先週はクリフ・リー投手が、多額の年俸を提示して激しい争奪戦を演じていたヤンキースとレンジャーズを蹴って、フィラデルフィア・フィリーズと契約して球界をあっといわせたが、リーほどではないにしても移籍先の戦力アップにつながる動きがいくつかあった。

 アメリカ大陸の反対側に位置する2球団が、それぞれ勝負強い打者を獲得した。アスレチックスと契約した松井秀喜と、ヤンキースと契約したラッセル・マーティン捕手だと12月19日付でESPNが伝えた。

 勝負強さを計る統計はいくつかあるが、どれも松井のDHとしての数字はとてもよい。エライアスによると「試合終盤のプレッシャーがかかる場面」での松井の打率は.335で、ランキング1位。ベースボール・リファレンスによる「終盤、僅差の場面」での打率は.317で6位。出塁率プラス長打率.955は5位だ。

 ヤンキースに移籍したマーティンの場合、勝負強さという点では見劣りするかもしれないが、勝敗を決する場面での打率は全選手中12位、出塁率は8位と上位に位置している。この数字を維持することができれば、やはり勝利打点のかかる場面で活躍してきた松井同様、ニューヨークのファンのあいだで人気となるだろう。