左から高校時代の大村 涼兼投手、岡本 拓也投手

 滋賀県の県立高校ながら春3回、夏3回の甲子園出場を果たし、県内の大会でも安定した強さを発揮している北大津高校。今回はそんな北大津について紹介していきたい。

宮崎監督の就任から20年で全国レベルの強豪へ

 1984年、琵琶湖からほど近い大津市に北大津高校が設立された。野球部の創設当初は現在のような強豪校とは程遠かった。転機が訪れたのは1994年。現在の監督である宮崎 裕也氏が野球部の監督を引き受け、熱血指導のもと県内で頭角を現していった。

  しかし、県内では順当に勝ち進むもののなかなか決勝戦で勝てず、甲子園に出場することができない日々が続いた。そこで宮崎氏は選手主導で考えさせ、監督自身も勝負や駆け引きを楽しみながら指導していくという方針に変えていった。

  そして2004年夏の大会でようやく甲子園に出場を果たし、ダルビッシュ 有(テキサス・レンジャーズ)擁する東北高校に敗れたが、2006年選抜では、旭川実に2対1で勝利し、甲子園初勝利。2008年の選抜では、いきなり東北と対戦したが、3対2で破り、2回戦では土屋 健二(元横浜DeNAベイスターズ)など多くの好選手を揃え、優勝候補として注目された横浜高校と対戦。前評判では横浜が有利だったが、試合は石川 駿(中日ドラゴンズ)が大会600号ホームランを放つなど6得点を挙げて、エースの土屋を攻略。投げてはエース・河合 勇志投手(ツネイシ)が強打の横浜打線に対し2失点完投勝利を挙げ、見事に横浜を撃破した。

 その後、2010年夏に3回戦まで進出し、2012年の夏にも出場を果たし、滋賀を代表する強豪校として安定した戦いを見せている。昨年の秋の大会では近江兄弟社高校に勝利し滋賀県大会を制し、選抜を狙った近畿大会では報徳学園に延長戦の末、惜敗してしまったが(試合レポート)、昨秋の滋賀を制したチームだけに今後も期待が高まる。2012年から遠ざかっている甲子園進出に向かう北大津高校に注目だ。

[page_break:近年の卒業生]近年の卒業生

 過去10年でプロ入りした選手は2名。卒業生は関西地区の大学・社会人に進んで活躍する選手が多い。今年の卒業生たちの進路にも注目だ。

■2005年卒・中西 健太(元福岡ソフトバンクホークス)

■2009年卒・石川 駿(明治大−JX-ENEOS-中日ドラゴンズ)・河合 勇志(ツネイシ)・金田 忠大(中京大−ミキハウスREDS)

■2011年卒・横江 巧真(関西国際大)・小谷 太郎(近畿大−矢場とんBOOSTARS)

■2012年卒・岡本 拓也(九州共立大)・村井 昇汰(九州共立大)

■2013年卒・則本 佳樹(近畿大)

■2015年卒・松川 健太(大阪産業大)・白井 拳斗(大阪産業大)・大村 涼兼(佛教大)

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