現金化して逃げられるという流動性にも惹かれました。大家としての弱点をカバーしつつ損切りも最小限に出来るという、守備に重きをおいた選択ですね。

 不動産投資のポータルサイトから物件を探し、業者さんに問い合わせを入れ、指値をハネられたり、とんでもないクソ物件を断ったりしながら行き着いたのが、問題の新大久保のワンルーム。新耐震基準の1984年築、間取りは15平米、価格は770万円でお家賃は7万2000円、表面利回りは11%、諸経費を引いても8.7%あるという物件でした。

周りから心配された外国人トラブル

 今でこそメチャメチャお買い得な内容ですが(2020年現在では1600万円ほどに値上がりしています)、私が不動産に手を染めた2012年当時ではそれほどお得な価格でもなく、他に同じような物件がいくつもありました。そこで決め手になったのが立地です。

 私が長年住んでいる新大久保の物件で、しかも駅から徒歩2分。隣の大久保駅にいたっては南口から徒歩1分という近さで、しかも仲介さん兼管理会社も新大久保にあるご近所さん。なにぶん初心者なので、買う側も売る側も管理する側も土地勘があるこの物件が一番だろうと思い、少しだけ指値を入れて現金で購入しました。

 新大久保の物件ということで、周りからは外国人の入居者さんとのトラブルを心配されたのですが、新大久保に長年住んでいる自身の経験から、この街の外国人は中国人も韓国人もネパール人もみなフレンドリーで礼儀正しく、実際によき隣人として付き合っていたことから、些細な習慣の違いも乗り越えていけるという自信がありました。また管理会社が新大久保の会社なので、外国人の入居者さんに対応するノウハウもあるだろうと考えていました。

夢と希望を胸にはじまった不動産オーナー生活!

 良く聞く滞納リスクに関しては、取りっぱぐれの際に肩代わりしてくれる賃貸保証会社を間にかませることで良しとすることに。これで不動産投資のスタート準備は万端、夢と希望を胸にオーナー生活がはじまったのです!

 買ってしばらくして退去があり、それはそれでガッカリしたのですが、簡単な原状回復工事で再募集をかけたところ、1週間で次の借り手が決まりました。やはり山手線駅徒歩2分の威力は絶大です。「これは良い物件を買った」とホクホクしていたのですが、次に入った中国人の入居者さんが問題を起こし始めます…。

夜逃げされた!中国に!

 年の瀬のある日、管理会社から妙な時間に連絡が入りました。設備の破損でもあったかなと考えたのですが、担当者さんの様子が只事ではありません。なんと入居者さんが勝手に中国に帰ってしまったと言うではありませんか。なんやねん勝手に帰ったって。国際夜逃げやんけ。

 詳しい話を聞いたところ、入居者さんの友達を名乗る中国人から「○○くんは中国に帰りました。カギはポストに入れてあるそうです」という電話があり、現場に駆け付けてみると部屋はもぬけのカラ。原状回復工事の請求どころか、契約が残っている日数分の家賃もぶっちぎって帰国したようです。

泣き寝入りするしかない実情

 腹が立つので中国まで取り立てに行ってやろうかと思ったのですが、飛行機代で足が出るので早々に泣き寝入りを決め込みました。幸いにして残置物がまったくなかったので(大家は残置物を勝手に処分できないので夜逃げされるとダメージが大きい)、原状回復のコストや再募集までの期間もそれほどではなく、15万円程度のダメージで再募集をかけることができました。

 そして次に決まった入居者さんも中国人です。

 周りからは「入居者は選んだほうが」と言われたのですが、日本人でも夜逃げする人は夜逃げしますし、新大久保の住民として国籍で他人をああだこうだとは言いたくなかったので、前回同様に賃貸保証会社を通す条件で再び外国人もOKとしました。ところがまたまたトラブルが発生します。

大変です、壁に穴が開いています!

 新しく入居してくれた中国人は家賃の滞納もなく、大家としては大変ありがたい優良な入居者さんでした。そして3年ほど経ったある日、帰国するということで本人からの解約通知を受け取りました。

 もろもろの手続きは管理会社さんにお任せして、原状回復費用などの精算をして解約は完了。リフォームして次の入居者さんを募集しよう…と思ったところで事件です。管理会社のリフォーム担当者から「壁に穴が開いています!」という信じられない連絡が入ってきました。退去時の立ち会いではわからなかったようなのですが、なんと壁紙の後ろで壁がボロボロに崩れており、巾木や壁紙をはがすと穴が開いていたとのこと。

穴が開いた理由に仰天…

 破損部分は水を含んでいるそうで、ほじるとボロボロ壊れて穴が大きくなります。はじめは隣にあるユニットバスからの漏水が原因かと考えたのですが、給排水部分には異常ありません。また壁の天井側ではなく床側から崩れているので、「上階の漏水ではありません。何らかの原因で床から毎日のように湿気を吸い込んだのではないでしょうか」というわけのわからない見立てでした。

 Twitterで仲良くしている大家仲間に意見を求めても諸説紛々で、「蒸籠をおいて点心を毎日のように蒸していたのでは」とマジレスされる始末。結局、関西のベテラン大家さんが「全員ではないですが、中国人の入居者さんは床に水を撒いてモップで拭き掃除をするんですよ。本国の不動産は床がタイルですからね。私の物件では水拭きをしないよう入居前に注意しています」といった旨のことを教えてくれました。なるほどなあ…。

半年分以上の家賃がリフォーム費用で吹き飛んだ

 というわけで一応の原因はわかったのですが、退去立会いを済ませているので今から請求をするわけにもいきません。最終的に大家負担で壁を作り直すことになり、リフォーム費用のご請求は驚きの50万円。半年分以上の家賃が吹き飛んでしまいました。悪意ではなく生活習慣の違いなので怒る気にもなれず、ため息をつくほかありません。

 ワンルーム投資は堅実で、キャッシュアウトのリスクもそれほどないと思っていたのですが、現実ではちょっとしたことで数十万円が吹っ飛んでいきます。どんな投資でもそうですが、予備資金のない人はもっと堅実な商品を買ったほうがいいですね。

トラブルにめげず外国人OKで再度募集!

 また余談ですが、度重なるトラブルにもめげず、次も外国人OKで賃貸募集をかけました。私は色々な国籍の人が共存している新大久保の街が好きなので、自分の物件にも色々な国の人に住んでもらって、日本の生活を楽しんでもらいたいと思いますし、そもそも大家・管理会社・入居者さんがともに学んでいくことで、賃貸のトラブルも減らせると思っているからです。

 また新大久保に限らず、これからは日本全国で外国人の入居者さんが増えていくと思います。日本人に限る、といった考え方では経済的にも成り立たないと考えています。最近は外国人専門の賃貸保証会社があり、入居前のレクチャーでトラブルを未然に防いでくれたりもしているのですが、この話はまた別の機会に…。

トラブルまみれのワンルームの収支は…?

 そんなトラブルまみれの悲惨なワンルームですが、収支はそう悪くありません。購入してから8年間で600万円以上の家賃を稼ぎ出しており、本体価格も770万円から1600万円に値上がりしているため、これ一軒で1500万円近いプラスになっています。とはいえ値上がり分は売却時にガッポリ課税されますし、家賃が入っていると言っても管理費やリフォーム代もかかっているので、実際はそこまで大勝ちしているという感じでもありません。ぶっちゃけ、今の半値で買っていてもこれくらいの儲けなので、今からワンルーム投資をするのはおすすめしづらいです(例外はお金持ちが節税目的で買う場合でしょうか)。

 馬主として、馬のエサ代を稼ぐためには好立地で高利回りの物件を買わないといけないので、最近は戸建てを中心に探しています。ところが投資用の戸建てもかなり値上がりしていて、お買い得なものは市場から枯渇してきました。私もがんばって探しているのですが、買っているのはツタだらけの家や壁が崩壊しているような家です。

 一見すると「こんなところに借り手がつくの?」と思われるかもしれませんが、原状回復、必要に応じたリノベーションを行うことで賃貸はついており、10%〜16%で回っています。不動産投資に興味のある方、高利回りの投資をしたい方は、よければ一緒に家を探しに行きましょう。ただし、暗くて細くてゴールの見えない道です。あと、リフォーム代はたっぷり用意しておいてくださいね…。

(あらいちゅー)