15日に行なわれたリーグ・アン第2節で、前年の覇者ボルドーがソショーを3―2で下した。移籍問題がいまだ解決に至らないFWマルアン・シャマク(25)は2試合連続で得点をあげた。この日は2ゴール。ともに得意のヘディングによる得点だった。

 昨シーズン終盤から憧れのプレミアリーグでプレーしたいとクラブに申し入れていたシャマク。アーセナルが700万〜900万ユーロ(約9億4000万〜12億1000万円)のオファーを提示したものの、ボルドーの要求額と大きな開きがあり、交渉は打ち切られた。

 アーセナルのヴェンゲル監督は、シャマクのボルドーとの契約があと1年であることを考慮し、大金をはたいてこの夏の獲得にこだわる必要はないと考えたようだ。アデバヨルの穴は現有戦力で補えるとの発言が“駆け引き”でなかったことは、エバートンに6―1で大勝した開幕戦で裏付けられた。

 半年もすればクラブを介さず直接本人と交渉できる、とするヴェンゲル監督の読みは的を得ている。レキップ紙によると、その後ボルドーが受けたオファーはウェストハムからの600万ユーロ。すでに最大の売り時を逃してしまったことがわかる。

 開幕2試合で、シャマクが連覇をめざすボルドーにとって不可欠な戦力であることがよりいっそう明らかになった。クラブとすれば、契約を延長し、シーズン終了後にあらためて高く売りたいところ。ただし15日の試合後に行なわれたカナル・プリュス局のインタビューを聞くと、シャマク本人も今夏の移籍をあきらめつつあるようすだが、契約更新には応じない構えだ。

 移籍問題に揺れながら2試合で3得点をあげたシャマクのプロ根性にも評価は高まる。8月末までに移籍先が決まらず、シャマクがこのままの調子で活躍すれば、冬の移籍市場の目玉になるのは間違いない。