食事中のスマホ利用はマナー違反？実はマナー以外に衛生や生活面でも危険が一杯ある
●ところ変わればマナーも変わる、どれが正しいマナーなのか
食事をする際、特に誰か、他人と一緒に会食する場合に気になるのがマナーだ。ナイフとフォークは外側から、くちゃくちゃ食べながら音を立てない、口に物が入った状態でしゃべらないなど、食事でのマナーにはいろいろな作法がある。
それは、元々マナーは国や地域によってルールが異なっているからだ。たとえば、日本での食事ではお茶碗を手に持って食べるのがマナーだが、韓国では茶碗は手にもたずテーブルに置いたまま食べるのがマナーだ。アジアの中の隣国である国でも、これだけ違うこともある。
結局マナーで最も大事なことは、「他人に不快感を持たせない」ということで、これがシンプルだがマナーのもっとも大切な原則なのだろう。
●では、食事中のスマホはマナー違反なのか？
さて、それでは食事中のスマホ利用はどうだろう？
たとえば、席に着いてすぐにスマホを取り出し、会話にも生返事。さすがに、これは明らかに相手に失礼な態度でマナー違反とわかる。
では相手も同じようにスマホをいじっていたら？ お互いがスマホを使用していれば、問題ないのだろうか？ 相手もスマホを使っているのだから、相手の迷惑にはなってないから、マナー違反にはならない？
ところがどっこい、外食時のお店の中は、自分たちだけが食事をしているわけではない。カウンター席の横の人や、隣のテーブル席の人が食事をしている。こうした人たちが、同じ店内で食事中にスマホをいじくっていたり、写真などを撮っていたりする人を見て不快に思うかも知れない。食事中のスマホ利用を不快に思う人たちにとってレストランやカフェは、ただ料理を食べるだけの場所でなく、料理を食べる行為も含めて楽しむ場でもあるからだ。
そうなると、やっぱりそれもマナー違反と見られてしまうのではないだろうか。
将来的にレストランなどの店内でスマホを使うことが「当たり前の風景」になり、マナー違反ではないという時代が来るかもしれないが、少なくとも、今は、まだ全ての人が食事中のスマホ利用を容認している時代ではないことは確かだろう。
●食事中のスマホは、マナー以外にも危険な行為？
歩きスマホと違って、食事中のスマホ利用はマナーの問題ではあるが、危険が伴うものではないのだから、そう目くじらをたてなくても、という意見もある。
確かに食事中のスマホ利用は、歩きスマホのように事故などで命を落としたり、大きな怪我をしたりといったわかりやすい危険性はなさそうにみえる。しかし、歩きスマホとは違う危険は潜んでいる。
・スマホ依存症まっしぐら？
スマホ依存症の目安に、食事中にもスマホを見ているというのがある。食事中でも常にスマホを見るのが当たり前になってしまったら、もうこれは立派なスマホ依存症の仲間入りだ。
・子供の発育や教育にも問題あり？
子供のおしゃべりに影響するのは親子の会話だと言われている。まだよくしゃべらないからとスマホをいじり、声かけをやめてしまうと、問題が出てくる可能性もある。おしゃべりだけでなく、子供とのつきあいを断ってしまうことで、発育や教育、躾など、子どもが本来身につけなければいけない行動や躾にも影響が出てくるかもしれない。
・彼女・彼氏にふられる？
マッシュメディアが運営する「iPhone女子」の調査によると、女性の66.7％が食事デート中のスマホ利用に不快感を示しているそうだ。ついうっかりスマホを取り出すことで、せっかくできた彼女にふられてしまうかもしれない。もちろん数値的には女性よりも少ないが、男性だって相手の女性のスマホ利用に不快感を持っている。つまり、逆もありえるわけだ。
・犬食いになる？
スマホを片手に持ちつつ食事をするので、必然的にお皿に顔を近づけて食べる「犬食い」が無意識の内に習慣化する。それこそお茶碗を持つ手がふさがっているのだから当たり前だ。「犬食い」は、正式なテーブルマナーでも立派なマナー違反である。
・料理がテーブルにおけない？
食事中にスマホを使う場合、テーブルの上にスマホを置いている人が多い。店の給仕が料理を運んできても、料理を置く十分な場所がなくなり困ったことに。あげくに料理をあっちに移動、こっちに移動して落としたり、こぼしたりしてしまうなんてことも。お客様だから口にはださないが、店側も迷惑しているのかもしれない。
・食前の手洗いの意味がない！スマホには雑菌がいっぱいで不衛生?
いつでも、どこにでも持ち歩いて使っているのがスマホ。今やトイレの中にもスマホを持ち込んで使っている人もいる。そんなスマホ本体がきれいだと言えるのだろうか？
メディアなどでもスマホの表面には雑菌が多いと指摘されていることもある。
通常、食事の前には手を洗ったり、おしぼりなどで手をふいたりしてキレイにしてから食事をする。しかし、いくら手をキレイにしても、そのあと雑菌まみれのスマホをいじっていたのでは、まったく意味が無い。
こう見てくると食事中のスマホ利用は、すぐに生命に関わるような危険はないが、やはり問題がないとは、とても言えそうもない。
他人を不快にする可能性があるが、自分自身の生活にとっても、やはり決して褒められた行為ではないと言えるだろう。
・「iPhone女子」の調査結果
