ゴルフGTIの究極形態、無限軌道付きSUVに世界一高価なハイパーカー? たった1台しか作られなかった奇抜なクルマ 33選(後編)
ランボルギーニ・エゴイスタ(2013年)
ランボルギーニは創立50周年を記念し、非常に破天荒なスタイリングのモデルを生み出した。エゴイスタ(イタリア語で「利己的」の意)は、600psの5.2L V10エンジンを搭載したシングルシーターであり、その内外装デザインの多くは航空機から着想を得ている。そのため、キャビンはカーボンファイバーとアルミニウムに覆われた、まるで戦闘機のコックピットのような仕上がりとなっている。ただし、エゴイスタは裕福なコレクター向けの車両ではなく、ランボルギーニの博物館のために製作されたものだ。
【画像】クラシックカーに着想を得た世界に1台だけのオートクチュール【ロールス・ロイス・スウェプテイルを詳しく見る】 全12枚

ランボルギーニ・エゴイスタ(2013年)
フォルクスワーゲン・ゴルフ・デザイン・ビジョンGTi(2013年)
2013年にオーストリアのヴェルターゼー湖で開催されたGTiフェスティバルで、フォルクスワーゲンはデザイン・ビジョンGTiと呼ばれる最高出力500psのゴルフを披露した。通常の量産型GTiより全長が15mm短いものの、全高は57mm低く、全幅はなんと71mmも広い。
セラミックブレーキと専用デザインの20インチアルミホイールを装備し、スタイリングは威圧感を醸し出すべく最大限に強調されている。もちろん、このデザイン・ビジョンGTiは「狼の皮を被った羊」などではない。フロントにはターボチャージャー付き3.0LV6 TSIエンジンが搭載され、わずか2000rpmから最大57kg-mという驚異的なトルクを発生させるのだ。DSGトランスミッションと四輪駆動システムを組み合わせ、0-100km/h加速3.9秒を達成する。

フォルクスワーゲン・ゴルフ・デザイン・ビジョンGTi(2013年)
フェラーリF12 TRS(2014年)
F12 TRSは、SPモデルとして初めてF12ベルリネッタをベースとし、1957年の250テスタロッサに着想を得た完全オーダーメイドのボディワークを備えている。厳密に言えば、これはワンオフモデルではない。発注者が、スタイリングを変更しクローム塗装を施した2台目の製作を依頼したからだ。この2台目は、ノーズ、リアディフューザー、ヘッドライトの仕様が異なる。

フェラーリF12 TRS(2014年)
フェラーリSPアメリカ(2014年)
米国のフェラーリ愛好家ダニー・ウェグマン氏が、F12をベースにしたこのワンオフ車を発注した。希少価値の高い250 GTOに着想を得たSPアメリカは、丸型のテールライトなどまったく新しいデザインを採用している。メカニズムはF12から引き継がれているため、フロントに740psの6.3L V12エンジンが搭載されている。

フェラーリSPアメリカ(2014年)
フェラーリSP FFX(2014年)
フェラーリ・スペシャル・プロジェクト部門は2014年、3台ものユニークな車両を披露するなど、多忙な1年を過ごした。SP FFXは日本のコレクターからの依頼で製作されたもので、フェラーリFFをベースとしているとは到底思えないほど、後部は鋭く切り落とされている。むしろスタイリングを一新したF12ベルリネッタのように見える。

フェラーリSP FFX(2014年)
フェラーリSP 275 RWコンペティツィオーネ(2016年)
SP 275 RWコンペティツィオーネもまたF12をベースにしたワンオフモデルで、米国の歯科医リック・ワークマン氏の依頼により製作された。ワークマン氏はこの世界に1つだけのマシンに300万〜400万ドルを支払ったとされている。デザインは1965年のル・マンでクラス優勝を果たした275 GTB/C スペチアーレに着想を得て、F12tdfのメカニズムを採用し、780psを発揮する。20インチホイールはこの車両専用のものだ。

フェラーリSP 275 RWコンペティツィオーネ(2016年)
フェラーリ458 MMスペチアーレ(2016年)
英国の「跳ね馬」ファンによって発注されたフェラーリの公式ワンオフモデルは多くないが、458 MMスペチアーレはその1つだ。458スペチアーレをベースに、アルミニウムとカーボンファイバーでまったく新しいボディパネルが製作された。曲面フロントガラスを備えた288 GTOから着想を得ており、ボディはパールホワイト、インテリアはダークブラウンのレザーで覆われている。

フェラーリ458 MMスペチアーレ(2016年)
キア・ソレント・スキーゴンドラ(2016年)
米国のアフターマーケット部品メーカー団体、スペシャルティ・イクイップメント・マーケット・アソシエーション(SEMA)は1960年代初頭から活動しており、毎年秋にラスベガスで開催されるSEMAショーは世界中のカーマニアにとって必見のイベントとなっている。自動車メーカーもこぞって参加しており、キア・ソレント・スキーゴンドラのような車両ですら、展示車両の中では普通のクルマに見えてしまうほどだ。
スキーゴンドラはエンジンとトランスミッションに関しては標準仕様のソレントと同じだが、その他のドライブトレインは大幅な改造が施されている。想像を絶する過酷な北極圏の地形にも対応できるよう、自動水平調整機能付きゴム製クローラー(無限軌道)が装着されているのだ。

キア・ソレント・スキーゴンドラ(2016年)
フェラーリSP38デボラ(2018年)
2018年にヴィラ・デステで公開されたSP38デボラは、スイスのコレクター、ロニー・ケッセル氏の資金と情熱によって実現したものだ。488 GTBをベースに、F40から着想を得たデザインで仕上げられた。SP38デボラ(SP38 Deborah)という名称は、特注の赤の塗装色に由来しているらしい。

フェラーリSP38デボラ(2018年)
ロールス・ロイス・スウェプテイル(2017年)
ある匿名オーナーの依頼により、数百万ポンドをかけて製作された1台。各メディアで発表された際、インターネット上の掲示板はデザインを酷評する投稿で溢れかえった。しかし、好き嫌いは別として、スウェプテイルはコーチビルディングの黄金時代を彷彿とさせるものであり、それこそがまさにロールス・ロイスのあるべき姿と言えるだろう。
スウェプテイルは、6.75L V12エンジンを搭載したファントムVIIをベースにしている。完成までに4年を要し、ロールス・ロイスの象徴であるパンテオングリルは史上最大規模のものが採用された。その堂々としたプロポーションにもかかわらず、シートは2席しかないため、トランクスペースはおそらくバン並みに広かっただろう。

ロールス・ロイス・スウェプテイル(2017年)
ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール(2019年)
ブガッティが2019年のジュネーブ・モーターショーでラ・ヴォワチュール・ノワールを公開した際、1200万ポンド(約26億円)という価格から「世界一高価な新車」であるとされた。これは匿名のブガッティ愛好家からの依頼で作成されたクルマであり、一時はポルトガルのサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドが発注者であるとの噂もあったが、本人はこれを否定している。
ラ・ヴォワチュール・ノワールのベースとなったのは1500psのシロンだが、インスピレーションの源となったのはブガッティ・タイプ57SCアトランティック、とりわけジャン・ブガッティ氏が当初所有していた1台だ。その車両は第二次世界大戦中に失われ、二度と姿を現すことはなかった。ラ・ヴォワチュール・ノワールも一度公の場で披露された以上、今後はあまり公開されることはないだろう。

ブガッティ・ラ・ヴォワチュール・ノワール(2019年)

