湖北省武漢市で11月、武漢紡績大学の女子学生が殺害される事件があり、「学生の遺体から腎臓が切り取られていた」という噂(うわさ)が流れた。大学の宣伝部は「腎臓を切り取られた」という情報はまったくのデマであると訴えたが、香港メディアは事件について事実であると反論した。中国メディアの騰訊網が4日に報じた。

 この事件に対し、インターネット上ではさまざまな情報が飛び交っている。あるネットユーザーは違う場所でも同じような「腎臓を切り取られる」事件が起きていると指摘。「ある女性が仕事から帰って来ないので家族が探しに行ったところ、内臓が空っぽの遺体が見つかった。遺体の状態から見て専門家の仕業と見られている」と記し、また「もう1人の女性も仕事帰りに失踪したが、いまだ見つかっておらず、地元警察の規制によってメディアでは報道されていないが、わたしたち地元の人はみな、この2つの事件を知っている」と暴露した。

 今回の事件はその残虐さゆえに、ネットユーザーは「犯人を厳罰に処すように」と呼びかけている。あるユーザーは「お金のために人間性を失ってしまうような人は法律によって厳しく裁く必要がある。殺人は命をもって償うべきだ」と述べた。

 記事によると、武漢警察は「確かに女子学生は殺害されたが、容疑者はすでに拘束され、3件の殺人事件との関係を調査中だ。しかし、今回の被害者とネット上の腎臓切り取り事件との関係性はなく、警察も関連する届出は一切受け取っていない」と述べた。

 一方、香港メディアの鳳凰網は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で「腎臓切り取り事件」が事実であることを発表。鳳凰網のあるネットユーザーは、「もしも事件が本当ならば、当局は『家族の知る権利』を、そして『人命は非常に大切』という重要な事実を奪い去っていることになる。警察や学校側の明確な汚職であり、行政訴訟法を利用して関係機関に訴えるならば、賠償を請求できるだろう」と報じている。(編集担当:及川源十郎)