「鼻くそ」の正式名称、知ってる?医師が教える、NG習慣3つと正しい鼻ケア
子どもが鼻をほじっていて、「なぜ触るの?」「鼻くそはどう取るのが正解?」と気になったことはありませんか?今回は、そんな疑問について、わしお耳鼻咽喉科の鷲尾有司先生に聞きました。鼻を傷つけない正しいケアや、子どもの鼻ほじりで注意したいサインについて詳しく紹介します。

「鼻くそ」の正式な呼び方は?
鷲尾先生によると、「鼻くそ」は、医学的には「鼻垢(びこう)」と呼ばれるそうです。
鼻垢ができる原因は大きく分けて次の3つがあります。
「1つ目は、外気の影響です。鼻は体の“空気清浄機”です。外から入り込んだゴミやホコリがたまり、鼻垢になります。2つ目は鼻水。鼻水が乾燥して固まったものが、鼻垢になります」(鷲尾先生、以下同)
また、鼻のいじりすぎも要注意。
「指や綿棒で鼻を頻繁にほじると、鼻の粘膜が荒れて炎症を起こします。すると、傷を治すために皮膚がかさぶたのようになり、それがはがれて鼻垢となります
鼻垢が増える?やりがちな「NG習慣」3つ

じつは、なにげなくやっている行動が、逆に鼻垢を増やす「炎症」を引き起こしていることもあるそうです。3つのNG行動を伺いました。
●1:鼻の中を頻繁に触る
「鼻をかんだにあとに、指で鼻の中を触ってしまうのはNG。触れば触るほど弱い粘膜がめくれて炎症を起こし、ひどくなると『鼻前庭炎(びぜんてえん)』という疾患になることもあります」
●2:ティッシュのつめすぎ
鼻がムズムズしたときに、ティッシュを鼻の奥までつめこんでいませんか?
「じつは、ティッシュは思っている以上にかたい物質なんです。鼻の粘膜は顔の皮膚よりもはるかにデリケート。ティッシュをどんどんつめ込むのは避けましょう」
●3:鼻毛の切りすぎ・脱毛
鼻毛カットや脱毛にも、注意が必要です。
「鼻は空気清浄機であると同時に、喉をうるおす『加湿器』の役割も果たしています。口呼吸だとのどがカラカラになるのに、鼻呼吸だと快適なのは、鼻毛や粘膜のおかげ。鼻毛を切りすぎると中が乾燥し、風が刺激になって逆に鼻垢が増えてしまうこともあります。お手入れはほどほどに、ある程度は残しておきましょう」
子どもの鼻ほじりは要注意?
ついつい気になってしまう子どもの鼻ほじり。じつは思わぬトラブルが隠れていることがあるそうです。
●鼻を頻繁に触るのは「鼻のトラブル」のサインかも
「子どもには大人のように『人前で触ったら恥ずかしい』といった理屈や我慢がありません。素直に、鼻の調子が悪く、なにか違和感があるから触っているだけ。私の経験では、9割ほどはアレルギー性鼻炎などの鼻のトラブルが隠れています」
もともと鼻炎などの違和感があって鼻を触り、触ることで鼻垢がたまり、そこをいじって頻繁に鼻血を出してしまう…そんな悪循環に陥って病院に連れてこられるお子さんも多いのだそうです。
●どんぐりが鼻に!?幼児に多い意外な鼻トラブル
小さなお子さんの場合、「異物混入」が鼻ほじりの原因となっているケースもあります。
「3〜4歳頃は、好奇心から鼻になにかを入れてしまうことがあります。『ずっと鼻を触っているな』と思って受診したら、ティッシュの塊やオモチャのパーツ、拾った『どんぐり』が出てくるケースもありました」
鼻は耳と違って、異物が入ってもあまり痛みがないため、本人も忘れてしまいがち。
「もしお子さんが鼻を触る行動が『しょっちゅう起こる』『長く続いている』のであれば、アレルギーや異物が隠れている可能性も。一度耳鼻咽喉科で見てもらい、原因を見つけましょう」
大人と子どもの「正しい鼻垢ケア」

鼻垢は見つけるたびに取った方がよいのでしょうか?
「鼻垢は、少しでも鼻を塞いでしまうと、息がしづらくなります。とくにお子さんの鼻は細いため、詰まると『いびき』の原因になることも。見えない鼻の奥まで触るのは危険ですが、無理のない範囲で除去するとよいでしょう」
●ベストタイミングは「お風呂上がり」
乾燥してこびりついている鼻垢を、無理にこそぎ取るのはNG。
「お風呂の蒸気で鼻の中がしっかり潤い、鼻垢が湿って柔らかくなっているタイミングを狙いましょう。自然にはがれやすくなっていて、安全に除去できます」
●肌を傷つけない鼻のかみ方は?
鼻をかむとき、何度もティッシュでふき取ると、摩擦で鼻の下が荒れてしまいます。そこでおすすめなのが、お風呂や洗面所で手で鼻をかむ「手鼻(てばな)」という方法。
「お風呂場や洗面所などの水回りで、片方の鼻を手で押さえ、もう片方の鼻で勢いよく息を吹き出して、鼻垢を出し、水で流します。手で行うため皮膚への刺激がありません。また、適度な湿気も加わって、固まった鼻垢が出やすくなります」
また、鼻うがいなどを使って洗い流すのも効果的なのだそう。
●子どもには「鼻吸い器」でのケアがおすすめ
子どもの鼻ケアに、ピンセットや綿棒を使うのはどうでしょうか?
「急に子どもが動くと危険ですので、使うのは鼻の入口だけにとどめ、奥の見えない場所のケアはやめておくのがよいでしょう」
おすすめは市販の「鼻吸い器」です。
「鼻吸い器なら、多少子どもが動いても粘膜を傷つけるリスクが少なくなります。お風呂上がりに、鼻水と一緒に吸い取ってあげるとよいでしょう。ただ、日中もしょっちゅう吸わなければ追いつかない場合は、根本的な鼻炎の治療が必要なサイン。無理をせず耳鼻科を受診してください」
子どもの鼻ほじりは、単なるクセではなく鼻からのサインかもしれません。まずは原因に目を向けてあげたいですね。
