狼の群れに襲われた可能性が高いセリア・ホリングワースさん(62歳)(画像は『New York Post 2017年9月25日付「Retired professor killed by pack of stray dogs in Greece」(SWNS.com)』のスクリーンショット)

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今月21日、ギリシャ北部トルコ国境近くにある古代遺跡・メシムヴリア(Mesimvria)を訪れていたイギリス人セリア・ホリングワースさん(62歳)が、野生動物に噛み殺されて死亡する事件が起こった。セリアさんは観光後、滞在していたマロネイアのゲストハウスに歩いて戻る途中だったとみられている。『The Independent』など複数のメディアが伝えている。

事件が発覚したのは21日、ギリシャを訪れていたセリアさんが英ロンドンに住む親戚に緊急電話をかけたことだった。

「野良犬数匹に襲われている。なんとか助けを呼んでほしい。」

驚いたセリアさんの弟はアテネの英国大使館に救助を要請し、ギリシャ当局が捜査を開始したが、その後セリアさんからの連絡は途絶えてしまった。『The Sun』によるとセリアさんが最後に目撃されたのは21日午後4時半頃で、遺跡近くのPetrotaビーチを歩いていたようだ。遺跡周辺では地元警察や消防隊による大掛かりな捜索が行われたものの、セリアさんの遺体が発見されたのは通報から2日後の23日午前10時45分頃だった。

捜査を担当した巡査長は「遺体の一部は遺跡から3〜4キロ離れた場所で見つかりました。それは無残に引きちぎられた酷い状態で、経験豊富な科学捜査班のクルーでさえも眉をひそめるほどでした」と述べている。現場には靴や衣類が散乱しており、セリアさんの鞄やパスポート、携帯電話も押収された。その後遺体はコモティニの病院に運ばれ、病理医や専門家による詳しい死因の調査が行われていた。

セリアさんが歩いていたとみられる辺りは農園が広がっており、警察は当初、ハイキングの途中で番犬や野良犬に襲われた可能性が高いとみて捜査を進めていた。しかし遺体発見から4日後の27日、検視官のニコラス・キフニディスさん(Nikolas Kifnidis)は「犬というよりも狼やジャッカルに襲われ、食べられてしまったのではないかとみています。あの付近には森や山がありますが、狼などの群れが人間を襲うという話はここ数十年聞いたことがありません。これは非常に特殊なケースでしょう。今後、獣医も含めてさらなる調査を行う予定です」と述べ、遺体から肉食動物の毛が発見されたことを明らかにした。

ウィルトシャー州ブラッドフォード・オン・エイヴォン出身のセリアさんは、大学で教鞭をとっていたがすでに引退しており、近年はギリシャに住むシリア難民救済のためのチャリティー活動にいそしんでいた。文化と人に魅せられ、ギリシャを度々訪れており、このたびの事件に関係者は大きなショックを受けている。

今年6月には、狼や熊が棲息しているロシアのウラル山脈の麓で、キャンプ中に行方不明になった4歳男児が4日半後に無事救出されている。木の実や草を食べ、水たまりの水を飲んで飢えを凌いでいたという。

画像は『New York Post 2017年9月25日付「Retired professor killed by pack of stray dogs in Greece」(SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)