東京五輪で金メダルを狙うU-22日本代表の攻撃陣は個性的で能力が高い選手が非常に多い。しかも海外組が多く、近年にはない豪華さだ。FWの前田大然はポルトガルリーグでプレーし、三好康児はベルギーで活躍。堂安律はオランダのPSVで、久保健策はスペインのマジョルカでプレーしている。安部裕葵はバルセロナBに移籍し、11月13日にはトップチームでのデビューを果たした。国内では上田が法政大から鹿島に入団し、13試合・4得点という結果を残した。もちろん大迫勇也をはじめオーバーエイジ枠に入って来る選手もいるかもしれない。みなが東京五輪を戦う代表の18個の椅子を虎視眈々と狙っている。

「日本での五輪ですし、大きな大会だから、みんないろいろ考えて動いている。みんなが海外に出ていくのは、自分にとって刺激にしかならない。自分も置いていかれないように結果を出すしかない」

 今回、海外組は誰も招集されていない。だからこそ、チャンスでもある。そのファーストチャンスを小川はまず活かした。

「エースは自分だというのを認めてもらえるように、これからも点をとりたい」小川曰く「点を取るとノれる」ということなので、この日の3ゴールで波に乗れるだろう。ただ、次の対戦相手である韓国は香港とは異なり、簡単な相手ではない。だからこそ決勝点のような価値あるゴールを決め、日本を優勝に導けば確実に序列を変えられる。ノッている小川がライバル争いをリードする展開に持っていけるだろうか。

 香港戦では満点解答を出した小川。年内最後の試験にして、優勝というタイトルもかかる韓国戦での解答はいかに――。

取材・文●佐藤俊(スポーツライター)

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