モンスターに対して善戦を果たした挑戦者第7ラウンド9秒、TJ・ドヘニーは左のグローブを井上尚弥に翳し「待った」というようなジェスチャーをした。その刹那、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーバンタム級チャンピオンは両ガードを下げ、手を止める。レフェリーが挑戦者に近寄っていったおよそ2秒間に、チャンピオンが数発のパンチを振るっていれば、ドヘニーはキャンバスに沈んでいた筈だ。挑戦者が膝を着いて棄権を告げる直前、井上は敢え