デジタル遺品をあなたはどうする? 残された家族に迷惑をかけないPC内の情報を伝える/削除できるツール

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大切な情報は、何でもパソコンに保存している。そうして大事な情報を安全で便利に利用する人は多くなった。

しかし、明日、突然、あなたが亡くなったら?
その大事な情報はどうなるだろうか?

・銀行の口座情報
・キャッシュカードの暗証番号
・オンラインバンキングのパスワード……等々。

残された家族に迷惑をかけないためにも、今回紹介するツールを活用して、万が一の備えをについて考えてみてはいかがだろうか。

●もしも、明日、死んだら……パソコンに保存してある情報は見せる? 見せない?

最近は「デジタル遺品」という言葉が注目されているようだ。
持ち主が亡くなると、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器も遺品となる。
「デジタル遺品」とは、
これらのデジタル機器に保存された情報、インターネット上の情報などを指す。

今後、さらに高齢化が進む日本では「デジタル遺品」取り扱い方が深刻な社会問題になりかねない。

特にパソコンには、重要かつプライベートな情報が保存されていることが多い。
・銀行口座
・オンラインバンク/オンライン証券のアカウントなどの情報
・キャッシュカードの暗証番号
・デジカメやスマートフォンで撮影したプライベートな画像……等々。

もしも、あなたが何の準備もしないまま、突然、死んでしまったら、残された家族は、こうした情報にアクセスできなくなってしまう。最低限、パソコンにログインするIDとパスワードくらいは、何らかの方法で残しておかないと、残された者が途方に暮れる可能性が極めて高い。

ただし、パソコンには、たとえ家族であっても、見られたくない情報も保存されている場合がある。

こういった情報は、たとえ死んだとしても見られたくない。
見せるべきか、見せないべきか……。

実は最近、こうしたニーズを反映したソフトが登場している。
今回は、無料で使える2つのソフトを紹介しよう。


●残される人に伝える情報を整理するデジタルエンディングノート「編みノート」
「編みノート」は、遺品整理などのビジネスを展開しているマレリークという会社が無料公開しているWindows用のデジタルエンディングノートだ。

「編みノート」は、
一定期間、パソコンを立ち上げないと自動的に起動して、あらかじめ登録しておいた情報を表示したり、削除したりしてくれる。
インストール後、起動すると、次のような画面が表示される。


[設定]タブで起動のタイミングやパスワード、自動的に削除するファイルなどを設定する。


「編みノート」の起動方法は[設定]タブで設定する。
いちばん上では、何日間、パソコンを立ち上げなかったら「編みノート」を起動するかを指定する。
たとえば「7」を指定すれば、7日間電源を入れずにパソコンを放置すると、
次の起動時に「編みノート」が立ち上がり、ファイルの表示や削除などが実行される。

[自動的に開くファイル]では、
他人が「編みノート」を起動したときに、自動的に開くファイルを指定することができる。たとえば、残された人に伝えたいことをWordで書いて、そのWordファイルを指定しておけば、Wordが自動的に起動してファイルの内容が表示される。

[自動的に削除されるファイル]は、
見られたくないファイルを指定する。
他人が「編みノート」を起動すると、指定したファイルは自動的に削除される。

パスワードは、自分が編集するために必要だ。
たとえば、長期の出張などで設定した期間パソコンを放置した場合、「編みノート」が起動してしまう。
その際は、起動画面の左下に表示される歯車アイコンをクリックし、登録したパスワードを入力すれば、ファイルの自動実行や自動削除をパスできる。

[設定]タブを設定したら、あとは[個人情報][有価証券と不動産]などのタブで、残された人たちに伝えたい情報を入力する。万が一の場合は、入力した情報が、残された人たちの助けになるだろう。

なお、「編みノート」には、Windowsのログインを代替する機能はないようだ。
このため、Windowsにログインに必要なIDとパスワードは、別の方法で家族等に知らせる工夫が必要になるだろう(後述の「終活ソフト」もおすすめだ)。


[個人情報]や[有価証券と不動産]などのタブで必要な情報を入力する。



指定した期間がたつと、パソコン起動時にこのような画面が表示される。[開く]をクリックすると「編みノート」が起動して情報が表示されるとともに、ファイルの削除などが実行される。本人の場合は、左下にマウスポインタを合わせ、歯車のアイコンをクリックする。



歯車アイコンをクリックすると、この画面になる。パスワードを入力するとファイルの自動起動や削除は行われず、Windowsが通常どおり起動して「編みノート」を編集できる。



●一定期間たつとWindowsのパスワードを開示してくれる「終活ソフト」
「終活ソフト」は、一定期間、Windowsのログインがないと、ログイン画面にパスワードを表示してくれるソフトだ。
このため、万が一の場合、残された家族がパソコンにまったくアクセスできないという最悪の事態を回避できる。

また、あらかじめ指定したフォルダを1つだけ自動的に削除することもできる。
見られたくないファイルがある場合は、特定のフォルダに集めておき、そのフォルダを指定しておけばよいだろう。

インストールするには、解凍でできたファイルの「SyukatsuSoft.exe」を右クリックし、[管理者として実行]を選択する。すると、次のような設定画面が表示される。


終活ソフトの設定画面


・パスワード開示までの日数
・削除するフォルダ
・Windowsのログインパスワード
などを入力して[インストール]をクリックすればインストールできる。
なお、4桁の暗証番号を入力し、あらかじめ家族などに伝えておけば、その暗証番号を知っている人だけが、Windowsのログインパスワードを確認できるようになる。
また、インストール後は、[動作テスト]ボタンで実際の動作をテストすることも可能だ。

「終活ソフト」が有効になると、
指定した日数のログインがないと、ログイン画面の左上に次のようにWindowsのパスワードが表示されるようになる。
なお、4桁の暗証番号を設定した場合は、この前に暗証番号の入力を求められる。



指定した期間が過ぎると、ログイン画面の左上にWindowsログイン用のパスワードが表示されるので、残された人は、この情報を使ってログインできる。


なお、起動後は、プログラムファイルと同じフォルダにある「EndingMsg.txt」が自動的に開く。したがって、このファイルに伝えたい口座番号やパスワードなどの情報を入力しておくとよいだろう。


●ログインパスワードを伝えるなら「終活ソフト」、必要なければ「編みノート」
自宅の安全な場所でパソコンを利用していて、Windowsのログインパスワードをあらかじめ伝えておいても問題ないなら、「編みノート」が使いやすそうだ。
いろいろな情報をタブに分けて入力できるので、生前の情報整理としても便利だろう。

ただし、ログインパスワードを家族にも教えたくないのであれば、「終活ソフト」になる。あるいは、ログインパスワードは「終活ソフト」、そのほかの情報は「編みノート」と組み合わせるのもありかもしれない。

いずれにしても、何も準備していないと、万が一のとき困るのは残された家族や親しい人たちだ。

必ずしも、こうしたソフトに頼る必要はないが、ソフトを試すことが万が一のことを考えるきっかけになるなら、それだけでも価値はあるだろう。

編みノート
終活ソフト


井上健語(フリーランスライター)