ヤンキース・田中将大【写真:田口有史】

負傷前の投球を取り戻したエース

 ヤンキース田中将大投手が21日(日本時間22日)のブルージェイズ戦で右肘靭帯部分断裂のリハビリを乗り越え、75日ぶりにメジャーのマウンドに上がった。本拠地で5回1/3を5安打1失点4奪三振無四球と好投し、7月3日のツインズ以来となる13勝目(4敗)をマーク。その復活のピッチングを地元紙も大絶賛している。

 ニューヨーク・デイリーニューズ紙は「マサヒロ タナカがヤンキース復帰戦でスターの輝き」との見出しで速報している。

「ここ数か月で最も待望久しい先発投手だった。そして、マサヒロ タナカはこの見せ場を逃さなかった。彼は右肘靭帯部分断裂と診断された7月、サイ・ヤング賞候補の議論の対象で、エースだった。メディカルのアドバイスにより、手術を回避し、安静後、PRP皮膚再生療法を行い、ピッチング練習を再開した。75日間の故障者リストを経て、復帰したが、これは正しい選択だったようだ」

 記事では復帰まで1年から1年半を要する肘の靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を回避して保存治療を選択したヤンキースの判断と、田中の復帰登板を高く評価している。

 また、地元紙ニューズデイは「マサヒロ タナカが復帰戦でブルージェイズを破る」との見出しで速報。「マサヒロ タナカは序盤にヒットを打たれたが、5回1/3の間、ほぼ怪我する前の姿を見せた」とし、リーグMVP候補にも挙げられたオールスター前までの投球が復活した様子を伝えている。

マウンドを降りる際は観客もスタンディングオベーション

 特集では試合前のジョー・ジラルディ監督のコメントも紹介。「タナカが(負傷から)前に進んでくれることを見届けることが、彼にも我々の球団にとって重要なこと。今日、もしも、いいピッチングを見せてくれて、(その後)問題がなければ、もう1度先発してもらう。そこで問題がなければ、気持ちよく前に進める。トミー・ジョン手術は1年がかりの大手術だが、それはまずないだろう」と語っていたという。

 田中は試合前に指揮官が決めた70球をきっちりと投げた。ストライクは48球と抜群の制球力も健在。記事では3ボールとカウントを不利にした打席がわずかに1度だったことにも触れている。

 ESPNは田中について「英雄のような復活」と小見出しで速報。「タナカはマウンドを降りる際、大観衆からスタンディングオベーションを受けた。ダグアウトに戻る際、珍しいことだが、キャップに手をかけ、観衆に応えた」と報じている。

 ヤンキースはすでにプレーオフ進出が絶望的な状況になっているが、田中が手術なしで復帰できるかどうかは来季の戦いにも大きく影響すると見られていた。周囲の不安を吹き飛ばすような田中の復帰登板を、現地メディアもこぞって報じている。