公募受付開始! 特許庁、ベンチャーの知財戦略を支援

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 特許庁は、創業間もないベンチャーに対する知的財産戦略の支援事業を夏に始める。10社程度に対し知財の専門チームを派遣する事業を試験的に実施し、2019年度には20社程度に倍増する考え。知財戦略の有無は大企業との提携交渉や新規株式公開(IPO)時に重要な判断材料となる。戦略が不十分なベンチャーに対して戦略構築を網羅的に支援する。

 月内に事務局となる受託事業者を選び、7月にもベンチャーを公募する。受託事業者はベンチャーの業容や成長ステージに応じて起業家や弁理士などの専門チームをつくり派遣する。派遣する業種はIT、モノづくり、医薬・バイオ・新素材の3分野。今後、イベントなどを開いて事業を周知する。

 企業の規模や業種を越えたオープンイノベーションが重要視される中、先端技術を持つベンチャーの役割は大きい。ただ創業間もないベンチャーが十分な知財戦略を構築せずに成長した場合、競合他社による模倣や技術流出により事業撤退に追い込まれる恐れがある。

 まず10社程度に派遣事業を試行して戦略構築を支援し、18年度の結果を踏まえて事業を拡大していく。知財戦略に意欲的なベンチャーには専門チームを派遣する一方、戦略に疎いベンチャーには活用事例集などの情報を発信して関心を喚起する。この二つの政策を積極的に展開しベンチャーへの知財戦略支援を拡大する。

 特許庁はベンチャーへの「スーパー早期審査制度」の要件を緩和したり、18年度から知財功労賞の中にベンチャーを表彰する枠を設けたりするなど、ベンチャーの知財活用を積極的に支援している。