ライバルは新型MacBook?Xperia Z4 Tabletは軽量薄型ノートパソコンにもなるタブレットの完成形

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ソニー・モバイルは3月にスマホとタブレットの新製品を2機種発表した。残念ながら期待されていたハイスペックスマホ『Xperia Z4』は見送りとなった。しかしその代わりに大きな話題を呼んでいるのが10インチタブレットの『Xperia Z4 Tablet』だ。本製品はソニー製品ならではの魅力が詰まっているだけではなく、ソニーが事業を手放したVAIOのノートパソコンのように使うこともできるのだ。

Xperia Z4 Tabletの最大の特徴はこのクラスで世界最軽量を実現したこと。前モデルの『Xperia Z2 Tablet』は439gグラムだったが、Z4 TabletはWi-Fiモデルが392グラム、LTEモデルが396グラムとさらに軽量化された。あえて「400グラム」という、キリのいい数字を切る軽さの実現はいかにもソニーらしい”こだわり"だ。

ディスプレイ解像度は従来製品から倍増した2560x1600ピクセル、メモリ容量も増えCPU速度も高まった。薄くて軽いだけではなくハイスペックである点もXperia Z4 Tabletの大きな特徴なのだ。また今までのモデル同様、Xperiaスマホの画面をタブレット内にそのまま表示できる。スマホとタブレットをワイヤレスで自在に連携できるこの機能は、スマホユーザーに大変便利な機能だろう。例えばカバンの中にスマホを入れたままでも、タブレットで映画を観ている最中にスマホ画面に切り替えてソーシャルサービスのタイムラインを見る、なんてこともできるのだ。


Xperiaスマホを持っている人はXperia Z4 Tabletを買えば連携も自在だ


とはいえ今やタブレットは多数のメーカーが手掛けており、軽さや機能を求めなければ1万円台で買える製品も多い。そこでソニーは他社との差別化を図るため純正のキーボードを用意した。このキーボードはXperia Z4 Tablet本体とはマグネットでしっかりと接続されるので、本体を持ってもキーボードが簡単にはずれてしまうことはない。

しかもキーボードをドッキングさせると専用のメニューも表示される。キーボードに取り付けたタブレット本体はチルト機構により0度から130度まで自由な位置に固定することが可能だ。
つまり、このキーボードを取り付けると、まるでノートパソコンのようにXperia Z4 Tabletを使うことができるのである。
キーボードには大型のタッチパッドが備えられており、キーボードをドッキングしたその姿はソニーが売却したパソコン事業「VAIO」のノートパソコンのようにも見える。Xperia Z4 Tabletとキーボードのセットを、VAIO代わりに導入する企業も増えるかもしれない。


無線マウスを組み合わせればノートパソコンそのものだ


キーボードの重量は383グラム。Wi-Fi版本体と合わせると775グラムとなる。先日発表されたばかりのアップルの新型ノートパソコン「MacBook」の重量が920グラムだからそれよりも軽い。
もちろんMacBookはフルスペックのパソコンであるし画面サイズも12インチと大きく高性能だ。だがいつでもどこへでも持ち運べ、キーボードで快適な入力ができるという点では両者は同じ方向を向いた製品ともいえる。ソニーファンだけではなく、キーボードが使えるタブレットとして、MacBookではなくXperia Z4 Tabletを選ぶのも悪くはないだろう。

最近は、スマホの大画面化が進んだことで、タブレットを買わずにスマホで動画や電子書籍を楽しむ人も増えている。だが仕事でビジネス文章を作成したり、資料を作ったりするとき、あるいは学校のレポートを書くときなどはしっかりとしたキーボードと大きい画面を備えたノートパソコンのほうが作業効率は格段に高まる。
しかし、Xperia Z4 Tablet+キーボードなら、ノートパソコンよりも軽量で、ノートパソコンに迫る機能まで搭載している。さらにはスマホ画面を表示するなど、スマホと連携できる点はノートパソコンにはない大きなメリットだ。
様々な用途に使える欲張り機能満載のXperia Z4 Tabletは、早くも今年、もっとも注目されるタブレットになりそうだ。


山根康宏