実在する組織なのか? 道路に設置されたカンバンにある「私道協会」の謎を追った!

500mの道に20個も設置される私道協会の看板
うちの仕事場の近くに、不思議な看板が立っている。内容は駐車禁止や通行禁止、行き止まり、猫にエサをやるな、など一般的なのだが、その下に書いてある文字がよくわからない。それが「私道協会」だ。
もちろん私道というのはわかる。国道や県道とは逆で、個人の土地となっている道路だ。その協会というか、組織というのがあるのだろうか? だがそんなものは聞いたことがない。

それにしても驚くのはその数。私道という割には妙に長くて500mぐらいあるし、真ん中を別の道路(こちらは私道か不明)がつら抜いていて、この道にもあちこちに私道協会の看板が立っている。500mぐらいの間に20個ほどはあるだろうか? ゴミを捨てるななどという以前に、看板自体が風景を汚しているような気がするのだが。
と、ネットの一部にも不思議がる散歩レポートがあるが、おもしろがるだけで誰も真相には触れていない。ということで、地元の利を活かして、土地の古老(ただの近所のじいちゃん)に聞いてみたところ、まずわかったのは看板がないところもほとんどが私道だということ。さらに所有者は不明になっている部分も多いが、考え方としては分譲宅地のなかにある、皆が使う道路と同じだということがわかった。

肝心の誰が看板を立てたかという点については、「マンションの管理会社ではないか」という。ただし、ひとつのマンションの前だけにあればわかるが、500mもの間に点在していて、複数の建物の前に設置されていたりするし、なかには壁に貼ってあるものもある。そうなると、管理会社が設置したというのも違う気がする。
私道協会は存在しない可能性が大
さらに調べを進めると、単純にゴミを捨てられたりするのがイヤで立てただけ、という証言も得られた。「私道かどうかは関係なくて、散らかされるのがイヤなだけ。その看板に効力というか、説得力をもたせるために私道協会といれた」というが、確かに普通にゴミ捨て場もあって、区の清掃車が収集に来たりするので、私道かどうかは微妙だ。
法律を調べてみると、不特定多数が往来できる私道の扱いは、公共の道と同じ扱いだという。たとえば、自動車雑誌の撮影でお馴染みの箱根ターンパイクも私道だし、この間F1が走り抜けた神宮外苑の銀杏並木の道も私道だ。だから公道を爆走というのは正確ではなく、私道を爆走が正しいし、国道や都道などに比べれば封鎖しやすいということもあるだろう。

しかし、ターンパイクでは警察による速度の取り締まりが行なわれるなど、事実上は公道と同じ扱いがされている部分もある。
結局、私道だけど公共の扱いを受けるがゆえ、後ろ盾を付与するために私道協会という言葉を使ったようだ。さらに法務局で所有区分などを調べてみるつもりだが、最後にこんな話を聞いた。「昔は看板になんとか協会とか付けたりしたんだよね、そうするとなんか偉そうじゃない。全国的かどうかはわからないけど、私道協会もそのひとつだと思うよ」。
とりあえずわかったのは、私道協会というのはなくて、後ろ盾として使われているということ。さらに、私道だけど公道という微妙な狭間で揺れ動いたからこそ、立てられたものであること。次は実際に立てた人物を探し出してみる予定だ。
