Apple Payが便利すぎて旅人向けのスマホはiPhoneがベスト:旅人目線のデジタルレポ 中山智
旅人ITライターの中山です。取材ではありますが10月は台北とロンドンへ行ってきました。そこで感じたのは、「旅行用のスマートフォンはiPhoneが便利だな」ということです。具体的には「Apple Pay便利すぎ」という体験です。この連載では以前にも「Apple Payに上海交通カードを登録してSuicaみたいに使えるか試してみた」という記事を書いています。このときは上海交通カードを登録しただけなので、基本的には上海の地下鉄で使える程度でした。

▲上海でApple Payでの交通カードは以前試してみた

ですが今回の台北やロンドンでの体験は、地下鉄やバスに乗れるだけではなく、実際の店舗での支払いに使えるといったもの。つまり財布を取り出さなくても、iPhoneをかざすだけで支払いできたわけです。

たとえば台北では、セブン-イレブンなど大手コンビニでApple Payが利用可能。支払時に「Apple Pay」と伝えれば、iPhoneをリーダーにかざして支払い可能です。ちなみに6月に行った時点でも対応していましたが、まだ認知されていないようで店頭で断れることもありました。しかし、10月の段階ではどの店舗でもスムーズに対応してもらえました。


▲Apple Payには直近の支払い状況が表示され、台北で使ったことがわかる

ただし台北のコンビニでは持ち帰り用のビニール袋は有料で、これに関しては現金のみの対応となっています。エコバックなどを用意するか、別途現金を用意しておきましょう。

ロンドンはさらにApple Payの利用できるシーンが多くあります。たとえばロンドンの玄関口となるヒースロー空港には、現地のプリペイドSIMカードを扱っている自動販売機がありますが、これもApple Pay対応です。


▲ロンドン・ヒースロー空港でSIM自販機での支払いにApple Pay

そのほか街中のスーパーマーケットやデパート、飲食店など多くの店舗がApple Payに対応しており、やはり「Apple Payで」と伝えれば、iPhoneをかざしてサクッと支払えます。ちなみにロンドンではカードの支払いが買い物は「5ポンド以上」や食事なら「2人以上」といった制限のある店が多く、少額の場合はApple Payも含めてキャッシュレスで支払いができないケースもあるので注意。やはりある程度は現金を持っておいたほうが安心です。


▲欧州ではマクドナルドのオーダーは機械式が定番


▲その支払いにもApple Payマークがある

加えてロンドンでは、地下鉄やバスもApple Payで乗れます。ロンドンではオイスターカードという交通系カードがありますが、それをわざわざ購入しなくても、iPhoneをかざすだけで利用できるわけです。もちろんオイスターカードでの運用と同じで、上限キャップがあるので、金額を気にせず使えます。


▲ロンドンの地下鉄改札


▲Apple Payでタッチして入れる

ここまで「Apple Pay」でと説明してきましたが、厳密に言うと「Apple Payに登録したMasterカードで、Mastercardコンタクトレスでの支払い」をしています。Apple Payでは「JCBコンタクトレス」や「American Expressコンタクトレス」など、いくつかの非接触サービスが利用できますが、Mastercardコンタクトレスもそのひとつ。しかもMastercardコンタクトレスは利用できる国や店舗が多いので、台北やロンドンでも使えたわけです。

Apple Payに登録した自分のクレジットカードが、Mastercardコンタクトレスとして使えるかどうかは、自分が契約しているクレジットカード会社で確認しておきましょう。対応していれば、Walletに登録したMastercardがApple Payとして使えます(訂正:初出時、Mastercardコンタクトレスの対応カードについて間違った記載がありました。お詫びして訂正いたします)。



別に支払いなんて現金やクレジットカードでじゅうぶんという声もあると思います。ですが海外は日本ほど治安が良くないので、人目のあるところであまり財布を取り出したくはありません。財布を盗まれるとかなりめんどうですが、iPhoneは盗まれてもApple PayはFace IDなどで第三者は支払いができませんし(Suicaは別ですが)、リモートで初期化してしまうこともできます。財布には最低限必要な現金とカードだけにしてカバンにしっかりしまっておき、普段の支払いはiPhoneでのApple Payでというのが安全で安心というわけです。

iPhoneだけでなくAndroidも持ち歩いている自分としては、Google Payも同じように対応してくれると便利なので、Googleの動きにも期待したいところです。